まろ おひとりさまプロデューサー

ひとり時間の楽しみ方を提案するメディア「おひとりさま。」(@ohitorigram)をインスタグラムを中心に運営。年に200泊以上ひとりホテルステイをし、その圧倒的な経験に基づいた情報発信が人気を博している。原案の漫画『おひとりさまホテル』(新潮社)コミックス第2巻が好評発売中。ハナコラボパートナー。

どこまでも、素朴で美しい世界にうっとり

南紀白浜の高台に佇む〈くろしお想〉。元々旅館だった建物をリニューアルし、今年2023年7月にオープンした温泉宿です。

実は私、和歌山に降り立つこと自体が初めて。正直、そんなにイメージがなかったのですが、南紀白浜空港に到着して、バスに乗っての道中で、「ああ、なんて美しいのだろう」と思いました。

それも、分かりやすい何か名所があるわけではなく、空気も含めてありのままの姿が美しいなと。このお宿も、まさに社長さんがそんな和歌山の“ありのままの美しさ”に惚れ込んで、リニューアルに至ったそうで、私もその世界観にみるみる引き込まれていきました

まずはチェックインして、ロビーでウェルカムスイーツを。和菓子、チョコレート、お茶とこちらもすべて和歌山のお店のもの。南紀白浜の景色を愛でつつ、このロビーの空間でいただく時間がとても良くて、この時点ですでに満たされていた気がします

そして、お部屋へ。お部屋の名前は、心で美しさの本質を感じることについて説かれている『徒然草』の一節から名付けられたものです。私のお部屋は、2階のコーナージュニアスイートルームタイプの「葉の上に燦めき」。

まさに朝陽・夕陽に染まっていく樹々を前に、ただただ、ぼーっとしている時間がすごく心地よかったです。畳の上のソファでゴロゴロして読書したり、ちょっと引いて、切り取られた景色を絵画のように眺めてみたり…。

時間がゆっくり溶けていく感じが、たまらなく良い。こういう贅沢って、なかなかないですよね

お宿に蔵書されている本もお部屋で読めます。

そして、私が感動したのが、この美しさが館内の細部にまで浸透しているということ。先ほどのルームキーしかり、トイレなどのマークアメニティの袋靴下や巾着袋など…。館内のどこにいても、ふとした瞬間にも、ああ私は和歌山の素朴で、柔らかな美しさに抱かれているということが実感できるような空間になっているんです。

お宿を運営するのが、あのアパレル大手の〈パルグループホールディングス〉のグループ会社ということもあって、世界観の落とし込み方が素晴らしいのかなと、勝手に考えを巡らせたりしました。やっぱり、こういう味わい方は、ひとりだとよりできる気がしています。

アメニティ類は《OSAJI》。すごく合ってます。
お持ち帰り可能!愛用しています。

お食事に、温泉に。和歌山の恵みをたっぷりいただく

お食事は〈Dining 縁月〉で。ミシュラン一つ星を獲得した東京・南青山にある日本料理店〈てのしま〉の林亮平シェフが監修する、和歌山の地産地消にこだわったお料理を、コースでいただくことができます。

和歌山のどの地域のものかが分かるマップも配られるので、お食事をいただきながら、和歌山の地名を知ることができました。海の幸も、山の幸も、とても新鮮で美味しい。いい意味で、これも“飾らない料理”なのがすごく良かったです。

締めの、秋刀魚のご飯も最高でした…! 残ったご飯をおにぎりにしてもらったのですが、こうして笹の葉で包んでもらうのも、味があってとてもいい。そして毎回思うのですが、ディナーコースであんなにお腹いっぱいだったのに、なぜ深夜にペロリと完食してしまうのでしょうか。不思議(ひどい時は、持ち帰ってすぐに)。

お部屋でひとり2次会するの好きです。

夜も良かったのですが、木漏れ日の差し込む朝のダイニングが本当に美しくて。景色にうっとりしながら、ほくほくの白米と優しい和食をいただくこの時間。なんて幸せなんだ

そして、もちろん源泉掛け流しの温泉が、これまた最高で。私、来るまで知らなかったのですが、白浜温泉は、道後・有馬と並ぶ日本三古泉だそうで。泉質に全く詳しくない私ですが、とろりとしていて、肌触りが柔らかで、香りも含めてしっかり温泉を感じることができました

しかも貸切で、檜の半露天温泉もあるので、人目を気にせず、心地よくゆったり浸かることができました。向かいに、少し休憩できるような椅子があるのもいい! 特に、朝風呂が最高でしたね

気になる和歌山を、街歩き

滞在を通して、和歌山のポテンシャルの高さをひしひしと感じ、チェックアウト後は街歩きをしました。

スタッフさんに街の情報を伺って、〈くろしお想〉の本の選書をしている〈ivory books〉、そして同じビルの2階にあるアパレルブランド〈jiji〉に行ったのですが、もうお店の空間が素晴らしくて。ため息が出るほど、美しい…。時間を忘れて本や服を選ぶ時間を楽しみました。

左から〈jiji〉、〈ivory books〉。

本当はもう少し、白浜の街を歩きたかったのですが、お宿に置いてあった甲斐みのりさんの『田辺のたのしみ』を読んで、どうしても行きたくなって、田辺まで足を伸ばしました。いやーもうこちらも、素朴で、そして陽だまりのように暖かい街で。

〈珈琲館 サバ〉。ティーソーダ(右)は和歌山の喫茶店に多いらしい。
左から、南方熊楠記念館と〈鈴屋菓子店〉のデラックスケーキ

正直、周辺にこんな素敵なコンテンツが眠っているとは思っておらず、結果1泊ではまったく足りないということに気づきました。なので、次回は2泊して、周辺エリアをたっぷり散策したいなと思っています。そして、〈jiji〉で買ったセットアップを着て行こう、と決めています!

【HOTEL INFORMATION】

今回宿泊したホテル:くろしお想
住所:〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町1155
公式HP:https://kuroshio-sou.com/

まろの編集後記 〜Vol.11のステイを終えて〜

いかがでしたでしょうか? 楽しみ方は自分次第と思っているので、あんまり“ひとり向きの宿”っていう表現をしたくないのですが、ここは“ひとり向き”と言いたくなるほど、五感でじっくり感じて欲しいお宿だなと思っています。

「とは言っても、南紀白浜って遠いでしょ?」と思っている皆さん! 私もまさに、そのイメージでずっと行ってなかったのですが、なんと羽田空港から飛行機で1時間弱、おまけに空港からこのお宿のある中心部にもタクシーで10分ほど(※バスもあります)と、すごく近いんです。ということで、足のことは心配せずに、ぜひぜひ行ってみてください。

それでは、HAVE A NICE HITORI HOTEL!

text&photo_Maro