日本の経済の深刻化が、暮らしにも影響しつつある。いま世界で起こっていること、これから起こりそうなことに目を向けて、自分で自分の資金を増やしていきたい。つみたてNISAやiDeCoなど、すぐに始めたい投資のイロハを学んでみよう。今回は、世界の中の日本の立ち位置についてです。

1.世界の1人当たり名目GDPランキング

GDPの国別ランキングでは世界第3位の日本は、1人当たりに換算すると第28位。アジアの中でもシンガポール、香港、マカオを下回っている。「日本は経済大国だという意識が強い人が多いですが、凋落していることを実感し、経済成長を目指しましょう」

2.ビッグマック指数

本来、同じ価格で買えるはずの「ビッグマック」の料金を比較することで各国の購買力を測るというもの。「同じ考え方で、世界で展開するホテルブランドの1室1泊料金を比べると、東京が一番安い。ということは、日本が安くなっているということ」

3.世界大学ランキング

出典:Times Higher Educaiton2022(イギリス)

日本の大学は200位以内に2校のみランクイン。アメリカ(57校)やイギリス(28校)、アジア圏の中国(10校)に比べて低評価だ。「日本はデジタル化に遅れをとっています。いま注目されているのは“エドテック”。AIの活用で個人に合わせた授業が組まれています」

世界の平均年収ランキング

日本の給料は30年で6%ほどしか上昇していない。「日本では普通と思うかもしれませんが、これは異常。アメリカでは1.4倍、イギリスでは1.5倍に給料が上がっていて、物価も上がるけど生活は豊かになっているんです」。日本の貧困化がわかる指標だ。

世界を見渡して自分の立ち位置を知ろう。

じわじわと感じつつあった日本経済への危機感が、円安やインフレなど、実感を伴う身近な問題に。いま私たちはどうしたらいいのか、東京都立大学経済経営学部教授の宮本弘曉先生に話を聞いた。「1人当たりGDP、テクノロジー変革の遅滞、上がらない賃金など、まずは日本の立ち位置を把握しましょう。『日本は大丈夫』と思っている人は少なくないですね。あまり認めたくありませんが、日本は貧困化しています」(宮本先生、以下同)

悲観してしまいそうだが、希望もあるという。「日本は世界トップの超高齢化社会ですが、それは他国に先駆けて解決策を見出せるということ。健康促進のサービスは需要がありそうですね。ほかには、水や治安の良さも世界には魅力的なマーケット。優秀な人材が移住したり働いたりしてくれれば、日本経済のプラスに。果物など〝メイド・バイ・ジャパニーズ〞の品も世界で大人気ですよ。世界をターゲットにビジネスを考えれば、少し光が見えてくるのでは」

Navigator…宮本弘曉(みやもと・ひろあき)

東京都立大学経済経営学部教授。国内外の大学で経済学を学んだ後、国際通貨基金エコノミストを経て現職に。著書に『101のデータで読む日本の未来』(PHP新書)。

(Hanako1211号掲載/photo : Kenya Abe illustration : naohiga text : Megumi Suzuki , Kahoko Nishimura)