子どもが小学生になり学習が始まると、そのペースに不安を覚えることもあるのではないでしょうか。学習障害の場合には、早い段階で子どもをサポートする必要があります。

そのためにも、まずは学習障害について正しく理解しておかなくてはいけません。ここでは、学習障害の症状や検査内容について、わかりやすく解説していきます。

学習障害はどんな症状?

発達障害のひとつである学習障害は、読み書きや計算に困難を生じるのが特徴です。先天的な脳機能異常であり、学童期に症状が明らかになることが多いと言われています。

ほかの発達障害の症状を伴うこともある

学習障害は、同じ発達障害である注意欠如・多動症(ADHD)や、自閉症スペクトラム症を伴うことが多いとされています。視覚や聴覚といった身体機能に異常はないものの、注意力が散漫だったり、うまくコミュニケーションがとれなかったりするのが特徴です。

気付かずにいると「生きづらさ」の原因に

学習障害で心配されるのは、勉強ができないことだけではありません。気分の落ち込みや不安感などが表れることも多く、成長につれ社会生活に支障をきたすとも言われています。そのため、学習障害は早期に周囲が気付き、家族、医療、学校の連携によってサポートすることが必要となってくるのです。

学習障害は病院の検査をもとに診断する

学習障害は、専門医による検査によって診断されます。4つの検査の具体的な内容について見ていきましょう。

1.読み書き、計算などの検査

実際に読み書きしたり、計算したりする検査です。どの分野に障害があるのかを調べます。

2.脳の画像検査

先天的な脳機能障害のほか、学習障害の原因となり得るのが脳の病気です。脳腫瘍のような病気が原因の場合には、通常の学習障害とは異なるアプローチをしなくてはいけません。そのため、CTやMRIによる画像診断で脳の病気の有無を明らかにします。

3.心理的な検査

ほかの発達障害の有無を調べるための検査です。心理士や医師と面談し、専用のテストで心理的特徴や知的能力、発達の遅れや偏りを調べます。症状の現れ方は子どもによって異なるため、慎重な判断が求められる検査だと言えるでしょう。

4.身体検査

「視力が極端に弱い」「聴力に異常がある」といったときにも、見かけ上の学力が低くなってしまうことがあります。この場合も、通常の学習障害とは異なるため、それぞれの症状に合わせた対応が必要です。身体検査では、一般的な視力検査や聴力検査などで異常がないかを判断します。

学習障害は治療できる?

学習障害を治すための治療法は、いまだ確立されていないと言われています。そのため、子どもの苦手な分野や特性を理解し、適切な指導を行うことが何より重要です。勉強ができないと思い込むことで自信や意欲を失くさないよう、一人ひとりに合わせた環境を整えましょう。

うつ病や不安障害といった精神的な症状を伴う場合には、抗うつ剤や抗不安剤といった薬物治療を行う場合もあります。症状はそれぞれ異なるため、不安を感じたときには専門機関に相談してみることが大切です。

個々に応じた学習法で勉強をサポートしよう

子どもの学習ペースは、一人ひとり異なります。特に、学習障害の場合には、それぞれに合わせたペースで勉強を進めなくてはいけません。

そのためには、周囲が子どもの困りごとに気付き、確かな診断のもとサポートすることが大切。個々に応じた学習法を検討しながら、子どもの成長を見守っていきましょう。

監修者:林泉
経歴:
東京大学医学部保健学科卒業
東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
ソウル大学看護学部精神看護学博士課程修了、看護学博士号取得