カウンターで飲んだりつまんだりするのが好きだ。一人で行くことが多い。黙って周りの話に耳を傾けるのもいいし、初めて会う人と話してみるのもいい。会社を少し早く出て、カウンターで一杯飲っていると、人生のエアポケットって感じでホッとしたり。建築家、漫画家の座二郎が訪れた店のスケッチとともに「カウンターのあるお店」をご紹介。

日本料理店のような店構えは、もともとフグ料理店だった内装のため。クラシックな雰囲気とは裏腹に、アルゴンガスとワインを入れ替えるシステムを使ってたくさんのワインをグラスで飲めるように工夫している。店主の小山さんは福島県の食材やフードロスにも向き合っていて、相談すると季節のものを出してくれる。福島県常盤ものの「メヒカリ」の揚げ物は旨味が詰まった最高の肴だった。

環境負荷に配慮しつつ贅沢に美味しいものを食べられる可能性を考えると元の日本料理店を生かした最低限の改装も新しい意味を持ってくる。西洋風のオシャレっぽい内装じゃなくても最高な贅沢はできるんだ。表に光る看板も〝浮世絵とワイン〟をテーマにAIに描かせたものとのこと。一目見ただけでは良さがわからない古くて新しいワインバーだ。

【小山の酒場 -Social-SAKABA-】
旅するソムリエ・小山純司さんが世界中からセレクトしたワインが揃う。
住所:東京都新宿区荒木町7 安藤ビル1F 
電話:03-6709-9475
営業時間:19:00〜24:00 
Instagram:@junji_koyama

絵と文/座二郎

空間を描く建築家。大手ゼネコンに勤務しながら、電車内で漫画を描き始める。漫画や絵本などで都市の空間を表現する。また建築家として屋根の無い自邸を設計。2022年独立。Twitter:@zajirogh