10年ぶりの東海大相模の優勝で幕が閉じた第93回選抜甲子園。今回は大好評企画のランキング形式で選手を総括したい。活躍度、このランキングは選手の将来性など含めた順位としている。

20位 新川 俊介(具志川商)
八戸西戦、福岡大大濠戦と2試合で好投を見せ、さらに福岡大大濠戦で本塁打を記録。この投手の評価ポイントは技術の高さだ。
投球フォームを見ていくと、下半身主導で動いていきながら、テークバック、リリース、フィニッシュまでの動きが実にきれいで、打撃フォームも余計な反動を使って打つことはなく、癖がない。上背もあり、投手としても、野手としても大成できる可能性を持った逸材だ。

評価ポイント:投球フォーム、打撃フォームから溢れ出る野球センスの高さ

19位 前田 銀治(三島南)
今年出場した外野手の中ではスケールの大きさではナンバーワン。足も速くて、ベースランニングも軽快。スイングのメカニズムを見ても、ヘッドの重みを利かせた力強いスイングができており、技術的にしっかりしており、とてつもない選手が甲子園でデビューした。

評価ポイント:投げては143キロ、パワフルな打撃、俊足、大型外野手。評価急上昇!

18位 松浦 慶斗(大阪桐蔭)
松浦にとって悔しい選抜となった。本来であれば、この順位にいる投手ではないが、いずれにしても夏までにしっかりと力を蓄え、パワフルな松浦を見せてくれることを期待したい。
一歩ずつ、良いピッチングができれば、もともとポテンシャルは世代屈指な左腕なだけに、自ずと評価は上がる投手だろう。

評価ポイント:数少ない球威ある直球を投げる大型左腕 本来はここにいる投手ではない。夏こそ驚かせる投球を!

17位 瀬 千皓(天理)
1年時から公式戦で連発していたスラッガーは選抜甲子園では連日の活躍。速球、変化球をしっかりと弾き返し、勝負強い打撃を見せてくれた。これほど打撃の幅が広ければ、どの舞台でも台頭できる逸材だろう。あとは守備面の精度を高められるかに尽きる。

評価ポイント:打てる幅がとにかく広いこと

16位 池田 陵真(大阪桐蔭)
初戦敗退となったが、3安打としっかりとアピール。9回表、意地の三塁打。アグレッシブなプレースタイル、さらに総合力の高さは今年の高校生外野手ではトップクラス。技術力も高く、近年の大阪桐蔭でプロ入りした右打者と比較しても見劣りする点はないといえる。何より技術が高く、勝負強いので、順応できるスピードは早いといえる。

評価ポイント:打撃のポイントがとにかく広く、変化球、速球にも対応。さらにに勝負強い。



太田虎次朗(明豊)

15位 太田 虎次朗(明豊)
下半身主導の投球フォームから繰り出す速球、変化球は打ちにくいものがあり、完成度の高さは大会トップクラスの左腕だった。

評価ポイント:決勝戦まで先発・中継ぎで好投。かなりレベルが高い左腕へ育つ可能性がある。

14位 前川 右京(智辯学園)
今年の大会ナンバーワンスラッガーとして注目された前川選手。捉えた時の打球の速さは熾烈だった。惜しむらくは打席内の焦りが見えていたこと。特に準々決勝の明豊戦ではその傾向が顕著だった。技術、メンタル。まだ突き詰めることはいっぱいあるが、それを乗り越えれば、高校生トップレベルにふさわしい結果を残してくれるに違いない。

評価ポイント:打球速度、打席に入った時の威圧感は凄まじい!

13位 深沢 鳳介(専大松戸)
評価急上昇を果たした右のサイドハンド。負け投手になったものの、中京大中京戦の投球は圧巻だった。本格派右腕、左腕が多いこの世代において、横の角度で勝負できる深沢の存在はとても貴重。まだまだ球速が伸びる余地は感じさせ、夏までドラフト候補として追跡される投手になりそうだ。

評価ポイント ストレート、スライダーが秋とは比べ物にならないぐらいレベルアップ!もはや別人。

12位 花田 侑樹(広島新庄)
上田西戦の好投により一気に評価を高めた本格派右腕。総合力の高さは大会トップクラスのものがあり、フォーム技術、ストレートのキレ、変化球の精度は一級品。指名確定レベルになるまでは夏までワンランクレベルアップした投球を期待したい。

評価ポイント:フォーム技術の高さ、ストレート、変化球の精度の高さはトップレベル。

11位 木村 大成(北海)
惜しくも開幕戦で敗れたが、140キロを超える速球、キレキレのスライダーと大きな印象を残した。総合的に見れば、この世代で木村以上の左腕はなかなかいない。まだラストサマーで高校生ナンバーワン左腕になる可能性は秘めている。

評価ポイント:直球とスライダーを中心としたコンビネーションはわかっていても打てない。



山下陽輔(智辯学園)

10位 伊藤 樹(仙台育英)
中学時代から騒がれてきた好右腕。合理的な投球フォームで、技術面、投球術において欠点が見当たらない投手。明徳義塾戦では無安打の投球。総合力の高さは世代トップクラスのものがあった。天理戦の投球は真ん中付近に集まり、痛打されたが、更に積み上げができれば、指名候補に上がる投手だろう。

評価ポイント:伸び上がる速球。文句つけようがないぐらいの完成度の高さ。

9位 髙木 翔斗(県立岐阜商)
1回戦では大会屈指の小園 健太投手からシングルヒット。攻守の完成度は抜群のものがあった。1回戦で消えるのが勿体ない選手。解禁明けのオープン戦でも結果を残すなど好アピールが続いているというので、まだチャンスはあるだろう。

評価ポイント:スイングスピードが絶品。捕手の総合力も大会屈指。

8位 山下 陽輔(智辯学園)
智辯学園は前川 右京が注目されているが、山下の打撃も素晴らしいものがあった。甲子園では大阪桐蔭の松浦 慶斗から痛烈な打球を放った打撃は見事だった。凡退した打席も捉えた打球が多く、打者としてのスケール、無駄のないスイング技術、高校生スラッガーに必要な下半身の強さ、太ももの太さ。どれも一級品。何よりいつでも自分のベストスイングができる調整力の高さとメンタルの強さだ。こんなスラッガーはなかなかいない。

評価ポイント:打撃技術、メンタルの安定感は今年の高校生右打者トップクラス

7位 川上 陸斗(福岡大大濠)
選抜ベスト8に導いた好捕手。次々と盗塁を刺し、左打席から安打連発。高度な打撃技術、スローイング技術、スケール感を兼ね備えている。今年の選抜に出場した捕手の中で前評判以上に評価が急上昇した。

評価ポイント スムーズなステップから繰り出される爆肩 打撃技術も高い

6位 大塚 瑠晏(東海大相模)
世代ナンバーワン呼び声が高い遊撃手。高校生離れしたスピードは生観戦した人ほど驚いたのでは。ショートランキングをつければ間違いなく1位。プロの世界に入っても二遊間は守れるだろうと確信できる逸材。

評価ポイント:高校生離れした守備範囲とスピード。上のレベルでも二遊間を守れる逸材。

5位 松川 虎生(市立和歌山)捕手
今年の高校生ナンバーワン捕手。マスクをかぶった時の雰囲気、リード、インサイドワーク、スローイング、打撃技術。抜群の内容だった。エース・小園健太とのダブルプロ入りも十分あり得る。

評価ポイント:捕手、打者としてのスケール感、将来性、すべてにおいて◎!

 次は4位から1位。読者の予想通り、桁違いの超高校級投手たちがランクイン。この4人は評価する人によって順位が異なると思う。今回は総合力だけではなく、完成形のスケールの大きさ、凄さを評価してトップを決めた。



達孝太(天理)

4位 畔柳 亨丞(中京大中京)投手
先発3試合のうち2試合が完封。甲子園で自身の実力を存分に発揮してくれた。驚きなのは平均球速の高さだ。

専大松戸戦 平均球速141.6キロ
常総学院戦 平均球速139.78キロ
東海大菅生戦 平均球速139.81キロ

大会最速149キロをマーク。高回転のストレートで次々と三振を取る投球は爽快感があった。是非夏には元気な姿に戻ることを期待したい。

評価ポイント
・高校生投手の抜きん出た平均球速
・今大会最速を計測した伸びのあるストレート

3位 小園 健太(市立和歌山)
1回戦では県立岐阜商戦の神経戦を制し、完封。さらには2回戦の明豊戦では好リリーフ。145キロ前後の速球、カットボール、ツーシームなど多彩な変化球を投げ分ける投球の完成度は高校生とは思えない。あとは体の内側から湧き出るような爆発力満点のストレートでねじ伏せる小園健太もみてみたい。

評価ポイント
・高校生とは思えない投球術
・文句つけようがないぐらいの完成度の高さ

2位 石田 隼都(東海大相模)
2位は優勝投手に輝いた石田。まず投球成績が圧巻だ。

石田投手のセンバツの投球成績
投球回29.1回 44奪三振
防御率0.00

最速146キロのストレート、わかっていても打てないチェンジアップ。去年からの成長に一番ビックリした投手ではないだろうか。この投手の最大の評価ポイントはプロで活躍する左腕投手に必要な技術が備わっていること。

・タイミングが取りにくいフォーム
・左投手に必要な打者の近くで変化し、高確率で空振りが奪える変化球

石田の場合、タイミングが実に取りにくく、そしてチェンジアップはプロでも勝負できる変化球にアレンジできる器用さもあり、2位にランクインした。

評価ポイント
・近年の高校生左腕では稀に見る投球術
・分かっていても打てないチェンジアップ

1位 達 孝太(天理)
そして第1位は達。平均球速が高校生投手としては異次元だった。

達投手の平均球速
宮崎商戦 138.76キロ
健大高崎戦 141.4キロ
仙台育英戦 138.2キロ

193センチの長身から繰り出す伸びのあるストレートは抜群の勢いがあり、2種類のフォークで圧倒する投球は見応えがあった。
さらに課題だった完投能力も、デビューした1年秋と比べると見違えるほどのものとなった。球数が多いこと、まだ荒削りな投球パターンも逆に伸びしろと感じさせる。

なぜこの投手を1位にしたのかというと、完成形がとてつもない領域に達している投手だと評価したからだ。本人はメジャーを志す発言もあるが、将来的にメジャーで投げる青写真が一番描けたのも達だ。

色々と取材での発言を聞くと、自分の世界観を持っていて、その内容も頷けるものばかりだ。

今、能力的にも優れた投手が多くなっていて、特にプロ野球でエースになるのは雲をつかむようなものだ。ただ達はプロでもエース候補として育成してみたいと思わせる潜在能力、ボール、芯の強さは見せてくれた。

評価ポイント
・平均球速の高さ!
・伸び上がる直球と2種類
・完投能力の高さ

 

以上となる。このランキング企画は今後も継続していきたい。

(記事=河嶋 宗一)