大阪の公立校・山田が履正社を倒して近畿大会初出場

近畿大会初出場を果たした山田ナイン

 今年の秋で最も知名度を上げたチームかもしれない。秋の大阪大会で浪速、大阪産大附、上宮といった強豪私学を次々と倒して、ベスト4進出。準決勝では東海大仰星に敗れたが、3位決定戦で昨夏の全国王者である履正社を2対1で下して、初の近畿大会出場を決めた。

 普通の公立校が全国屈指の名門校に勝利したことの反響は大きく、Twitterでトレンド入りするまでになった。

 近畿大会1回戦では甲子園通算103勝の名門・龍谷大平安と対戦。相手の4安打を上回る7安打を放ち、一歩も引かない戦いを繰り広げた。しかし、攻撃では4併殺、守備では3失策と勝負所で精彩を欠き、1対4で敗戦。大阪大会のように快進撃を続けることはできなかった。

 それでも打たせてとる投球が武器のエース・坂田凜太郎(2年)を中心とする堅い守りは強豪相手にも十分通用していた。龍谷大平安の原田英彦監督も「履正社が打てなかったのがなんとなくわかりました」と坂田の投球術を称賛。ここまで勝ち上がったのは決してフロックではなかった。

 今月12日には大阪府の21世紀枠推薦校にされた。専用グラウンドを持たず、場所と時間が限られた中で激戦区を勝ち抜いたことの価値は大きい。今年の高校野球界を盛り上げた彼らが聖地の土を踏むことはあるのか期待されたものの、残念ながら選出はされず。兵庫の東播磨が近畿地区に選ばれたが、来春以降も山田が盛り上げてくれることを期待したい。

京都国際の甲子園初出場が濃厚に

京都国際を近畿4強に牽引した背番号9の平野順大と背番号1の森下 瑠大(共に1年)

 曽根 海成(広島)、上野 響平(日本ハム)など近年、立て続けにプロ野球選手を輩出している京都国際が今秋の近畿大会で4強入りし、春夏通じて初めての甲子園出場を確実にした。

 チームを率いる小牧憲継監督は京都成章と関大で内野手としてプレー。関大時代の同級生には岩田稔(阪神)がいる。大学卒業後は一般企業に就職した後、京都国際で指導に当たるようになり、2008年に監督に就任した。

 これまでは目先の試合で勝つことよりも上の世界で必要とされる選手の育成に力を注いできた。その一方で近年になって、入学してくる選手のレベルが上がり、勝つことの両立も目指すようになったという。

 一昨年の近畿大会は1回戦で明石商に逆転負け、昨夏は京都大会決勝でサヨナラ負けと惜しいところで敗れていた。ところが今年の秋は京都大会の3位決定戦でサヨナラ勝ちを収めると、近畿大会1回戦の和歌山東に逆転勝ち。準々決勝の神戸国際大附戦では終盤に追い上げられたが、土壇場で踏ん張り、1点差で逃げ切った。

 今年のチームはレギュラーの過半数を1年生が占めており、これからの伸びしろにも期待できる。特に投打でチームを牽引する平野 順大と森下 瑠大の活躍には要注目だ。来春の甲子園ではどのような戦いを見せてくれるだろうか。

滋賀学園が近江の県内無敗記録を止める

秋の滋賀学園のエース・阿字悠真

 一昨年の夏から滋賀大会で6季連続優勝を続けていた近江。この秋も順調に決勝まで勝ち進み、連勝記録を34まで伸ばしていたが、決勝で滋賀学園がそれをストップさせた。

 試合は序盤から息詰まる接戦となり、同点の9回裏に主将の知花 優摩(2年)が適時打を放ち、サヨナラ勝ちを収めた。

 滋賀学園が公式戦で近江に勝利したのは4年ぶり。それまでの間に4連敗を喫していたが、ついにその壁を打ち破った。

 近年の滋賀県は近江の一強状態が続いていたが、それに歯止めをかけた形となる。一方、敗れた近江もエースの山田 陽翔(1年)や4番の新野 翔大(2年)など夏の独自大会でも活躍した選手が残っており、戦力は充実している。春以降も再び頂点を狙えるチームを作ってくるだろう。

 昨年ごろから滋賀県の各高校から「打倒近江」という声をよく聞くようになっていた。一昨年の甲子園で8強入りして以来、近江は他校から目標とされる存在になっていたのである。秋の近畿大会ではここ数年苦戦が続いている滋賀県勢だが、ライバルの存在が県内のレベル向上に繋がることを期待したい。

(記事=馬場 遼)