焼き菓子屋〈カサネ〉のオーナー・矢野仁穂さんが、日曜日の朝に食べたい「朝おやつ」をお届けする短期連載。今回のテーマは、シンプルベイクドチーズケーキです。

九州行き当たりばったりの旅をしてきました

先日、弾丸で1週間ほど福岡・熊本・佐賀へ行ってきました。
前日までバタバタしていて、旅程は未定!結果的に友人たちのおすすめスポットをぐるぐる巡り、たくさんの人に出会えたとてもいい旅になりました。
初九州、知らない場所へ行くのっていいですね。何者でもない自分を、そのまま受け入れてくれる余白というか。日常の中で無意識的に全うしている“わたし”から抜け出して、すっごく心が軽かった気がします。

上京して7年、いろんな“わたし”に囚われていたんだなぁ。

4月/晴朗「シンプルベイクドチーズケーキ」

今日の朝おやつは、超シンプルなベイクドチーズケーキ。
いろんな刺激を体中に受けて帰ってくると、ただなじんでいくようなやさしいおやつが恋しくなります。ずっしりねっとり、ひとくち食べるごとに安心感に包まれる…。ほんのひとクセ、クッキー生地のバターは少しリッチに。

いろんな変化に目が回るときは、チーズケーキで癒しの朝おやつを!

材料(直径12cmの耐熱容器3つ分) 所要時間40分ほど
バター…20g
クッキー…30g
クリームチーズ…100g
きび糖…30g
卵…1個
生クリーム…100g
薄力粉…20g
レモン果汁…大さじ1/2

準備物
耐熱容器
大きめのボウル
ビニール袋(保存用袋だと破れにくいのでなおよしです)

【1】シンプルチーズケーキは、作り方もシンプル!バターを電子レンジで10〜20秒ほどあたため、溶かしバターに。クッキーは袋に入れて、とにかく粉々に。器を使ってゴリゴリするのもおすすめです(笑)。
【2】クッキーが粉々になったら、袋に溶かしバターを入れて揉み込みます。全体にバターがなじめばOK!クッキーは思った以上に粉々の方がバターになじみやすいかも。
【3】2を耐熱容器の中へいれ、スプーンなどで平らにします。今回は型から外さずに食べるので、適当でも問題なし。これでクッキー生地の完成です。

【4】ボウルにクリームチーズを入れ、ゴムベラでよく混ぜます。硬い場合は、電子レンジなどで少し温めても。クリームチーズが滑らかになったら、オーブンを180度に予熱します。

【5】ボウルにきび砂糖、卵、生クリームの順に入れ、各材料を入れるたびによく混ぜます。ゴムベラだと少しむずかしいので、泡立て器で思いっきり混ぜても。

【6】薄力粉をふるい入れたらさっくりと混ぜ、最後にレモン果汁を加えて再度混ぜます。ひたすら入れて混ぜる工程が続きましたが、これでアパレイユ(※)も完成!

※フランス料理で使われる液体状の生地。

【7】こし器でこしつつ、耐熱容器に注ぎ入れたら、180度のオーブンで30分。焼き色を見ながら、竹串を刺したときに生地がついてこなければ焼き上がりです。
粗熱がとれたら、冷蔵庫で冷やして完成!焼きたてを味見するのも。

いざ、朝おやつ!

今月の朝おやつ、いかがでしたでしょうか。
超シンプルなチーズケーキ。材料も道具も少なくて、工程もシンプル。ぼーっと作りたいときに重宝してるレシピです。少し多めにできるので、週初めの自分へのプレゼントにも。

一息ついて、自分のペースで!いい刺激をきちんと昇華していきたいなぁ。

皆様もゆるやかな日曜日を!

今月のプチアレンジ

今月のプチアレンジは、クッキー生地。もちろん、フルーツソースをかけるなどアレンジも大好きなのですが、クッキー生地のアレンジほどお手軽なものはない…はず。
全粒粉のクッキーを使うことが多いのですが、私的イチオシは「ココナッツサブレ」。ちょっと甘め、かつココナッツの風味がチーズケーキに合うんです。
ちょっと変化をつけたいときにでも、ぜひ試してみてくださいね。

photo:Wataru Kitao

矢野仁穂 ハナコラボ パートナー

代々木上原にある一つ星を獲得したレストラン〈sio〉の鳥羽周作シェフが代表取締役を務める〈シズる株式会社〉の社員。焼き菓子屋〈カサネ〉のオーナーとしても活躍する。Instagram:(@kimihoooo)