35歳。まだまだ先は長いけど、けっこう生きてきた気もする。今を生きる35歳の人々は、なにをどんなふうに考えているのか? 今年創刊35年を迎えたHanakoが迫ります。仕事、人間関係、恋愛、親、家族、金銭感覚や人生観の変化......トピックは数限りなし。「35歳」は長い人生の中で一つの区切りや、ステージが変わったり、あるいは踊り場の一つなのかも。同級生でもあるお笑いコンビAマッソの二人は今年でともに35歳で、芸歴14年目。潮目が変わったという30歳前後を軸に、現在とちょっと先の未来について話してもらった。

「ここ数年よく笑うようになったね」(村上) 「『売れなきゃ』って殺伐としてたかも」(加納)

Aマッソ

えーまっそ/2010年にデビューした、加納(かのう)と村上(むらかみ)のお笑いコンビ。ラジオ「AマッソのMBSヤングタウン」に出演。加納さんは「ArtistSpoken」「誰でも考えたくなる「正解の無いクイズ」」にレギュラー出演。また最新エッセイ集『行儀は悪いが天気は良い』(新潮社)が11月16日に発売予定。

Aマッソ公式チャンネル

加納

私はもうすぐ35歳。同級生だけど一足先に35歳になった気分はどうですか?

村上

5年前くらいと比べればお酒を飲む場所が変わったかな(笑)。公園で飲むのも楽しいけど、いいもの食べようって思うようになった。

加納

30歳のころはテレビのお仕事ももらえるようになってきたころで、バイトを辞めたのもこの時期。そういう意味で、この5年くらいで生活も変わって落ち着いてきたかもね。

村上

仕事も変わらずやってきたという感じだけど、テレビは楽しくできるようになった。初めの頃は周りの出演者が敵だらけに見えてたけど、今は知り合いも増えてきたしね。それに、ここ数年はよく笑うようになったよね。

加納

え、私?

村上

仕事でも友達と会うときにもむすっとしてることが多かったけど。

加納

確かに、取材でも「そうですね」ってだけ返してたときもあった……。売れてないっていうのがとにかく嫌でイライラはしてたね。今も「結果を残さなきゃ」とは思うけど、少し気楽になってるかも。

村上

お互いにベースは変わってないけどね。でもこの5年くらいの変化はある。

加納

それでいうとネタの作り方も変わってきたかも。今はお互いのキャラクターを知ってもらえるようになってきたから、その人柄を活かしたコントができる。20代のころはできなかったから、こうして欲しいっていう私の理想の押し付けちゃってた。

芸歴15年目までに“爆発”したい。

村上

20代のころは基本舞台に立ってたもんね。

加納

出演者みんながむしゃらに頑張る。30歳はひとつの大きな区切りだから。単純に就職口が減るということもあるし、芸人としても売れてない状態で例えば33歳で舞台に出れば、20代の頃とは見られ方も変わってくるし。

村上

でもあんまり焦りとかはなかったかな。

加納

30歳のころも基本はライブだったけど、応援してくれるお客さんもいて励みになってたよね。それに文章を書く仕事も始めていたし、暇というわけじゃなくてなんなら上向きだった。

村上

M1で準決勝の敗者復活に出たころからテレビの仕事も増えたよね。

加納

テレビの仕事で言えば、いろんなタイプの番組にひと通り出させてもらったと思う。だからというわけじゃないけど、今、もうちょっとレギュラー番組があると思ってた。とはいえ、これまでにいろんな人に出会ったことが大きな助けになってる。事務所は違うけどラランドのサーヤは一緒にライブをやって、番組に繋がったりしたし、今YouTubeを一緒にやってくれてる作家さんももとは畑違いの友人だし。私たちの事務所の人がいろんな人に出会わせてくれるのもありがたい。

村上

これまでにやってきたことだと、私はいいパジャマを買ったのがよかったかな。よく眠れて、仕事も捗るよ。これからは、私はドラマにも出てみたいし、海外ロケもしたいし、ナレーションにもチャレンジしてみたい。大変だろうけど、一番の目標は楽して稼ぐこと。

加納

私は企画もやりたいな。くりぃむしちゅーの有田さんみたいに番組作りにも携わりたい。

村上

芸人では珍しく、YouTubeの企画会議にも参加してるよね。

加納

それにコンビとしては、芸歴15年目がひとつの目安かな。爆発したい。ひと通り経験させてもらったけど、まだ代表作がないなと思っていて。Aマッソといえばあの番組、あの番組といえばAマッソ、って思ってもらえるような仕事をしたい。

村上

15年目を過ぎると、M1に出られなくなるしね。そのためにももっと売れなきゃいけない。これまでよりもパワーアップして、番組に呼んでもらって、いい仕事をしなきゃね。

『行儀は悪いが天気は良い』加納愛子/著 ¥1,540(11月16日発売)(新潮社)
エッセイ集『イルカも泳ぐわい。』、小説集『これはちゃうか』に続く3冊目の著書。大阪で過ごした幼少期から、学生時代、芸人となった現在に至るまでを綴ったエッセイ集。全24編を収録。

illustratiion_Ryo Ishibashi exit&text_Ryota Mukai