3月はプロ野球の開幕に選抜甲子園など野球界はイベントが目白押しだったが、中学野球も各連盟で春の全国大会が行われた。関東地区ではボーイズリーグの春季全国大会が開催され、高校野球ドットコムでは限られた中ではあるが「次世代の注目高校球児」を求めて取材を行った。

 今回はその中で、目に留まった選手たちを紹介させていただく。3年後の活躍を楽しみにしながらご覧頂きたい。

130キロ後半を記録する2人の本格派右腕に注目!

紺野 凌生(宮城仙北ボーイズ)

 まず投手で大きな存在感を見せたのは、宮城仙北ボーイズの138キロ右腕・紺野 凌生投手だ。2回戦の湖南ボーイズ戦では惜しくも延長の末敗れたが、大田スタジアムのスピードガンでも138キロを叩きだし、またアベレージも130キロ台前半を記録。フォークなど変化球の精度も高く、ハイレベルな投球を披露した。

 また湖南ボーイズの高橋 侑雅投手も、スケールの大きな本格派右腕だ。最速は137キロを誇り、1回戦の伊勢志摩ボーイズ戦では135キロを連発。完投勝利を挙げて、エンジンの大きさを見せつけた。パワフルな投球に今後も注目だ。

 そして同じ関西地区からは、紀州ボーイズの金田 雄太郎投手の名前も挙げたい。173センチ・70キロとバランスの良い体格から、非常に力のあるボールを投げ込む金田投手。最速は昨年10月に記録した133キロだが、一冬を越えて直球の威力はさらに増していると自信を見せている。ここからの成長も楽しみだ。

 また関東地区では、湘南ボーイズの左腕・杉山 優哉投手のゲームメイク能力に惹かれた。
 直球のアベレージは120キロ台前半だが、直球も変化球も低めに丁寧に集める制球力があり、特に曲がりの大きな緩いカーブが効果的に決まる。同じ湘南ボーイズには188センチの大型左腕・藤田 琉生投手もおり、1回戦では強打の橿原ボーイズ打線を3失点に抑える好投を見せた。二人の左腕のチーム内での競争にも注目だ。

 また試合を観戦することは出来なかったが、八幡南ボーイズは滞在先での練習にお邪魔させていただいた。塚本 空輝投手、吉原 渚投手、安田 創磨投手の3本柱はいずれも球速は130キロを越えており、それぞれに魅力があった。3投手はいずれも右投手で、ここでもチーム内での切磋琢磨に期待したい。

東広島ボーイズ・山路朝大選手は大会屈指の内野手

山路 朝大(東広島ボーイズ)※写真は2020年8月に撮影

 野手ではまず、優勝に輝いた県央宇都宮ボーイズから加藤 右悟選手を挙げたい。
 主将でありながら4番・捕手を任され、チームの大黒柱である加藤選手。打っては広角に強い打球を連発し、捕手としても安定したスローイングを披露。だが県央宇都宮ボーイズの影山監督は、加藤選手のキャプテンシーを最も評価しており、チームメイトからも厚い信頼を寄せられている。高校野球でも、チームの核となりえる選手だろう。

 また同じ県央宇都宮ボーイズで、3番・遊撃手として活躍した小宅 雅己選手もバットコントロールに秀でた好打者だった。追い込まれるとノーステップに切り替え確実性を重視し、また守備でも軽快な動きを見せる。強肩を活かしてマウンドに登ることもあり、身体能力の高さを感じさせた。

 そして大会では準々決勝で敗れたが、東広島ボーイズの山路 朝大選手も非常に大きな存在感を放った。
 中学1年時には、カル・リプケンU-12世界少年野球大会日本代表に選出された山路選手。強く鋭いスイングに、大きなストライドが目を引く俊足、また守備でも柔らかなハンドリングと球際の強さが光り、走攻守すべてにおいてハイレベルなプレーを見せた。ガッツ溢れる性格も含め、世代を代表する内野手となるのではないだろうか。

 そんな山路選手と同じく、1年時にカル・リプケンU-12世界少年野球大会日本代表を経験した熊本中央ボーイズの栗山 大成選手も前評判に違わぬ好打者だった。
 中学通算12本塁打の長打力が持ち味だが、コースに逆らわずしっかりとミートできる技術も持ち合わせ、捕手としても安定した守備が光る。大会では1回戦で敗れたが、「打てる捕手」へ期待を持たせるパフォーマンスを見せた。

 その他、湖南ボーイズの宮野 想生選手は、中学通算で20本以上の本塁打を放つ強打の遊撃手で、準々決勝の京葉ボーイズ戦ではフェンス直撃のツーベースを放つなど活躍。投手としても130キロ近いボールを投げ込み、潜在能力の高さをみせた。
 また紀州ボーイズの根来 翔理選手は、智辯和歌山で活躍した根来 塁選手(國學院大)の弟で、兄にも負けないミート力と柔らかさが光る。同じ紀州ボーイズの4番に座る高津 優選手も、パワフルなスイングが魅力で体の強さを感じさせた。

 関東地区の強豪・城南ボーイズは、渡辺 暁斗選手に林 幸介選手、林 京乃佑選手など小学校時代から実績のある選手が並び、どの選手も振りは強い。また日本ハムの矢野謙次二軍打撃コーチの息子である矢野 丈太郎選手や、飛田 優悟選手といった俊足を武器とする選手も上位に名を連ね、層の厚さを感じさせた。
 準優勝の高崎中央ボーイズからは、4番の勝矢龍惺選手のスイングの柔らかさが目についた。取材した湘南ボーイズ戦では長打こそ出なかったが、中学生離れした巨躯も含めてスラッガーとしての可能性を感じさせた。

 中学野球はこれから各連盟の夏の全国大会やジャイアンツカップと、最後の夏に向けた大会が増えていく。その中で、また新たな注目選手が現れることを期待したい。

(取材=栗崎 祐太朗)