「母乳とミルクの違いは? それぞれのメリットを含む混合授乳もご紹介」
https://hanakomama.jp/child-raising/128920/

でもご紹介されていたように、母乳とミルクではそれぞれのメリットがあり、新米ママはどちらを選択するか迷う方も多いと思います。

私が出産した病院では母乳育児を推奨しており、母子同室で授乳指導をしてもらいました。

しかし最近、ミルク(人工乳)を与えることで牛乳アレルギーの発症を予防するといった報道を耳にすることがあり、自分自身で母乳かミルクか混合か、悔いのない選択をするためにも、研究内容や専門家の見解を調べてみることにしました。

発端となった論文

ミルク(人工乳)を与えることで牛乳アレルギーの発症を予防するといった報道は、2020年9月に小児科医の崎原氏らが発表した論文が発端のようです。※1

この論文によると、対象となったのは沖縄の4つの病院で産まれた約500人の乳児で、期間は生後1か月から3か月に達するまでの2か月間。母乳と1日10ml以上の粉ミルクを摂取した混合栄養の集団(243人)と、母乳のみの集団に分けられて検証試験が実施されました。

そして、生後6か月の時に、牛乳アレルギーがどのくらい発症したのかを比較したのです。

その結果は、混合栄養の集団が0.8%(2人)だったのに対して、母乳のみの集団は6.8%(17人)の発症率でした。

つまり、混合栄養の方が牛乳アレルギーの発症が抑えられたという結果になったのです。

専門家の意見

この研究結果に対して、アレルギー専門家の先生はどのような意見をお持ちなのでしょうか。

小児アレルギー疾患のガイドライン作成にも携わった国立成育医療研究センターアレルギーセンターセンター長の大矢幸弘先生の見解は次の通りです。

「『食物アレルギーになりやすい食物は、食べ始める時期を遅らせれば遅らせるほどアレルギーになりやすい』という仮説があり、早い時期から少しずつ食べさせたほうが、アレルギー予防できるのではないかと、考えられるようになってきています。その正しさを立証する研究結果が、世界のさまざまな国で報告されており、沖縄の報告もその一つです。

研究が進んでいた卵については、2019年に『授乳・離乳の支援ガイド』の改定で、離乳初期(5〜6か月ごろ)から与え始めることになりました。牛乳はこれからさらに研究を進める必要がありますが、食物アレルギーが起こる基本的なメカニズムは同じなので、牛乳も早い時期から与えたほうが、アレルギーを発症する可能性を減らせると考えられるでしょう。(一部抜粋)」と述べています。※2

ただし、「食物アレルギーの原因となるアレルゲンは、口からだけではなく皮膚からも体内に侵入する、というのが現在の食物アレルギーの考え方です。赤ちゃんの皮膚に湿疹ができたことがなく、ママやパパがアレルギー体質でなければ、母乳のみで育てていても、牛乳アレルギーを過剰に心配する必要はありません。あえて粉ミルクを飲ませなくても大丈夫」とも言っています。

日本ラクテーション・コンサルタント協会の見解

一方で、混合栄養で育てる方が子どもの牛乳アレルギーが予防されるかのような最近の報道を受けて、混合栄養の方が好ましいと考える医療者や母親が増加することを危惧するといった意見もありました。

NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会は、「出生直後から母乳だけで育てることは、アレルギー疾患予防に関連する腸内細菌叢の形成や免疫の発達の観点からも重要とされる。乳児の栄養方法は、牛乳アレルギー予防の観点だけではなく、より幅広い様々なアレルギー疾患や感染症など他の疾患の予防や児の発達への利点など母子の健康上の利点を考慮して、総合的に判断する必要がある。(一部抜粋)」と述べています。※3

また、崎原氏の論文を解釈する際には、研究を行った対象期間が生後1か月以降の2か月間なので、母乳だけで育てたとする集団も生後3日以内に94%が牛乳由来の人工乳を与えられており、出生時からの検証結果ではないことを注意点としてあげています。

私の結論

牛乳アレルギーに関しては世界各国で様々な研究がなされていて、今後も様々な追加試験が行われると思いますが、今はまだ研究途中と言えるでしょう。

そのような中、今まさに出産したばかりの私が今後どうしようかと言うと、1日の中で母乳の出る量が少なくなってくる夕方に1日1回だけ母乳をミルクに置き換える混合栄養にしようと思っています。

そうすることで、母親の体も休まるし、次の授乳時間までにたっぷり母乳を蓄えることができ、さらに母乳で不足している栄養をミルクで補えるので、メリットがたくさんあると感じたからです。

これから母乳かミルクか混合かで迷っている方も、後悔のない選択ができるように、周りとも相談しつつ自身の体調も考慮して、母子にとって良い選択ができると良いですね。