タバコが身体悪奥影響を及ぼす、ということは誰もがご存知のことでしょう。しかし、喫煙はただ、健康被害を引き起こすだけではありません。

将来的に子どもがほしいと考えている女性は多くいるでしょう。そのような女性にとっても喫煙は大きなリスクを伴います。今回は不妊と喫煙の関係性について解説します。

タバコと不妊の関係とは?

タバコには、血管に悪影響を及ぼす「ニコチン」と、全身に酸素が届くことを阻害する「一酸化炭素」が含まれています。妊娠中、禁煙しなければならないのは、これらの有害物質が流産や胎児の病気を引き起こすためです。

では、妊娠していない方にとって喫煙はどのような影響を及ぼすのでしょうか。

女性が喫煙によって受ける影響

女性が喫煙によって受ける影響には、以下のようなものがあります。

  • 卵子の質の低下
  • 子宮や卵巣の血管が細くなる
  • 子宮外妊娠のリスクが上がる
  • 子宮内膜が薄くなる
  • 卵巣の老化
  • 女性ホルモンの分泌が悪くなる

上記のような事柄は全て、不妊へ繋がる可能性があります。子どもが欲しいと感じたら、まず禁煙を試みることが得策です。

男性が喫煙によって受ける影響

子どもを生まない男性でも、喫煙からはさまざまな悪影響を受けます。健康被害はもちろんですが、不妊に繋がる可能性として挙げられるは、以下のような事柄です。

  • 精子の質が低下する
  • 精子の数が減少する
  • 精子の運動率の低下
  • 精子の受精能力が低下する
  • 精子の遺伝子に傷がつく

上記のなかでも、特に留意すべきは「精子の遺伝子に傷がつくこと」です。傷が付いた遺伝子はそのまま、胎児へと受け継がれてしまいます。その結果、流産や死産、胎児の病気などとして表れてしまう可能性も。

「健康な子ども」を望むなら、夫婦で禁煙する必要があります。

喫煙者の妊娠率はどのくらい?

喫煙者のなかには「悪影響があるといっても、あくまで可能性の話でしょ」と考える方もいらっしゃるでしょう。実際、喫煙はどの程度、妊娠に影響を及ぼすのでしょうか。

北海道にある産婦人科が調べた結果によると、喫煙者は非喫煙者に比べ妊娠までの期間が長くなるとされています。具体的には、12ヶ月以上妊娠しないリスクが20〜30%上がるのだそう。

また、希望してから3〜4ヶ月以内に妊娠する方の割合は、非喫煙者が58%なことに対し、喫煙者は42%まで低下しました。 また、不妊治療をおこなっている場合も、女性の喫煙が体外受精での妊娠の成功率を下げることが報告されています。

その他の不妊に陥りやすい生活習慣

もちろん、不妊に陥る原因は喫煙だけではありません。妊娠を望む方は、以下のような行為も極力避けるべきでしょう。

偏った食生活

食生活の偏りは、健康を脅かすだけでなく、不妊のリスクも上げてしまいます。偏った栄養素では、妊娠するための準備が整いません。

子どもを望む方は、できる限り毎日同じ時間帯に、栄養バランスのとれた食事をするよう心がけてください。

飲酒

適度な飲酒であれば、不妊のリスクを大きく高めることはありません。しかし、過度な飲酒は妊娠率を低下させてしまいます。

また男性の場合であっても、精子の量が減少する可能性があるので、自己管理を怠らないよう、注意してください。

長時間のサウナや入浴

意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、長時間の入浴・サウナも不妊の原因となり得ます。特に男性は、身体の温めすぎに注意しましょう。これは精子が熱に弱いためです。

精巣の温度が上がりすぎると、精子の減少や運動率の低下を引きおこしてしまいます。

不妊治療の第一歩は、禁煙すること!

子どもを望む多くの方が、自然妊娠を希望しているでしょう。タバコは吸えば吸うほど、あなたから自然妊娠を遠ざけることがあります。喫煙者にとって、最も手軽にできる不妊治療は禁煙かもしれません。

もちろん不妊治療をしていない場合でも、妊娠したらタバコを辞めなければいけません。「子どもが欲しい」と感じた時が禁煙のタイミングと考え、挑戦してみましょう。

監修者:林泉
経歴:
東京大学医学部保健学科卒業
東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
ソウル大学看護学部精神看護学博士課程修了、看護学博士号取得