9月17日(月・祝)に鳴門市のオロナミンC球場、阿南市のJAアグリあなんスタジアムで開幕する「第71回徳島県高等学校野球秋季大会」。来年のセンバツ出場への大きな試金石となる秋季四国地区高等学校野球大会(香川県開催)出場枠「3」をかけ、10月6日(土)の準決勝、7日(日)の決勝戦・3位決定戦に至るまで32校・29チームが出場し29試合の熱戦が繰り広げられる。

 はたして、大会を制するのは県大会では昨秋から3連覇中の鳴門か?それとも伏兵が現れるのか?今回は新人大会の内容も加味した上で、徳島県高校野球の今を展望していきたい。

徳島大会準決勝の激闘・再びか

浦 和博(鳴門)

 今大会のシードは鳴門、鳴門渦潮、富岡西、池田。8月に行われた地区別新人大会優勝校4校(中央A:城東、中央B:鳴門渦潮、西部:阿波、南部:富岡西)、中央ブロックAを除く準優勝校3校(中央B:徳島北、西部:池田、南部:新野・阿南工・阿南光連合)、さらに中央Aブロック2位として位置づけられた選手権出場の鳴門を加え、計8校で行われた県新人戦中央大会で1勝をあげた(準々決勝以降は雨天のため打ち切り)4校である。うち鳴門を除く3校は9月6日に行われた組み合わせ抽選会におけるシード位置抽選の結果、2回戦から登場することになった。

 とはいえ、甲子園・花咲徳栄(北埼玉)戦でいずれも安打・打点をマークした高校通算16本塁打の浦 和博(2年・左翼手・171センチ75キロ・左投左打・徳島東リトルシニア出身)、宮崎 龍司(2年・右翼手・171センチ72キロ・左投左打・鳴門市第一中出身)、塩唐松 宏将(2年主将・一塁手・170センチ71キロ・ヤングあわじ<兵庫>出身)をはじめ、聖地の土を踏んだ野手を多数そろえる鳴門の優位は動かないだろう。

 さらに森脇 稔監督は今大会で左腕・西野 知輝(2年・173センチ72キロ・左投左打・鳴門市第一中)にかわり、竹内 勇輝(2年・171センチ69キロ・右投左打・那賀町立相生中出身)をエースナンバーに指名。捕手には旧チームで一塁手だった矢竹 敏征(2年・177センチ74キロ・右投左打・生光学園中ヤング出身)を捕手に配するなど組織の引き締めにも余念がない。

 鳴門と同ブロックには高校通算16本塁打と打撃にも非凡なものを見せる最速140キロ右腕・村田 龍哉(2年・178センチ83キロ・右投右打・徳島松南ヤング出身)が控える徳島商や、最速135キロ左腕・大西 祐吾(2年・175センチ78キロ・左投左打・東みよし町立三好中出身)が大黒柱の池田辻。さらに135キロを出せる渡邉 拓海(2年・165センチ64キロ・右投右打・藍住町立藍住中出身)、河野 勇真(1年・174センチ70キロ・右投右打・徳島藍住リトルシニア出身)の両右腕を軸に県新人戦中央大会にも進出した徳島北と実力者がそろうが、花咲徳栄戦で体感した「全国トップレベルを超えるために必要なもの」を彼らが表現できれば、準決勝進出は決して難しくはない。

 そんな鳴門の対抗馬筆頭は富岡西。最速140キロ右腕・浮橋 遼太(2年・175センチ77キロ・右投左打・阿南市立阿南第一中出身)は、県新人戦中央大会・徳島北戦ではストレートの球速・伸びを欠き1回表に5失点すするなど投手としては「夏から伸びていない」(小川 浩監督)半面、高校通算11本塁打の打棒は健在。他にもヒットゾーンに飛ばすバットコントロールは四国屈指の山﨑 光希(2年・左翼手・170センチ61キロ・右投左打・阿南市立羽ノ浦中出身)など、打線は昨年にそん色ない得点力を持っている。

 小松島、城南らが同居。県中央新人大会出場の阿波と城東は初戦で激突するなど一筋縄ではいかないブロック内を、いかに彼らが勝ち抜くことができるか。夏の徳島大会準決勝で鳴門と壮絶な打撃戦を展開した鳴門へリベンジを果たす場所に立つため、富岡西は静かに闘志を燃やしている。

「エースとは」が問われる「最後の秋」

白川 恵翔(池田)

 逆ブロックに目を転じる。シード校・鳴門渦潮のエース・有持 泰成(2年・177センチ74キロ・右投右打・徳島東リトルシニア出身)は、低めの制球力が生命線。同ブロックには夏の徳島大会準優勝の生光学園や、潜在能力のある板野、川島、小松島西などがいるが、「秋に勝てる投手」の要素を備える右腕がいることは、鳴門渦潮にとって大きなアドバンテージになるだろう。

 もう1つのブロックにおける中心はシード校の池田。1年夏から注目を集めてきた最速140キロ右腕・白川 恵翔(2年・179センチ85キロ・右投右打・美馬市立江原中出身)もいよいよ最終学年を迎える。県新人中央大会・城東戦では強肩・小角 翼(2年主将・178センチ87キロ・右投右打・東みよし町立三好中出身)とのバッテリーに可能性を感じた反面、内容はピリッとしたところは見せられずに終わった。「エースの責任」を井上 力監督が強く促す中、まずは最速140キロ右腕・近藤 駿(2年・180センチ86キロ・右投右打・徳島松南ヤング出身)率いる徳島科学技術と徳島市立との勝者と対戦する初戦に注目したい。

 また、このブロックには夏の徳島大会での好リリーフが光った変則右腕・笹木 健太(2年・181センチ60キロ・右投右打・徳島市川内中出身)と、俊足リードオフマン・佐尾山 慶(2年・中堅手・170センチ60キロ・徳島中央リトルシニア出身)が投打の軸になる城北と、新野・阿南工・阿南光連合が対戦する好カードもある。

 今回、紹介しきれなかったチーム・選手たちを含め、今大会での活躍はチームと自らの未来を切り拓く大きな要素となることは間違いない。彼らには2014年の池田以来、4年ぶりの県勢センバツ出場と勝利を目指し、ぜひ一戦一戦を大事に闘ってもらいたい。

(文=寺下 友徳)