5月3日(金・祝)から例年通り3日間の日程で愛媛県松山市の松山中央公園野球場 (坊っちゃんスタジアム)で開催される「第72回秋季四国地区高等学校野球大会」。

 今大会では5月2日の組み合わせ抽選会・開会式で忽那 浩大会会長(愛媛県高等学校野球連盟会長)が「令和迎えて最初の大会」とあいさつしたように、新元号最初の地区王者が決まると同時に、森木 大智(高知1年)の公式戦デビューなどにも大きな注目が集まる。

 そこで、今回は最新情報を交え5月3日の1回戦カードを中心に大会を展望。皆さんもこれを読んで、松山中央公園野球場 (坊っちゃんスタジアム)に足を運び令和最初の四国大会を堪能して頂ければ幸いである。

明徳義塾にも「新鋭1年生」登板か?

代木 大和(明徳義塾)と河野 勇真(徳島北)

第1試合(8:30開始) 明徳義塾(高知1位・6年連続24回目)vs徳島北(徳島2位・初出場)

 春は高知県大会を制し復活への序章を築いた明徳義塾。だが、大黒柱的活躍を見せた左腕・林田 大成(3年)はけがにより今大会では最終登録でベンチ外。他にも旧チームからの主力・安田 隆(3年・捕手)はいまだ戦列復帰には程遠く、他にも主力選手の出場が危ぶまれる状況にある。

 ただ、ピンチはチャンス。代わって新鋭1年生の登場が期待できそうだ。最速138キロ左腕・代木 大和(183センチ83キロ・左投左打・川之江ボーイズ<愛媛>出身)は「練習試合でもまだ1安打も許していない」と馬淵 史郎監督も認めさせる好投で背番号「20」で追加登録枠を奪取。前日練習でも6人の投手陣のうち最も力のあるボールを投げていた。

 「序盤をどう抑えるかがかき」と徳島北・住吉 圭吾監督が分析する試合展開次第では、4月末・英明(香川)との練習試合で最速を142キロに塗り替えた徳島北・河野 勇真(2年・175センチ77キロ・右投右打・徳島藍住リトルシニア出身)との下級生対決も期待できそう。四国高校野球令和開幕戦は次世代への希望を示唆する試合になるかもしれない。



青山裕亮(四国学院大学香川西)と根本大蓮(松山聖陵)

第2試合(11:00開始) 松山聖陵(愛媛1位・4年連続5回目)vs四学大香川西(香川2位・8年ぶり4回目)

 松山聖陵はセンバツで先発登板した最速141キロ右腕・平安山 陽(2年)が右ひじの違和感により今大会の登録を直前で外れることに。中本 恭平監督は「根本(大蓮・3年主将・188センチ84キロ・右投右打・松山市立拓南中出身)を育てる大会」として、センバツ後の練習試合でコンバート、打順変更を重ねている打線との融合を求めている。

 一方、明徳義塾を決勝戦で破り四国発頂点に立った8年前以来の大会出場となる四学大香川西は「投手は青山(友亮・3年・175センチ70キロ・右投右打・京都ヤングベースボールクラブ<京都>出身)に粘り強く投げてもらって、野手陣がビッグイニングを作る」(高木 稔之監督)県大会の戦いをそのまま踏襲する構え。4月の練習試合では終盤まで互角の戦いを演じた両者、今回も熱戦が期待できそうだ。

高知・森木 大智のデビューは打者?投手?

森木大智(高知)と香川卓摩(高松商)

第3試合(13:30開始) 高松商(香川1位・13年ぶり19回目)vs高知(高知2位・2年ぶり27回目)

 1回戦最大の注目カードと言ってよいだろう。

 高松商は主将の飛倉 爽汰(3年・中堅手)が4月の練習試合で左足首じん帯損傷を負い全治2ヶ月、絶対的リードオフマンが不在なのは痛すぎるが、侍ジャパンU-18代表一次候補の香川 卓摩(3年・投手・165センチ62キロ・左投左打・東かがわリトルシニア出身)は、長尾 健司監督いわく「夏に向けて身体を作り直している」中にあっても4月末・富岡西との練習試合で最速を1キロ塗り替える142キロをマークするなど状態はまずまず。初戦の先発を指揮官が明言する中、侍ジャパン候補合宿の成果をどのような形で魅せるかに注目したい。

 一方の高知最大の着目点は、やはり背番号「20」の森木 大智(1年・投手兼中堅手・184センチ82キロ・高知中出身)の公式戦デビューがどのような形になるか。

 濵口 佳久監督は組み合わせ抽選会後「連投テストをした中で肩の張りが昨日(5月1日)の時点でまだある。2日に投球ができればリリーフでマウンドに上げるが、投球ができなければ代打から野手といった形になるかもしれない」と現状の起用構想を明らかにしている。

 焦る必要は全くないが、「香川vs森木」の投げ合いが見たいこともまた事実。その答えは当日のお楽しみとしよう。



浮橋幸太(富岡西)と村上滉典(今治西)

第4試合(16:00開始) 富岡西(徳島1位・3年ぶり3回目)vs今治西(愛媛2位・4年ぶり16回目)

 センバツ初戦では浮橋 幸太(3年・投手・174センチ78キロ・右投左打・阿南市立第一中出身)のクレバーピッチなので優勝した東邦(愛知)に大善戦した富岡西。

 センバツ後は「紅白戦でも2年生vs3年生、レギュラー組vs控え組と組み合わせを変えながら進めている」とメニューキャプテンの中西 陽(3年・捕手・161センチ63キロ・右投右打・阿南市立羽ノ浦中出身)が明かした刺激策などで、「状況判断力をより効果的に行う」(小川 浩監督)レベルアップに取り組んでいる。

 その部分において「久しぶりの四国大会なので挑戦者として戦いたい」(大野 康哉監督)今治西の粘り強さに対峙することは彼らにとって最高のレッスン。春の愛媛大会ではしり上がりに状態を上げてきた最速140キロ左腕・村上 滉典(3年・投手・172センチ68キロ・左投左打・西条市立東予東中出身)に対する攻防が試合の趨勢を左右しそうだ。

 なお、大会2日目の4日(土・祝)は大会初日第1試合の勝者と第2試合の勝者が10時から、同じく第3試合と第4試合の勝者が12時半から準決勝を争い、大会最終日の5日(日・祝)10時からの決勝戦で令和最初の四国王者が決まる予定。四国野球の未来は松山中央公園野球場 (坊っちゃんスタジアム)での高校球児たちの躍動から始まる。

文=寺下 友徳