初の全国の舞台で見てた取り組むべき課題

鈴木寛人(霞ヶ浦) 

 大会2日目、履正社vs霞ヶ浦の注目カードが実現。霞ヶ浦の148キロ右腕・鈴木 寛人の投球に注目が集まったが、3回途中で7失点で降板。甲子園初マウンドは悔しい結果に終わった。

 どんな投手でも初回は難しいと感じると言わざるをえない投球だった。大会屈指の好投手・鈴木 寛人。茨城大会で見せてきた投球は掛け値なしに素晴らしかった。縦割れの投球フォームから繰り出す140キロ後半の速球は素晴らしいものがあった。

 しかし投手の投球はリズムが大事。先頭打者の桃谷 惟吹の先頭打者本塁打を浴び、。それでも148キロの速球、130キロ台の高速スライダーで二者連続三振。ここまでは良かったが、4番井上 広大に本塁打を浴び、2失点。鈴木は「自分の中で切り替えよう、切り替えようと思ったのですが…、マウンドに上がった瞬間、いろいろな重圧を感じました」と甲子園の独特の緊張感によりなかなかリズムに乗ることができなかった。それは技術にも影響する。

 「この日は体が突っ込んでしまい、霞ヶ浦で体重移動のことを“受け”というのですが、それができない投球フォームとなっていました」
 受けという言葉が出たが、さらに詳しく説明すると、霞ヶ浦はフォームの動きで意識すること、立ち、はがし、受けで説明しており、「立ち」はしっかりと立つことで、その後のスムーズな体重移動につながり、はがしは左腕のグラブで壁を作ること。受けは体重移動の部分で、右投手なら踏み出したとき、左の股関節を受け止めること。鈴木は体が突っ込み、体重移動の部分がうまくいかなかったのだ。(詳しい説明はこちら)

 この日は148キロを出したものの、鈴木は「いくらスピードが出ていても、指にかかったストレートでなければ抑えることはできないということが分かりました」と悔しい経験をしながら、自分の課題を前向きに受け止めていた。

 また、新たな課題も見つかった。それはチェンジアップ。抽選会前の取材で、鈴木は「夏の甲子園へ向けて、チェンジアップを磨いていて、それが甲子園でもしっかりと投げられれば」と語り、この試合でも数球投げた。しかし見送られて、チェンジアップの精度も課題となった。
「ストレートと同じ腕の振りで落とせるようにならないといけないと思いました」
 鈴木の投球スタイルを見ると、140キロ後半の速球、130キロ前半のスライダーのコンビネーションが中心。そこに縦変化が加われば、さらに攻略困難の投手となるだろう。

 そして今後に向けて鈴木は「プロを目指していますが、しっかりと考えていきたいと思います」と熟考の末、決断すると話した。

 まだ鈴木は全国大会で投げるチャンスがある。茨城開催の国体は茨城代表として出場できるチャンスがある。出場が決まれば、慣れ親しんだ茨城の球場で自分の実力を思う存分発揮していただきたい。

(記事・河嶋 宗一)

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