この連載は……

ファイナンシャルプランナーで3人の男の子のパパ、福本眞也さんが、子育てしていくうえで避けて通れない「お金の話」をわかりやすくご紹介。子育てに役立つお金の専門知識を、福本さんが子育てしていくなかで感じるリアルなエピソードを交えながら綴ります。

vol.59 教育資金の一括贈与非課税制度 令和3年税制改正のポイント

ある日おじいちゃんは、今春小学生になった孫のことを思い出して、何かしてやりたいと思い、将来の相続のことと併せてFPに相談しました。そこで、教育資金としてなら税金がかからず、お金を渡せる方法があることを聞きました。「これで孫もしっかり勉学に励むだろう!」と心の中で笑みを浮かべ、この制度を使ってみることにしました。

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税

2013年からスタートしたこの制度は1,500万円まで非課税で孫や子に贈与ができます。しかも、受贈者(お金をもらう人)1人当たり1,500万円も受け取れる制度です。孫や子がいる方にとって、相続を待たずとも生前贈与することができるため、受け取る孫や子の喜ぶ顔が見られる点でも大変有意義な制度です。
2021年3月末で終了する予定でしたが、令和3年度税制改正で2年間の延長が決定され2023年3月まで使えることになりました。ただし、変更点がありますので、そのポイントをお伝えしたいと思います。

今回の改正点は以下の3つです。

1. おじいちゃん、おばあちゃん、パパ、ママなど贈与者(お金をあげる人)が天寿を全うされた時点で、もらった教育資金が使われていなかった場合には相続財産としてみなされ、その残額につき課税対象になります。
昨年度までは贈与者が天寿を全うしても、贈与から3年経過していれば相続財産の対象から外れたのですが、今回の令和3年度税制改正では、この3年経過という期間が撤廃されましたので、使い残しがある場合には相続財産とみなされ「2割加算(注)」されます。ただし、従来の制度と同じで年齢が23才未満または学校などへ通っていれば課税対象から外れます。
(注)2割加算とは一親等の血族及び配偶者以外の者が相続財産受けると、本来相続税を支払う義務がある者が税逃れできることになるので、これを避けるため相続税を20%多く支払うことを言います。

2. 上述の内容が相続等によって受け取ったとみなされた相続財産については、贈与者の子以外の直系卑属に相続税が課せられる場合は2割加算となります。

3. 教育資金として乳幼児を保育する認可外保育施設(1日の保育が5人以下)のうち、自治体等から一定の基準を満たす旨の証明書を受領している保育施設に支払う保育料が対象となりました。

税制改正により変更点があったものの、教育資金として使われているのであれば問題ないですし、基本的には学校などを卒業しても23才を超えるまでに使い切れば問題ありません。

この教育資金には学校だけでなく、留学費用、塾や習い事(但し、非課税は500万円まで)も含まれますので、卒業までに必要な金額を計画的に使うことが大切です。

贈与者からの愛情を受け、何よりしっかりとその気持ちに応えられるよう勉学に励んでもらえると家族みんなが幸せになれますね。

ご両親だけでなく、ご祖父母からの愛情が継承される制度ですので、利用できる方はぜひご活用くださいね。