四国担当ライター・寺下友徳氏が四国各県を三大ニュースで総括!今回は徳島県を総括いたします。

春の21世紀枠・富岡西健闘が夏・鳴門の甲子園1勝へ

富岡西・浮橋 幸太(3年)

 前年秋季四国大会ベスト4の実力と「野球のまち阿南」の取り組みを評価され21世紀枠で春夏通じて初甲子園となるセンバツ出場を果たした富岡西。優勝した東邦(愛知)に初戦で敗れたものの、彼らにとってもう1つのチーム特性である「ノーサイン野球」を押し立てた内容は浮橋 幸太(3年)の好投もあり1対3の接戦に。

 「富岡西を超えないと、浮橋を打たないと甲子園には行けない」。その後の春季四国大会でも準優勝を果たし第1シードを確固たるものとした富岡西に対し、ライバル校も強化のハードルを上げたことが富岡西を徳島大会決勝戦で破った夏の代表校・鳴門の甲子園1勝につながった。

 なお、高校通算31本塁打をマークした鳴門の左スラッガー・浦 和博(3年)は法政大への進学がすでに内定済。全国で爪あとを残した両校のみならず「全国勝利」を目指した徳島県球児が進む「その先の物語」を楽しみにしたい。

鳴門出身・河野 竜生(JFE西日本)12年ぶりの「徳島県人ドラフト1位」!

北海道日本ハムファイターズ1位指名が決まった瞬間、笑顔の河野 竜生(JFE西日本)

 今年のドラフト会議は徳島県野球界にとって記念すべきイベントとなった。まずは鳴門市出身・鳴門高卒3年目の最速151キロ左腕・河野 竜生(JFE西日本)が北海道日本ハムファイターズからドラフト1位指名。3名が指名された徳島インディゴソックスからは牟岐町出身・鳴門渦潮高卒5年目の平間 隼人(二塁手)が読売ジャイアンツから育成1位指名。さらに吉野川市出身・徳島ヤングホークスから八戸学院光星(青森)に進んだ武岡 龍世(遊撃手)も東京ヤクルトスワローズから6位指名を受けることに。

 徳島県育ち、いわゆる「徳島県人」が複数同時にドラフト指名を受けたのは2007年ドラフトで左腕・服部 泰卓(美馬市出身・川島高卒・トヨタ自動車から大卒・社会人ドラフト1位で千葉ロッテマリーンズ入団)、内野手の谷 哲也(つるぎ町出身・鳴門工<現:鳴門渦潮>日立製作所から大学・社会人ドラフト3位で中日ドラゴンズ入団)以来12年ぶり。河野の1位指名も服部投手以来となる快挙であった。

 実はこの今年を含む10年間を見ても徳島県高校出身でのドラフト指名選手(育成含む)はいまや日本の守護神に成長した福岡ソフトバンクホークス・森 唯斗(海部高校〜三菱自動車倉敷オーシャンズから2013年ドラフト2位指名)を含む9名と突出した数字を叩き出している徳島県。彼らが築いてきた「徳島県の高校出身でも成り上がれる」歴史を、現役高校生や来季、徳島インディゴソックスへの入団を決めた最速146キロ右腕・白川 恵翔(池田3年)らOBたちがぜひ継いでほしい。

動き出した「徳島県野球振興・復活・創造策」

子供たちと2球同時の下投げキャッチボール

 1月には「少年野球教室」、2月には「Tボール教室」を実施。(以下、関連記事)

徳島の高校野球指導者から見えた「近未来の野球指導システム」
徳島県高野連ティーボール教室で感じた「子どもたち目線」で気付くこと

 そして今冬も少年野球教室ばかりでなく、小中高指導者連携での指導者研修会や、高校指導者が社会人・日本生命に出向いての研修。そして2月1日、これも小中高指導者連携によるインディゴコンディショニングハウス代表・殖栗 正登氏の講演会など。2019〜2020年にかけて徳島県の野球は「振興・復活・創造」へ向けて大きく動き出そうとしている。

 「これからも高校野球200年構想事業の分配金を活用して、野球を拡げることを続けていきたい」(徳島県高野連・須崎 一幸理事長談)。この胎動を数年後、その先につなげていくために。今後の展開に期待していきたい。

(文=寺下 友徳)

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