4000以上の学校が頂点を目指して競い合う夏の甲子園。その中で甲子園優勝投手は大きなグレードがある。今回は2010年から2019年までの夏の甲子園優勝投手の活躍や、その後について見ていきたい。

藤浪晋太郎など2010年から2014年の優勝投手

藤浪晋太郎と吉永健太朗

2010年 島袋 洋奨(興南ー中央大ー元ソフトバンク)
 「琉球トルネード」の愛称で甲子園をわかせた左腕・島袋 洋奨。春のセンバツでは連日の快投を見せ、日大三相手に完投勝利を収め、センバツ優勝投手に輝く。

 そして夏の甲子園では連覇を阻もうと挑む相手をねじ伏せる力投。145キロ前後の速球、落差の大きいツーシーム、軽快なフィールディングなど高校生トップクラスの完成度を持った左腕だった。

 卒業後は中央大を経て福岡ソフトバンクに入団。しかし、プロでは2015年の2試合の登板でに終わり、1軍で勝利することができないまま昨年限りで現役引退となった。

2011年 吉永 健太朗(日大三-早稲田大-JR東日本引退)
 182センチの長身から繰り出す140キロ後半の速球、スライダー、シンカーを織り交ぜた投球で、2011年の甲子園の決勝では強打の光星学院(現八戸学院光星)相手に5安打、完封勝利で10年ぶりの優勝に貢献。

 さらに高校日本代表としても活躍し、第9回AAAアジア選手権の決勝戦では韓国に完封勝利。その世代を代表する投手として活躍した。

 早稲田大学時代は、1年生の春にいきなり4勝をマーク。大学選手権の優勝にも大きく貢献するなどベストナイン、最優秀防御率。そして全日本大学選手権でMVPを受賞したが、不調により大学からのプロ入りせずにJR東日本に進む。しかし都市対抗などの大会で出場機会を掴めず、昨年限りで引退となった。

2012年 藤浪 晋太郎(大阪桐蔭-阪神)
 197センチの長身から繰り出す最速153キロのストレートと切れ味抜群のあるスライダーで春夏連覇に貢献。そして高校日本代表としても活躍を見せた。

 阪神にドラフト1位で入団すると、プロ1年目から10勝、プロ3年目には14勝をマーク。この年、221奪三振を記録し、最多奪三振を獲得した。プロ7年間で通算50勝を記録している藤浪投手は、今季の復活にかけてマウンドへ上がる。

2013年 髙橋 光成(前橋育英-埼玉西武)
 2年生ながらエースとして甲子園に出場。1回戦、2回戦で連続完封。そして決勝戦では完投勝利を挙げ、2年生で甲子園優勝投手になった。

 最終学年では高校日本代表となり、エースとして活躍。埼玉西武からドラフト1位指名を受け、昨季はプロ入り初の10勝を挙げるなど5年間で24勝を積み重ねてきた。

2014年 福島 孝輔(大阪桐蔭-同志社大-Honda鈴鹿)
 右サイドから140キロ近い速球とスライダーを駆使する技巧派投手。安定した投球を続け、決勝戦の三重戦では11安打を打たれながらも3失点に抑えて優勝投手となった。

 その後は同志社大に進学後は1年生から活躍。4年生の時には主将に就任するなど、チームの中心選手として4年間で20勝を積み上げた。現在はHonda鈴鹿に進み、レベルアップを目指す。

小笠原慎之介など2015年から2019年までの優勝投手

清水達也と小笠原慎之介

2015年 小笠原 慎之介(東海大相模-中日)
 1年生の時から140キロ台の速球を投げるスーパー1年生として注目され、最後の夏では最速151キロをマークするなど評判通りの投球を発揮。決勝戦では見事に決勝本塁打を放ち、優勝投手になった。

 さらに高校日本代表にも選ばれ、活躍を見せて評価を高めた。その後、小笠原投手は中日ドラゴンズから1位指名を受け、2018年には自身初の開幕投手を務めるなど、4年間で通算15勝をあげている。

2016年 今井 達也(作新学院-埼玉西武)
 高校3年春まで目立った活躍ができず、苦しむ期間は長かった。しかし3年夏に急成長を果たし、150キロを超える速球で甲子園を沸かせて優勝投手になった。

 そして高校日本代表にも選ばれると決勝戦で先発するなど、力投を見せアジア制覇に貢献。埼玉西武ライオンズから1位指名を受けた今井投手は、昨季7勝を上げ、3年間で12勝している。今年は初の二けた勝利に期待がかかる。

2017年 清水 達也(花咲徳栄-中日)
 140キロ後半の速球、さらに落差抜群のスプリットで打者を翻弄。リリーフエースとして活躍し、決勝戦の広陵戦では5回1失点、5奪三振の好投。スラッガー・中村 奨成選手を抑え込み、埼玉県勢初の優勝に貢献。

 高校日本代表としても活躍を見せ、中日ドラゴンズから4位指名を受ける。すると昨年プロ初勝利を挙げた清水投手。3年目は一軍定着を狙う。

2018年 柿木 蓮(大阪桐蔭-北海道日本ハム)
 自分を高めたいという思いから地元・佐賀を飛び出て大阪桐蔭に入学。センバツで決勝戦のマウンドに上がれなかった悔しさを糧に、夏にレベルアップ。決勝戦の金足農で完投勝利を上げて平成最後の夏の甲子園優勝に大きく貢献。高校日本代表でも主力投手として活躍を見せた。

 北海道日本ハムから5位指名を受け、ファームで2勝を昨年は上げた。現在は一軍昇格を目指し、奮闘の毎日を過ごす

2019年 岩崎 峻典(履正社)
 夏にかけて急成長した145キロ右腕。準決勝の明石商戦では勢いに乗る打線を1失点に抑え、完投勝利。決勝の星稜戦では7回途中からリリーフとしてマウンドに上がり、反撃を狙う星稜打線を抑え込む快投。高橋投手以来となる6年ぶり2年生として甲子園優勝投手となった。

 現在は全国レベルの投手へ成長した岩崎投手。最後の夏に向けてさらなる進化が楽しみだ。

(文=河嶋 宗一)