2007年2月に首都圏から居を四国地区に移し13年目。「さすらいの四国探題」の異名を背に四国球界でのホットな話題や、文化的お話、さらに風光明媚な写真なども交え、四国の「今」をお伝えしている寺下友徳氏のコラム「四国発」。

 第48回では最後の夏を前にした高校球児たちへ。筆者からのメッセージをお送りします。なお、写真は先日、愛媛県・今治港にやってきた船上劇場「STU48号」の一般人向け見学会で撮影した船と瀬戸内海との美しいハーモニーをお楽しみください。

「効率化、その場出し」の時代に「2年半の準備」ができる貴重

露に濡れた朝顔

 24時間、1ヶ月、一年365日。いや、きっと死ぬまでずっと「苦しい」私ですが、最も苦しい時期となりました。というのも、恒例のいわゆる「高校野球夏の地方大会展望」をいよいよしなければいけない瞬間がやってきたからです。

 高校球児、マネージャー、指導者、保護者、地域関係者の皆さんにとって高校3年の夏は2年半の集大成。にもかからわず、究極的に言えば瞬間、最近のフレーズで表現すれば「効率化、その場出し」でしか見れていない私がチームや個人の実力を評し、ある程度ランク付けをするのは「心苦しい」というしかありません。他者から評価されることも人生を切り拓くための一方法とはいえ、個人的には申し訳ない想いでいっぱいです。

 その一方で、私は皆さんを心から尊敬しています。ともすると瞬間のみで評価される方が人間は楽な場合もある。にもかかわらず皆さんは2年半の間、様々な角度から評価され続け、それを積み重ねる中で「最後の夏」を迎えようとしている。「瞬間」ですべてが決まりかねない時代だからこそ、「2年半の準備」ができることは、実はとても貴重。そこは改めて皆さんが気付いて頂ければと思います。

すでに得た「勝利」を自信に「夏の瞬間」へ向おう

しまなみ海道とSTU48号

 ということは、皆さんには「準備をしている」というアドバンテージがあるのです。今はどんなに遅くても2ヶ月半先に出る高校野球の最終成績を前に不安定な時期もあるかもしれませんが、どんな結果が出ようと自信を持っていいはず。

 あとは残された時間で何ができるかを考え、着々と夏の瞬間に向かえばいい。大丈夫。皆さんはこの時点ですでに人生の上で「勝利」しているのですから……。そんな皆さんが自然な輝きを放つからこそ、高校野球は今も昔も、そしてきっと未来も日本にとって貴重な文化たりえるのです。

 もちろん、受け止める側も清浄な心を持つことは必須。私も勝利を得た皆さんの瞬間に対し、少しでも幅と深みをもって世間に伝え、世の中に貢献できるよう、日々向き合います。皆さん、改めてよろしくお願い申し上げます。

(文・寺下 友徳)