みなさんは本当に完熟した果物を食べたことがありますか? 産地で完熟した果物を東京で味わうのは、流通システム的に難しいといわれています。今回は、収穫ギリギリまで完熟させた果物のおいしさを知ってほしい農家と、おいしい果物で笑顔になりたい人を繋ぐプロジェクト、〈F STAND〉を紹介します。

櫛形山より甲府盆地方面。

山梨県の西側に位置する南アルプス市は、「フルーツ王国」といわれている山梨のなかでも、特に多様な果物を栽培している地域として知られ、幻のすもも「貴陽」やシャインマスカット、桃、さくらんぼ、あんぽ柿など四季折々の果物が楽しめます。しかし、産地で食べるのと同じおいしさと出会うことは滅多にありません。それはなぜでしょうか?

実は東京の店舗で並ぶ果物は、運ばれる時間や店頭に並ぶタイミングを計算しているため、未熟な状態で収穫されたものが多いそう。

「農産物や特産品は、日本全国にたくさんあります。ネットで探せば見つかり、手に入れることもできる時代なのに、このおいしさが地元を一歩出ると知られていないのは、本当のおいしさがちゃんと伝わっていないからなのではないか」

そんな風に考えたのは、〈F STAND〉を立ち上げた〈Unsungs&Web〉の代表 有井 誠さん。

自身も山梨県南アルプス市出身で、祖父母がぶどう農家をやっていたこともあり、生産者側としても食べる側としても果物のことを熟知しています。そして、東京での生活で感じていた未熟な果物の味けなさに「本当はとってもおいしい果物なのに、もったいない」と考え、産地で食べるような本当のおいしさを伝えるために、今回のプロジェクトを発足しました。

「本当に“完熟”した果物を食べてほしいと望む農家と、おいしい果物で笑顔になりたいお客さんを繋げることを考えたら、無人販売のスタイル辿り着きました」と話す有井さん。農家と頻繁に連絡を取り合い、旬のピークを迎えたタイミングで収穫されたものを提供しています。

現在、神楽坂、巣鴨、中目黒、渋谷に無人販売のスタンドが設置されているのですが、不定期開催、開催日は1〜2日前にSNSで告知するスタイルになってしまいます。ちょっぴり難易度高めですが、果物をベストなタイミングで提供するがゆえです。

いつ販売されるかはSNSをチェック!
本当においしい果物を求めて神楽坂へ。
「つばめ舎建築設計」の永井さんたちが出版した書籍も横で販売。
模型も飾られている。

今回訪れたのは、神楽坂にある「つばめ舎建築設計」の軒先を間借りして設置された無人販売所。
スタンドには、朝採れたてのすもも「貴陽」(2個900円)が並んでいました。
支払いはカードまたはPayPayで決済するスタイル。無人販売といっても、事務所では建築士の永井雅子さんたちが働いているので、わからないことがあれば声をかけることもできます。永井さんたちが手掛ける魅力的な建物のパネルや書籍、模型にも注目してみてくださいね。

畑で完熟させた果物を収穫後48時間以内に販売。

幻と呼ばれるほど、希少なすもも「貴陽」。

南アルプス市まで自分たちで車を運転し、朝採れの果物を農家で集荷し、お昼までに東京に戻って店頭に並べています。
すももといえば、小さくて酸味の強いイメージですが、「貴陽」は野球ボール並の大玉で、種が小さく果汁の酸味と甘みのバランスが絶妙!ふるさと納税でも毎年人気でファンも多いのだとか。

皮を剥かずに、そのまま食べるとジューシーな果肉と、パリッと弾けるような皮の食感が楽しめます。
今まで食べていたすももとは全く違う味わいが楽しめ、思いがけず感動。これが本当のすもものおいしさなんだと興奮しつつ、夢中でパクパク食べてしまいました。果物好きは、ぜひとも味わってほしい。
「貴陽」は提供期間が短いのですぐに終了してしまいますが、ネットなどでも販売していますので検索を!

皮に「雲紋」と呼ばれる模様があるのは完熟している証拠!
果肉の色の濃さが完熟を表している。
熟しているけど、皮も果肉も歯ごたえがあってジューシー。
スライスしてパンに乗せれば、李のオープンサンドのできあがり!
南アルプス市の風土がおいしい果物を育てる。

今後は、桃やネクタリン、巨峰、シャインマスカット、いちご、さくらんぼを販売予定。
また、パートナー農家さんやスペースオーナーを募集して、販売所を増やしていくそうです。
本当においしい果物が食べたくなったら、まずは〈F STAND〉のSNSをチェック!

〈F STAND〉
公式サイト
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Unsungs&Web