最新ドーナツが集い百花繚乱を楽しめる東京。そんな東京でイベント出店をきっかけにそのおいしさが噂で広まり、小さな店を構えると、たちまち都内屈指の人気店になった〈ドーナツもり〉。若きドーナツ職人を輩出し、さらに2号店も誕生。そんなお店を紹介します。

今、東京を象徴するドーナツ店

店主の森さん。柔和で飾り気のない人柄が店の雰囲気に通じていて、訪れると温かな気持ちに。

神楽坂にある赤城神社の脇道の坂に立つ、小さな白い一軒家。まるで絵本に出てきそうなかわいらしい佇まいに足が止まる。中を覗くと、カラフルなグレーズの化粧をまとったドーナツたちが顔を並べ、メルヘンなその風景に心がときめく。〈ドーナツもり〉の店主・森敬之さんはサラリーマンをしながら、客として通っていたパティスリーのシェフに弟子入りし、フランス菓子を学んだ。元々ドーナツが好きだったという森さん。「フランス菓子の技術と素材を使った、少し特別なドーナツを作ってみよう」と、イベントやマルシェに出店したところ、たちまち人気に。それをきっかけに、修業先の移転のタイミングで跡地を受け継ぎ、独立を決意。2020年、小さなドーナツ店の主となった。

迷ったらこの3種! 手前から「オリジナルグレーズ」「フランボワーズグレーズ」各421円、「ピスタチオグレーズ」529円。
濃厚グレーズと、もちもち生地の贅沢な味わいに夢中。

ぽてっとしたフォルムのドーナツを頬張ると、もっちりフワフワで歯切れのいい食べ心地に驚く。生地づくりにかける時間は3日間。湯種を作って一晩熟成させてから生地を作り、それを一晩じっくりと低温熟成させている。使う材料も厳選し、北海道産の強力粉「ゆめちから」でもちっとした弾力を引き出し、薄力粉を10%混ぜて歯切れのよさと小麦の香りを添える。グレーズには、香りがピュアなチルドバターやイタリア産有機ハチミツ、2年に一回しか収穫されないシチリアのピスタチオを使うなど、安全で高品質なものにこだわる。〝おいしい〞を追求した味わいは、まさに森さんがコンセプトに掲げる〝大人がひとりじめしたくなるドーナツ〞を体現。

2023年には、森さんの下で修業を積んだ大石隆之さんが〈YOUAND〉を開店。

スパイス香る「チャイ」と、ヴァローナ社のチョコを使用した「チョコレート」(各390円)。
ほのぼのとした堀之内妙法寺の参道沿いに出店。「自分たちのおいしいと思う感覚を大切にした」ドーナツカフェを大石さん夫婦で営む。

2024年の1月17日には〈ドーナツもり〉の2号店が蔵前に誕生。東京で今、食べる人を幸せにする森さんのドーナツの輪が広がりつつある。

ドーナツもり

住所:東京都新宿区赤城下町3-9
TEL:なし
営業時間:11:00 〜 18:00(売り切れ次第終了)
定休日:月休ほか夏季、年末年始休

出来たてのドーナツが14種類並ぶ。季節限定品も登場。売り切れる日も多いので早い時間の訪問がおすすめ。

ドーナツショップ YOUAND

住所:東京都杉並区堀ノ内3-3-10
TEL:なし
営業時間:11:00〜18:00(売り切れ次第終了)
定休日:月〜金休
席数:2席

〈ドーナツもり〉出身の店主が2023年開店。むちんとした生地の食感と、味わい豊かな食材を使ったグレーズの一体感が美味。

ドーナツもり 蔵前店

住所:東京都台東区駒形1-5-5 越庄ビル1F
TEL:なし
営業時間:11:00〜18:00(売り切れ次第終了)
定休日:無休(夏季、年末年始はInstagramを確認)
Instagram:@doughnutmori

神楽坂に似た蔵前の静かな住宅街に、〈ドーナツもり〉のセントラルキッチン兼テイクアウト店舗となる2号店が誕生。新店では最新鋭の機械を導入し、ドーナツの製造は全て蔵前で行う仕様に。店と設備がパワーアップし、さらにおいしさもレベルアップしたドーナツを食べに、ぜひ足を運んでみて。

photo_Kenya Abe text_Ayano Sakai

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