憧れの名店や、いつか会いに行きたい焙煎士のコーヒー豆が、焼きたてで自宅に。
全国各地の喫茶店から集めた、お店の顔となるブレンドをチェックしてみよう。

可否茶館(かひさかん)[小樽]

奥深い苦みの中に果実感、すっきりと甘みの余韻。
1971年創業の自家焙煎北海道コーヒーの草分け。札幌を中心に店舗を展開し、焙煎工場はヨーロッパの緯度に近い小樽に。冷涼で湿度が低くコーヒー作りに適している。コスタリカ、ブラジル、インドネシアを別々に焙煎し、後からブレンドするアフターミックス製法の「50thブレンド」300g 2,332円は、2021年に期間限定で販売して人気を集め定番化。

HP:https://www.kahisakan.jp/

カフェ・ド・ランブル[東京]

喫茶店文化を作り上げた、伝統の味をいただく。
日本のコーヒー界のレジェンド、故・関口一郎さんはコーヒーだけに情熱を注いできた。その道は今も守られ、創業の1948年から使う焙煎機は現役で店頭で働き続けている。ブラジルやコロンビアなど5種ほどを混ぜ、酸味と苦味の中間を目指したブレンドは100g 1,000円。そのほかシングルオリジン10種前後。名物のオールドコーヒーは店内でのみいただける。

HP:http://www.cafedelambre.com/

堀口珈琲[東京]

ブレンドの奥深さを知る、バリエーションの楽しみ。
ブレンドと深煎りを追求してきたロースター。進化を続けるシングルオリジンの豆と向き合い、それを組み合わせて風味を高めている。9つもあるブレンドから、今の季節のおすすめは「#2 FRUITY&LUSCIOUS」200g 1,836円。柑橘やベリーのような華やかな酸味と果実味がある。〈堀口珈琲〉らしい深煎りなら「#7 BITTERSWEET & FULL-BODIED」を。

HP:https://kohikobo.com

OGAWA COFFEE LABORATORY(オガワコーヒーラボラトリー)[東京]

濃厚な甘さを含むブレンドはミルクに合わせて、よりおいしく。
老舗コーヒーロースターの〈小川珈琲〉が新たな文化発信地として構えた〈OGAWA COFFEE LABORATORY〉。ここでいただける「ハウスブレンド京都」100g 950円は、ブラジル、グアテマラ、エチオピアのどれもが突出せず、互いの良さを引き出すように調合したもの。ドライフルーツのような甘さが感じられる。人気の豆3種をセットにしたトライアル商品も。

HP:https://www.ogawacoffeelaboratory.com/

自家焙煎 東出珈琲店(ひがしでコーヒーてん)[金沢]

コーヒー通の金沢人を唸らせるアロマが豊かでクリアな味。
実はコーヒー豆の消費量が全国トップレベルの金沢。ここで人気を集めるこの店では、焙煎前後に丁寧にハンドピックし、少量ずつ焼いて新鮮さをキープしている。「東出ブレンド」100g 620円は、中深煎りらしい重厚感がありつつスッキリとした後味。薄く淹れても濃く淹れても、いい風味が保たれる。そのほかシングルオリジンを中心に20種ほどを扱う。

TEL:076-232-3399

二三味珈琲(にざみコーヒー)[能登]

日本中のコーヒー好きが集まる憧れの店からお取り寄せ。
能登半島先端近くの舟小屋を改装した〈二三味珈琲〉の焙煎所兼ショップには、最果ての地にもかかわらず全国からファンが訪れる。やや深煎りで酸味と苦味のバランスが取れた「舟小屋ブレンド」200g 1,296円をベースに、スペシャルティ豆を使ったブレンドは全部で6種、ストレートは20種ほど扱っている。焙煎した豆は即日発送。

TEL:0768-86-2088

喫茶ニューポピー[名古屋]

喫茶店文化が育んだ、気持ちのいいコーヒー。
名古屋の老舗〈喫茶ポピー〉を営む家に生まれた尾藤雅士さん。一度は閉店した店を継ぎ、再開前に焙煎卸売業を始めてコーヒーのスペシャリストになった。写真は、軽やかな苦味と酸味が広がる深煎りの「ポピーブレンド」100g 810円。毎年、扱う豆の産地を訪問して自分たちの言葉で直接やりとりしたり、産地と福祉を繋ぐ〈トリココーヒー〉としても活動する。

HP:https://beansbitou.thebase.in/

スマート珈琲店[京都]

力強くも澄んだ後味。食事に合う贅沢な香りを。
1932年の創業以来、地元の人や観光客から愛され続ける喫茶店。当初から焙煎する豆は「オリジナルブレンド」200g 1,400円のみ。オーナー自ら焙煎しているという。焙煎機はヨーロッパでトップシェアを誇るドイツ・プロバット機を使っている。お店のように、ふわふわのパンケーキやサンドイッチなど、シンプルな軽食を用意して味わいたい。

HP:https://shop.smartcoffee.jp/

市川屋珈琲[京都]

京都の町家で焙煎する、まろやかなブレンド。
東山の町家を改装し2015年に開店。季節のフルーツサンドが名物だが、ネルドリップで淹れるコーヒーの自家焙煎にも力を入れている。エチオピア、ブラジル、グアテマラを使った「市川屋ブレンド」200g 1,280円は、華やかな香りとバランスの取れた味わいがどんな気分にも合いそうなスタンダード。酸味のある「青磁ブレンド」、深いコクの「馬町ブレンド」も。

HP:https://ichikawaya.thebase.in/

豆香洞コーヒー(とうかどう)[福岡]

世界一の焙煎士が作る、毎日飲みたい一杯に出会う。
〈カフェ・バッハ〉での修業経験もあるオーナー焙煎士の後藤直紀さんは、2013年に「World Coffee Roasting Championship」で優勝した腕前の持ち主。その自慢のブレンド「豆香洞ブレンド」200g 1,468円がおすすめだ。香り、苦味、甘味がちょうどよく生み出されている。ブレンドとシングルオリジンを含め、常時15〜16種類がそろえられている。

HP:https://tokado-coffee.shop-pro.jp/

photo : Yuki Sonoyama text : Kahoko Nishimura

No. 1220

喫茶店に恋して。/道枝駿佑 (なにわ男子) 2023年04月27日 発売号

一日一杯のコーヒーを素敵な喫茶店でゆっくりと飲めたら。今号では、喫茶のスピリットを受け継ぐ新店、本や音楽、器選びに空間づくり…店主の哲学が隅々までいきわたる「学び」のある喫茶店などを徹底ガイド。全国の心地いい空間とおいしいコーヒーで、あなたのオアシスになる一軒を見つけてみませんか。コーヒー好きも魅了する、新たな日本のお茶の世界を覗く第二特集も必見です。

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