ピラティス・ヨガインストラクターの金原麗子(きんばら・れいこ)さんが、毎月、お悩み別に簡単エクササイズをレクチャー。たった3分でできるので、おうちはもちろん、仕事の合間など、気軽にトライしてみて。

第5回目は、“隠す”二の腕から“出せる”二の腕を目指すエクササイズです。毎年、薄着の季節がやってくると、二の腕の振袖部分が気になってノースリーブやキャミソールは着られない!…と焦る方も多いのではないでしょうか。

“二の腕タプタプ”の原因と対策

脂肪が多く筋力の低下
二の腕の筋肉は内側(力こぶのところ)と外側(タプタプが気になるところ)の2種類あります。
内側は肘を曲げたまま物を持つ、など使われる機会が多い筋肉。一方、外側の筋肉は物を頭上に持ち上げたり、手で押す時に使う筋肉のため、普段あまり使うことができません。筋肉が減るとその上についた脂肪を支えられずにたるんでしまうんです。
二の腕の外側の筋肉を使うエクササイズが効果的です。

むくみ
体は痩せ型〜普通体型なのに、二の腕だけ太いという人はむくみが原因かも。
長時間のデスクワークやスマホを見る時間が長いなど、二の腕を動かす動作が少ないと血流が悪くなり老廃物が溜まり、むくみやすくなります。塩分の多い食事もむくみの原因のひとつ。顔と同じように二の腕もむくみます。
血流をあげるにはマッサージや湯船に浸かるのが効果的。食事の見直しもおすすめです。

猫背や巻き肩
実は姿勢不良も原因のひとつ。背中が丸まっていると肩、腕の後ろ側の筋肉がほとんど使われていない状態です。二の腕と肩は繋がっているので姿勢が悪いと肩の筋力が低下、結果二の腕の筋力も低下してたるんでしまうんです。
インナーマッスルを使いながら正しい姿勢を意識できるピラティスがおすすめ。エクササイズで正しい姿勢を意識できると日常生活にも活かせるようになります。

Let’sエクササイズ

【OK】手の指の腹でマットを押す。
【NG】指先に力が入っていない、押せていない。

【1】テーブルポジション(四つ這い)の姿勢を作ります。

※テーブルポジションの作り方
1.足幅は腰幅で足先を立てます。
2.お尻の下に膝が来るようにセット。
3.肩の真下に手首、手を大きく広げて中指同士が平行になるようにします。指の腹でしっかりマットを押すことがポイントです。
4.みぞおちを引き込み、お腹に力を入れて、頭頂からお尻までが一直線。

ここから動きに入ります。

【2】肩のポジションを変えないように片足ずつ大きく後ろに伸ばします。この時、足先の上にかかとが来るようにします。

【NG】お尻が上がっている。頭頂からかかとまで一直線になるようにしましょう。
【NG】お尻が落ちて首が詰まる。

【3】頭頂からかかとまでが一直線になるように、みぞおちを引き込んだまま、お腹に力を入れます。指の腹でマットをしっかり押して胸や頭が下がらないように意識しましょう。
このまま20秒〜30秒キープ。キープしている間も呼吸が止まらないように意識しましょう。

【OK】脇を締めている状態。
【NG】脇が広がっている状態。

【4】脇を締めながら肘を後ろに引き、胸とお腹を同時にマットに下ろしましょう。

【OK】足幅は腰幅にセット。足先は真後ろ。
【NG】足が腰幅よりも広く、足先が内側を向いてしまっている。

【5】マットに下りたら足幅を腰幅にセットして、次のエクササイズに入ります。

【OK】首は長く、耳と肩の距離を遠ざけるようにします。目線は正面。お腹の力が抜けると腰を痛める可能性があるので背骨を伸ばす意識を持ち続けます。
【NG】肩がスクみ、目線が下がる。
【NG】脚が落ち、すねや前ももはマットから離れる。
【NG】顎が上がりすぎて首の後ろが潰れる。首の後ろはたくさん神経が通っているため、潰さないように気をつけます。

【6】息を吸って、腹筋と背筋、そして手で押す力で上半身を持ち上げます。腰を反るのではなく、背骨全体を天井方向へ伸びていく意識を持ちます。マットについているところは手のひらと足の甲のみです。
おへそを数センチ伸ばす意識でこのまま20秒〜30秒キープ。

【7】キープしたら、息を吐きながら体をマットに下ろします。

【8】次の吸う呼吸で四つ這いを通りながらお尻をかかとに預け、背骨を丸めます。伸ばした背骨を丸めて緩めたいので、腰までしっかりリリースします。深呼吸をしながら20秒ほどキープ。

【9】吸うタイミングで頭が最後になるように背骨1本ずつ積み上げながらロールアップで起き上がります。

ワンポイント!解剖学〜引き締まった二の腕に導く筋肉をご紹介します〜

Q.“上腕三頭筋”って?
A.二の腕の外側にある筋肉で、みなさんがたるみに悩む場所。名前の通り3つの頭(内側頭、外側頭、長頭)で成り立っています。上腕三頭筋は意識的に使わないと筋力が落ちてしまい脂肪が目立ちやすい部分です。腕全体で押す力、物を持ち上げる力を使うことが上腕三頭筋にアプローチできるので、日々のエクササイズで鍛えることが必要です。

photo:Miyu Yasuda

金原麗子 ハナコラボ パートナー

ピラティス・ヨガインストラクター、ライター。解剖学や根拠に基づき、正しい身体の使い方を伝える。日々のルーティンにできるような、手軽に継続できるエクササイズを教えるのがモットー。Instagram:(@ganbareiko)