次女のアタはASD、いわゆる発達障害児。最初はその事実を受け入れられませんでしたが、そのうち、これって普通の子より個性が強すぎるだけなのかも、という心境に。こう言っては不謹慎ですが、障害児を育てるというのは、案外面白いのです。現在、夫は海外に単身赴任中。大学生の長女と私、そしてアタの3人のドタバタライフを書き綴っていきたいと思います。

第27回 発達障害は遺伝する?

親子なんだから似ていて当然。無関係とは言えないけれど

発達障害が遺伝するかどうかは正直よく分かってませんが、要因の1つだと言われてます。

でも、そりゃそうですよね。親子なんだから、DNAが伝わってて当然。全く無関係ではないと思います。家族や親戚見渡せば、1人くらいいませんか? ちょっと変わった人。

私自身、自分が発達障害っぽいなと思うこと、よくあります。好きなことに集中すると周りの音が聞こえなくなっちゃうとか、思い通り完成しないと気が済まないとか。アタを見てると「あ〜、私に似たのね」と思う部分がたくさんあります。

ウチの場合、長女は定型発達です。普通に大学生やってます。発達障害児が生まれたからといって、その兄弟姉妹もそうだとは限りません。

発達障害は、誰もが持ってる個性が強く強く現れた形。ただそれが、理性で抑えられなくて、周りと折り合いがつけられない状態なんだと思います。

何が違う? 発達障害児と定型発達児、両方育てて思うこと。

長女(定型発達児)の幼少期は、自然にできるようになることが多くて、それが当たり前だと思ってました。気がついたら、歩いて喋って、友達ができて、受験して。親はそれに合わせて都度必要なものを与え、サポートしていけば良かった感じです。

幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、そして就職。大きな道筋から外れることもなく、やってくる試練を乗り越えれば良い。そういう意味では楽でした。

次女(発達障害児)は最初から手探りです。自然にできるようになる、ということがほぼ無い。コンピュータを動かすのにプログラミングが必要なのと同じように、いちいち教えないとできません。

例えば、アタが苦労してるのは「話を聞く表情」。人の目を見るのが苦手なので、つい他所を向いてクネクネ動いてしまいます。ふざけていると誤解されやすいので、せめて相手の方を見てジッとしててと言うと、今度は変顔! 余計相手を怒らせることになります。

「先生の話を聞く顔」「叱られる顔」「悲しい話を聞く顔」。ケースバイケースで表情の練習が必要です。ある意味、女優

教える側も「あれ、これで良いんだっけ?」と自分自身の感覚を再確認することが多いです。嘘を教えたら大変! 勉強になります……。責任重大だよなぁと思いつつ、「〇〇育成ゲーム」みたいで実はちょっと楽しかったりもします。

アタを育てて初めて、「普通」に育つことのありがたさを知りました。子どもだけで友達と遊びに行けるとか、親が仕事で不在でも家で留守番できるとか、実はすごいことなんだよ〜と声を大にして言いたいです。

今更ながら長女、もっと褒めてやればよかったと反省しております。

ASDとYDK? どっちがいい?

さて、ここで問題です。「いりふねでふね」何でしょう? ウチの狭い玄関ではこれが鉄則なんですが……。

答え:漢字に直すと「入船出船」。脱いだ靴のつま先を、外に向けて揃えるマナーです。

娘2人に教えましたが、ちゃんとできるのはASDのアタだけ。一度教えて納得すれば、必ずやるアタ。ルーティンワークが得意です。

定型発達児の長女曰く「他所ではやってるもん! 私はYDK(やればできる子)だからね!」。口答えばかりで全くやりません。まあやればできるんでしょうけど、なんか腹立つ。

通信添削の課題も、アタは全てパーフェクトに提出。長女は中学卒業時、やってない添削課題が山積みだったので、まとめて資源ゴミとなりました。言ってもやらない定型発達児と、たとえ間違っても素直に一生懸命やる発達障害児。

「続けるってことでは、私はアタに絶対敵わない。すごいと思って尊敬してるよ。」

アタの良いところを褒めて自信を付けさせてくれる姉の存在は大きいです。ただ「だから私はワザとやらないの」って言われても納得いかないんですが……。

発達障害と言っても、特性はみんな違います。できないことばかり心配せず、家族一緒に育つことを楽しめば良いんじゃないかなぁと思います。