「子どもがアスペルガー症候群かも?」そう感じるママのなかには、「原因は何だったんだろう…」と不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

アスペルガー症候群の子どもをサポートしていくためには、まずは症状を正しく理解することが大切です。ここでは、アスペルガー症候群の原因とあわせ、おもな3つの症状と治療法を解説していきます。

アスペルガー症候群の原因とは?

アスペルガー症候群は、発達障害のひとつだと言われています。現在は「自閉スペクトラム症」に統一され、アスペルガー症候群という診断名が使われることはほぼありません。「こだわりが強い」「コミュニケーションが苦手」という特性を持つアスペルガー症候群。原因は一体何なのでしょうか。

原因は育て方ではなく先天的な脳の機能障害

アスペルガー症候群を含む自閉スペクトラム症のはっきりした原因は、いまだ特定されていません。しかし、何らかの先天的な脳の機能異常に、さまざまな遺伝的要素が関与し発現することがわかっています。

「自分の育て方が原因?」と思う方もいますが、原因は育児や教育環境ではありません。

大人になってからの診断は難しい

アスペルガー症候群には、知的障害や言語発達の遅れはみられません。そのため、「少し個性的な人」として大人まで診断されないケースもあるのです。

大人のアスペルガー症候群は、幼少期の状況も合わせて診断を進める必要があります。しかし、実際には当時の資料がなかったり、記憶がなかったりするため、判断が難しくなる傾向にあるのです。

また、コミュニケーションが原因でトラブルになっているにもかかわらず、本人に自覚がないため、受診を拒否してしまうこともあります。

問題を感じながら生きている方は、まずは医療機関を受診し、状況に応じてサポートする必要があると言えるでしょう。

アスペルガー症候群のおもな3つの症状

アスペルガー症候群は、コミュニケーションに関係した3つの症状を持ちます。子どものアスペルガー症候群は、これらの症状について周囲が理解し適切に対応することが重要です。

以下では3つの症状と具体的な症状例について解説します。

1.社会との関わり合いが難しい

・協調性を持てずマイペースに行動する
・人と目を合わせて会話するのが苦手
・名前を呼ばれても反応しない

視線が合わないといった特性は、乳児期から現れることがあります。そのまま成長し学童期に入ると、対人関係を築くのが難しくなることもあるでしょう。

2.コミュニケーションをとるのが苦手

・他者の話を理解できない
・話が一方的で会話のキャッチボールができない
・言葉をそのままオウム返しする

言語やコミュニケーションの障害の度合いは、個々によって異なります。反響言語と呼ばれるオウム返しは、幼少期から現れることも少なくありません。

3.物事へのこだわりが強い

・物事の順序が変わると対応できない
・決まった道順にこだわる
・興味のある分野の知識が豊富

興味や活動に偏りがあるのもアスペルガー症候群の特徴です。バスのルート、時刻表、動物の名前など興味の対象はさまざま。興味のある分野を他者と共有しようとする傾向も見受けられます。

子どものアスペルガー症候群の治療法は?

現代の医学では、アスペルガー症候群の根本的な治療は難しいとされています。アスペルガー症候群の子どもにとって何より大切なのは、周囲の大人が症状について正しく理解し、療育環境を整えることです。

そのためには、専門の医療機関や第三者に相談し、適切な診断を受けるのが第一歩。「アスペルガー症候群かも?」と感じたら一人で抱え込まず、身近な保育士や学校の先生、地域の発達障害者支援センターや子育て支援センターへ相談してみましょう。

アスペルガー症候群は早期サポートが大切

アスペルガー症候群で心配されるのは、子どもが周囲となじめないことで起こる二次障害です。独特なこだわりやコミュニケーションの障害が、周囲の誤解を生む可能性もあります。

のびのびと育つためには、周囲のサポートが大切。一人ひとりの特性を理解し、本人らしく成長できる環境づくりにつとめましょう。

監修者:林泉
経歴:
東京大学医学部保健学科卒業
東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
ソウル大学看護学部精神看護学博士課程修了、看護学博士号取得