土佐のスタメン・ベンチ入り情報

 高知県高知市に校舎を構える創立100年を超える伝統校・土佐。中高一貫校で、偏差値70近くの数字が出ており、県内有数の進学校として知られている。

 その一方で野球部は胸元に入ったワンポイントのユニフォームが多くのファンに知られ、元プロ野球選手・大橋勲氏を輩出。甲子園には春夏合わせて12回甲子園に出場しているという実績があり、高校野球界屈指の伝統校であり、強豪校でもある。



 そんな歴史を受け継いで、今の土佐を牽引する選手の中の1人が濵松圭太である。50メートル走6秒、3.30メートル走4秒1という俊足が光り、「今まで教えてきた選手の中で一番速い」と西内監督も太鼓判を押す脚力を持つ。

 その足を活かして内野安打をもぎ取るなど、打率4割を記録するなど全試合で出塁した。そして出塁すれば盗塁も成功させて得点に絡む。守備では俊足を活かした広大な守備範囲で、ピッチャーを助ける。俊足巧打の外野手だ。



 そんな濱松を超える打率4割超えの結果をマークしているのが、和田大司だ。秋季大会ではミート力に加えて長打力も兼ね備えた5番打者として活躍。2回戦・高知戦でも2安打をマークするなど活躍を見せたが、西内監督は守備に成長を感じている。
 「新人戦では盗塁を許すことが多かったですが、一冬超えて肩が強くなりましたし、捕ってからは速いので、キャッチャーとして成長しています」

 他にも「バッティングは良い」と西内監督から評価される、ミート力が優れた3番キャッチャー・高橋佳晟。さらに2番ショートで秋季大会は出場し、足と長打力を持つ強打の2番・尾﨑光が野手陣の中心だ。

 投手陣を見ていくと、中心を担うのが3人。その3人の中でも大黒柱となる湊俊和は、130キロほどだが、キレのあるストレートとスライダーなどの多彩な変化球を織り交ぜて相手打者を打ちとるテンポのよい投球が光る。



 もともと入学時からコントロールが良く、四球は少なかった。「巧みなピッチングで相手を抑えてきた」と西内監督も湊の投球を評価。その一方で、「強豪校と対戦すると、2巡目以降のピッチングには課題がある」と語っている。

 そんな湊の背中を追いかけるように、夏の大会の高知東戦では3安打3打点の活躍見せつつ、「1年生ですが、一冬かけて身体が大きくなり、順調に伸びている」とピッチングも成長著しい左の二刀流・難波蔵之介。難波同様に夏の大会での登板経験を持ち、現在は調子にムラがあるところは課題だが、貴重なサイドスローとして活躍が期待される片岡隆之介が投手陣のキーマンだ。



■進学校としての一面も持つ

 土佐は野球だけではなく、勉強にも力を入れることでも有名だ。野球部寮である右京寮では、夕食を終えてから補習という形で自習室を使って週4日間の授業が入っている。

 学校の先生による英語の長文と、県内にいる土佐野球部OBによる数学の授業が週2日ずつ開講されるそうで、「正直、食事終わりなので、切り替えるのが難しい」と和田主将は苦手のようだ。



 それでも「実際に練習でもメニューが変わるときは、自分が先頭に立ってやらないと周りが付いてきてくれないので、そうしたところで効果はあります」と寮生活の過ごし方が野球に繋がっていることを話す。

 その行動力の部分においては、土佐が誇る偉人・坂本龍馬の名前を出し、見習っているようだ。
 「土佐を脱藩して、そこから京都へ行く行動力は凄いと思います。僕の場合、後輩たちは先輩の行動を見ているはずなので、坂本龍馬さんのような行動力は大事な部分になっていきますし、見習わないといけないと思います」



■土佐の野球を継承し、再び全国へ

 土佐は2016年の選抜を最後に全国の舞台から遠のいており、現在部員20名という規模で活動をしている。その内訳も2年生5人、1年生15人という若いチーム構成となっている。

 「(今の2年生が)内部進学も外部からの入学も例年より少なかった」ということで、下級生主体となっている現在は、新型コロナウイルスによって平日は3時間、休日は4時間という活動制限を設けながら、シーズンに向けて調整を続けてきた。

 例年と比較すれば 必然的に練習量は落ちる現状は全国の高校が直面する課題だが、それは甲子園を知る伝統校・土佐も同じだ。
 「1年生は入学してまもなく練習ができずに、合流したのは5月終わりごろ。夏の大会には出場しましたが、2年生が1年生に対してきっちり指導ができずに来てしまいました」



 土佐の野球といえば、籠尾 良雄氏が築き上げた全力疾走であったり、徹底といったところになる。土佐の神髄ともいえる部分も練習量の低下によって「緩んでいる。徹底ができていない」と西内監督ははっきりと現状を語る。

 そうした気の緩みを無くすべく、「1日無言で練習もさせることもありました」という形をとって、まず野球への取り組み方から見直しながらチームを鍛え上げてきた。

 それでも県大会では世代トップの剛腕・森木 大智擁する高知の前にコールドで破れた。
 「しっかりと準備して向かっていく気持ちで試合に入って、積極的な走塁が出来たのですが、ミスから大量失点に繋がってしまいました」(和田主将)

 春ベスト4進出、そして13回目の甲子園出場へ「全力疾走の徹底や、9回まで声を出し続けて相手に向かっていきます」と意気込みを語った和田主将。高知が誇る伝統校の復権をかけた戦いがまもなく始まる。

(文=編集部)


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