
カウンターで飲んだりつまんだりするのが好きだ。一人で行くことが多い。黙って周りの話に耳を傾けるのもいいし、初めて会う人と話してみるのもいい。会社を少し早く出て、カウンターで一杯飲っていると、人生のエアポケットって感じでホッとしたり。建築家、漫画家の座二郎が訪れた店のスケッチとともに「カウンターのあるお店」をご紹介。
タワーマンションと細い路地の長屋が混在している月島。立飲み居酒屋〈酒房 蛮殻〉は月島らしい細い路地の先にある。店先にはテイクアウト用のカウンター、一階には立飲みカウンター、二階には日本酒専門のスペースがあり、まるで街みたいな構造になっている。いつものように店やお客さんの絵を描いていると、壁に並ぶ古い棚が建物のように見えてきた。お店自体が月島の街みたいな構造になっているのだとすると、この一階のカウンターは月島の路地なのかもしれない。羊のシウマイをつまみながらビールの泡を乗せた名物のホッピーを飲んでいると、路地を散策している気分になれる。
このカウンターには昔から月島に住んでいる人も、新しいものを求めている若者もやってくる。古くて新しい、月島らしい店だ。
【酒房 蛮殻】
シウマイは豚、牛、羊の3種が、ホッピーは、白、黒、コーヒー、トマトなど8種が揃う。
住所:東京都中央区月島1-25-7
電話:03-5859-5363
営業時間:17:00〜、土日祝16:00〜
定休日:不定休
インスタグラム:@bankara_tsukishima
絵と文/座二郎
空間を描く建築家。大手ゼネコンに勤務しながら、電車内で漫画を描き始める。漫画や絵本などで都市の空間を表現する。また建築家として屋根の無い自邸を設計。2022年独立。Twitter:@zajirogh
No. 1212
365日楽しい街。京都。/永瀬 廉(King & Prince) 2022年08月26日 発売号
8月26日(金)発売Hanako1212号「365日楽しい街。京都。」。伝統息づく町家をモダンに改装した空間でいただく旬の食、いま注目の新店が続々登場し盛り上がりをみせている河原町松原エリア解説、食&雑貨のお土産リストなど旬の情報のほか、京都の食材や神社仏閣などを通じてわかる京都の1年の魅力を大解剖します。
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