
外国人向きのクラブやパブ、タトゥーショップなど、カラフルな英字の看板が並ぶメインストリートは、異国感たっぷり。アメリカと沖縄が融合するディープな街の新しい息吹を感じよう。
AREA ACCESS
嘉手納基地から続くゲート通りと、裏手のパークアベニューに囲われた徒歩約20分圏内の市街地が、通称・コザと呼ばれるエリアの中心。1974年にコザ市と美里村が合併して沖縄市となったが、愛称は引き継がれている。那覇空港から車で約35分。
Navigator 嶺井大地 〈 TESIO 〉店主
みねい・だいち/1984年、沖縄県生まれ。日本各地で修業後、2017年に〈TESIO〉をオープン。コザの街のイベント企画や新店舗の誘致など、街づくりにも積極的に関わる。
ものづくりで勝負する、 探求者が目指す街

平日の昼間はほとんどシャッターを下ろす目抜き通りの店が、週末の夜を待つように開き、嘉手納基地から繰り出してくる米兵たちで大変なにぎわいになる。そんな特殊な場所に、2017年、シャルキュトリーの工房兼ショップを構えた〈TESIO〉の嶺井大地さん。
「煙や煩音の出る製造ができる場所を探して、縁あってコザにたどり着きましたが、クラブやミュージックバー、ポールダンスの店などが密集するエリアへの出店を、最初はみんなに止められました。当時はそのくらい、地元の人には用のない地域だったと思います」
外国人の好む店に交じり、街の人に向けた店が出来始めたのは、ここ2年ほど。今や街のシンボル的存在の〈TESIO〉が旗振り役となったのは間違いないだろう。
「商売をするならもっと有利な場所があるけれど、この街が好きで、あえてここから表現しようという思いのある人が多く集まってくる。それがコザの魅力でしょうね。戦後は那覇より先にコザから復興した歴史もあり、今も街がその時のエネルギーとパワーを秘めている。そしてここ最近、その勢いがますます加速しているのを感じます」
TESIO(テシオ)




人と人とをつないでいく、コザの街のソーセージ屋さん。
店の奥の工房で作った本格ドイツ製法のソーセージやハムをショーケースに並べる、シャルキュトリー店。手作業で丁寧に下処理した豚肉を、県産のスパイスなどで味付けしたソーセージは、本場ドイツの国際品評会で受賞するほどの本格派。裏の精肉店で仕入れた材料を使うなど、店を介して街と交わりたいという思いも地域の宝物だ。心が元気になる人情に富んだ接客、アグレッシブなパワーを宿した味を求めて客足が絶えない。


住所:沖縄県沖縄市中央1-10-3
営業時間:11:00〜18:00
定休日:月休
TEL:098-953-1131
珈琲(コーヒー)ロマン


地元密着型のノスタルジックな喫茶空間。
2021年秋、中の町に誕生以来、地元で愛される喫茶店。バリスタの新里綾希さんが監修するコーヒーを夫・恵太さんが焙煎。自家製にこだわり、モーニングから展開するフードメニューは夫婦で、旬の果物や素材で提案するケーキと焼菓子は綾希さんが担当する。コザのリノベチームと店主が協同で手がけた内装はどこかノスタルジックで居心地良好。



住所:沖縄県沖縄市上地2-14-20
営業時間:9:00〜17:00
定休日:日月火休
席数:15席
TEL:090-3795-6518
photo : Satoko Imazu (P.24, TESIO), G-KEN text : Asuka Ochi (P.24, TESIO), Akari Matsuura
No. 1218
沖縄・春の旅。/目黒蓮 (Snow Man) 2023年02月28日 発売号
沖縄と言えば、暑い夏がイメージ。でも、春の旅が実は最高なんです。太陽の光は、眩しくも優しく。美しい海は、海開きが始まったばかりで、ひとり占め。冬から春にかけて旬を迎える“沖縄の野菜”を満喫。最高気温は、25℃前後。街歩きも、世界自然遺産・やんばるの森ツアーをはじめとする大自然も快適に。いつもよりも、ちょっとだけ早い旅支度をして、涼しく楽しく、そして美味しい春の沖縄へ向かいませんか。
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