2年連続で夏の甲子園に出場している近江。一昨年の夏から県内では負けなしを続けており、黄金時代を迎えつつある。新型コロナウイルスの影響で3年連続の甲子園は絶たれてしまったが、7月に開催される代替大会はどのようにして挑むのだろうか。

名将・多賀監督も信頼した林―有馬バッテリーの穴を埋めるところからスタート


5季連続優勝を果たした近江ナイン

 現3年生は入学直後の春季大会を除いて、全ての県大会で優勝している。こうした背景もあり、「県大会の連覇を続けていこうという具体的な目標設定がスタート時にはあった」と多賀章仁監督は新チーム結成当初を振り変える。

 最大の課題は林 優樹(現西濃運輸)と有馬 諒(現関大)の黄金バッテリーが抜けた穴を埋めることだった。「何もしなくても結果を出してくれたバッテリーがいる状況に慣れている自分が普通ではないということがわかった」と多賀監督が言うほどに彼らの存在は大きかった。

 経験値が少ないバッテリーで秋を戦ったが、滋賀大会では島瀧 悠真(2年)や本間 遙大(3年)ら投手陣の頑張りもあり、5試合で1失点。昨年5月に投手から捕手にコンバートした長谷川 勝紀(3年)の懸命なリードもあり、5季連続優勝を果たすことができた。

 しかし、近畿大会では奈良大附相手に打ち込まれ、7対12で初戦敗退。多賀監督はバッテリーの経験値のなさを敗因に挙げた。

 「結果的にはバッテリーが抜けた穴は大きかったということが近畿大会で顕著に表れました。長谷川も大きなカギを握っていましたが、5回に7失点。キャッチャーとしての経験がなく、秋の時点では相手の勢いを止められなかった。1年生(島瀧)をどうリードするかという点で頭が回らなかったと思います」

結果を残し続ける秘訣はチャレンジ精神にあった


土田 龍空

 近畿大会で敗れた直後の囲み取材で多賀監督は「正直、出来すぎですよ。ここまで秋は勝てると思っていなかった」と話していたが、現実的に秋は厳しい戦いになると感じていたのだろう。ハイレベルな近畿大会で勝ち抜くだけの力と経験をこの時点では持ち合わせていなかった。

 2季連続の甲子園出場とはならなかったが、夏に向けてポジティブな材料があった。それは新入生の存在だ。今年の1年生はボーイズ日本代表になった経験のある山田 陽翔をはじめ、力のある選手が多くいるという。多賀監督は「良い者はどんどん使っていこう」と夏の大会で1年生を積極的に使う構想を立てていた。それは2年前の成功体験があったからだ。

 「一昨年は土田 龍空(3年)が入ってすぐにショートを守ったのが凄く大きかったですし、住谷 湧也(現西濃運輸)や2年生バッテリーの活躍があったからベスト8に行けたと思います。守りに入るとどうしても3年生中心になりますが、チャレンジ精神となると、どんどん若い力を起用していく気持ちで臨まないといけないと思います。甲子園に近いということでウチを選択し、それなりの自信を持って来てくれていますので、思い切った選手起用もできるだけのチーム力はあるのかなと感じています」

 もし、新型コロナウイルスがこの世に存在していなければ、数名の1年生が夏の大会でメンバー入りしていたことだろう。しかし、全体練習に加われたのが6月と遅れたこともあり、公式戦でのお披露目は秋以降になりそうだ。彼らの実力が発揮される日を楽しみにしたい。

(取材=馬場 遼)


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