全国各地で緊急事態宣言の再発令が行われた。全国一律の休校はないが、部活動の時間は影響は必至。この期間、練習は短縮になることが予想される。これからの高校野球は、短時間の中でいかにして効率性の高い練習をしていくことが必然となりそうだ。

 その中で先取りして効率性の高い練習をしているチームが都立小山台だ。

 2014年春は伊藤 優輔(巨人)を擁して、21世紀枠としてセンバツ甲子園に出場。2018年、2019年には東東京大会準優勝。昨秋は帝京相手に10対0の6回コールド勝ち。都立の中では最も実力のある学校として知られている。

 そんな都立小山台は進学校ということもあって、最終下校は17時で、練習時間は90分。いかにして質の高い練習をしているのか。

11メニューの内訳

ゲージ打撃の様子

 都立小山台は品川区に所在する都立高で東急電鉄目黒線・武蔵小山駅から徒歩1分もかからない場所にある。

 選手たちは普段、60×90mの校庭で、他部活などと分けて使いながら使用する。そしてグラウンドでは平日で週3日だけ。

 都立小山台の練習スケジュールは以下の形となっている。

月曜日 麻布多摩川グラウンド(15:30〜18:30)
火曜日 多摩川グラウンド(15:30〜18:30)
Bチーム学校練習(校庭)半面
水曜日 隔週で校庭半面使用 または駐輪場
木曜日 休養日
金曜日 校庭で半面使用
土曜日 授業後 Aチーム遠征
日曜日 遠征試合 冬季は全面使用約3時間〜5時間
平日は16時50分終了 17時完全下校 休日は16時半下校

 このようにハンディがあるため、練習メニューは福嶋監督主導で綿密に取り組み、選手は練習に取り組んでいる。グラウンドに貼り出されたホワイトボードには、まず3チームで分けて、20分刻みのローテーションで回るようにシートノック、ティーバッグなどを行い、起こり30分間で、8種類のトレーニングと、90分で11メニューをこなすのだ。まさに短期集中だ。



取材日の練習メニュー

 取材日では15時過ぎにグラウンドに現れた選手たちはグラウンド整備を始め、ネットを運んで、練習スペースを確保する。まずインフィールドラインのネットで覆い、ノックができるスペースを確保。その横には打撃ケージを作って、マシン相手に打撃練習。その横にはティーネットを置いて、連続ティーを行う準備を整える。

 そして15時15分から練習がスタートすると、レギュラーはシートノック、1年生はランナー→ゲージ打撃→連続ティーと言う形でスタートをしていく。

 少ないインターバルでグラウンド整備を行い、グループが入れ替わり、1時間が経つと、ネット送球、2種類の基本ノック、体幹など全身を鍛え上げるタイヤ投げ、手投げでフライを追う練習、親交がある都立日野から教わった素振りとスクワットを行う「日野式素振り」、ダイビングキャッチができるほどのペッパーで身体を鍛え、そして8種類目はロングティー。これを少ないローテーションで行っている。

選手の自主性を高める野球ノート

小山台の選手たちの「技術ノート」

 「90分」と文字だけ見ると短く感じるのだが、実際に練習として見ると、メニューはハードであり、実に豊富なメニュー数である。これは都立小山台の練習動画を見ると、より実感いただけると思う。

 もちろん都立小山台の練習メニューをすべて踏襲する必要もないし、そのチームの課題に沿ったドリル練習を組めばいいだろう。

 さらに都立小山台の選手の意識レベルを高めているツールとして見逃せないのが野球ノート。日々を振り返った野球日誌、投球フォーム、打撃フォームの技術完成度を高めるために必要な技術ノートを文字に記して、「内省」を行っていることも見逃せない。

 これからも疫病対策として、練習が制限されることが予想される。その中でこの練習は本当に意味があるものなのか? 効率性が高いものなのか?指導者、選手同士で検証しあい、シーズンインにはパワーアップすることを期待したい。

(取材=河嶋 宗一)