飾るだけで部屋の印象を変える緑や花。センスが良い人々は、どんなふうに植物を選んで、飾り、育てているのだろう?3組から学ぶ、植物のある暮らしのつくりかた。今回は、生花店〈farver〉経営・渡辺礼人さんと安樹子さんのお部屋を見せてもらいました。

窓を開け放つとテラスまでリビングになる渡辺夫妻宅。植物はそれぞれ育てるのに適した場所に置かれ、葉を繁らせている。

東京・中目黒で、生花店〈farver(ファーヴァ)〉を経営する渡辺礼人(あやと)さん・安樹子さん夫妻。5年前から住み始めた2階建ての家のリビング&ダイニングルームは、天井から日光が降り注ぎ、テラスからの風が吹き抜ける、植物が育つのに最高の空間だ。

書斎には、沖縄の作家・本田伸明さんの花器にバラを生けている。
1階玄関の棚には、日陰でも育てやすい観葉植物やドライフラワーが並ぶ。高低差が出るようジグザグに飾るのがこだわり。

リビングルームと繋がったテラスをはじめ、あらゆるスペースに観葉植物が置かれた渡辺夫妻宅。グリーンの面積は多いけれど決して単調ではなく、葉の形や色の濃淡などバリエーション豊かなのが印象的だ。「グリーンは一年中ありますが、今は新芽や若葉が出てくる季節。冬に枯れたと思っていた植物も、観察していると新芽が伸びてくることもよくあります。ちらほら出てきた若葉はかわいいし、子どもを育てるような成長の喜びが感じられますよね。これから雨に当たって、日光を浴びて、ますます大きく育っていくので、2週間くらいすると見た目が全く変わってきます」(安樹子さん)

2人が植物のためにいちばん大事にしているのは、光と風と水。「換気は冬でも毎日。葉への霧吹きも欠かしません」(礼人さん)また、暖かくなってくる今の時季は、新しい植物を育てやすいというメリットもあるそう。「うちもこれからいくつか足そうかと。今なら大体の植物は肥料を少しあげるだけで、すくすく育ちます。新しい植物は、まず自分自身の環境を把握して取り入れるのが前提条件。最初から大きいものではなく、小さめのものから育て始めるのがおすすめです」(礼人さん)

植物を育てるマイルール

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RULE #1 緑の配置はリズム感を意識。
TVの存在感をなるべく薄めるため、周りにはグリーンを特に多めに置いている。「1つのコーナーにいくつか置く場合は、緑の濃淡や葉の大きさや形、高さなどが異なるものを、バランスを見ながら組み合わせるのがポイント。メリハリがつくことで、奥行きのある空間になります」(安樹子さん)

RULE #2 花瓶もインテリアの一部に。
オブジェ的な要素の強いカラフルなフラワーベースは、使わないときは“見せる収納”スタイルで片付け。「床や壁が木目やアースカラーなので、アクセントになる花瓶を選んでいます。眺めているだけでも楽しいし、シンプルに葉っぱだけを生けても絵になりますよ」(礼人さん)

RULE #3 動かしやすい鉢カバーを活用。
リビングのポイントになっている大きめのエバーフレッシュは、買ってきたときのプラスチックの鉢のまま、バスケット形の鉢カバーへ。「カバーを引くだけで軽々と動かせるので、移動がラク。見た目もスッキリしてインテリアにもなじみやすいし、カバーだけなら替えるのも簡単です」(礼人さん)

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RULE #4 屋外に向く植物はテラスに。
テラスは暑さ・寒さに耐久性のある植物がメイン。日当たりと風通しを良くするために屋根は設けていない。「一部、寒さで凍傷になったり、葉を落としたものもありますが、新芽が出る可能性もあるので様子を見ています。室内同様、葉の形状や色合い、高低差でリズムをつけて」(安樹子さん)

RULE #5 切り花で季節感と色をプラス。
部屋のコーナーごとに、花器に生けた季節の花を飾っている。「鉢で育てる観葉植物は、花を咲かせることが少なかったり、咲く期間も短いので、常に鮮やかな色の生け花をプラスしています。これからの季節に多く出てくる、きれいな模様の入った葉を生けたりしても素敵ですよ」(安樹子さん)

RULE #6 棚の植物の種類はバラけさせる。
日光が入りにくい1階の棚には、日陰に強い植物を置いている。「このコーナーは、実は植物の種類自体は少ないのですが、鉢の素材や色を変えたり、茎の伸びる方向や葉の大きさに変化をつけて並べることで、見飽きることのないバリエーション豊かな空間にしました」(礼人さん)

(Hanako1209号掲載/photo : Yoichi Onoda, Nozomu Tomita text : Mie Furuya)