5月22日、29日の2日間にわたり、ボーイズ東日本ブロック選考会が行われ、計40名の選手が参加した。この選考会は、8月に開催予定の「鶴岡記念大会」、そして「2021世界少年野球大会」の出場選手選考の場で、選手たちは日本代表の称号を目指して自慢のプレーでアピールした。

 今回は選考会の様子をお伝えしていきながら、その中で目についた選手や結果を残した選手を紹介していきたい。

強肩と人間力を見せた加藤右悟選手

加藤 右悟(県央宇都宮ボーイズ)

 まずは5月22日の1日目。
 埼玉のケイアイスタジアムで行われたこの日は、厚い雲が空を覆い気温が上がらず肌寒い中で選考はスタートした。
 ウォーミングアップを終えた選手たちは、ベースランニングのタイム測定を行い、その後シートノック、シート打撃とメニューをこなしていく。

 まずベースランニングのタイム測定では、麻生ボーイズの矢竹 開選手が3.34秒を記録しトップ。またダイヤモンドの一周のタイムは、横浜緑ボーイズの森 駿太選手が14.72秒のタイムでトップとなった。
 矢竹選手は足の回転数が非常に目を引き、一方の森選手は大きなストライドの力強い走りが光る。三塁ベースを回ってからも、スピードが落ちること無くパワフルな走りでダイヤモンドを駆け抜けた。

 そして、続いて行われたシートノックでは、内野の守備で高崎ボーイズの佐々木 貫汰選手が存在感を見せた。埼玉西武ライオンズジュニアに選出された実績もある佐々木選手は、決して派手さのあるタイプではないが堅実な捕球や軽快な足捌きに魅力がある。指導者からすれば、安心して見ていられる選手ではないだろうか。

 またこの日はキャッチャーの選手が7名参加したが、「捕手の見せ場」と言える二塁送球では、県央宇都宮ボーイズの加藤 右悟選手がトップの1.95秒を記録。
 加藤選手は参加選手のまとめ役も務めており、ウォーミングアップから先頭に立って場を盛り上げた。捕手としても、リーダーとしても存在感を見せ、この日特に目立った選手であった。

 そして最後のメニューであるシート打撃では、県央宇都宮ボーイズの野島 爽投手、横浜緑ボーイズの宮崎 慶投手の力投もあり、投手陣のアピールが目立ったが、その中でも大きなポテンシャルを感じさせる選手はいた。

 ダイヤモンド1周のタイムでもトップに立った横浜緑ボーイズの森 駿太選手は、鋭く大きなスイングでスケールの大きさを感じさせた。184センチ・75キロの体格から球場の通算本塁打は10本に達しており、本職はショートであるが投手としても最速137キロを記録する。当たりこそ無かったが、潜在能力の高さはひしひしと伝わってきた。

 またスラッガータイプでは、西多摩ボーイズの高橋 徹平選手が体全身を使った猛烈なスイングを見せ、選考委員の指導者の度肝を抜いた。高橋選手もこの日は当たりはなかったが、投手としてもパワフルなピッチングを見せ、非常に大きなインパクトを残した。


紺野、藤田の両投手が潜在能力の潜在能力の高さを示す

紺野凌生(宮城仙北ボーイズ)

 続いては5月29日の2日目。
 茨城・笠間市民球場に22名の選手が集まり選考がスタートしたが、この日は好投手が目白押しだった。

 シート打撃ではまずは、宮城仙北ボーイズの紺野 凌生投手大きなインパクトを残した。
 3月に行われた第51回春季全国大会でも、138キロを記録して存在感を見せた紺野投手だが、この日は球場のスピードガンで139キロを3度計測するなど、自慢の快速球を武器に打者を圧倒。打者6人に対して3奪三振、投じた11球のストレートの平均球速は137.2キロと、少ない球数の中とは言え驚異のパフォーマンスを見せた。

 また湘南ボーイズの189センチ左腕の藤田 琉生投手は、シート打撃では4番手として登板。
 「試験休み明けで本調子では無かった」と悔しい表情を浮かべたが、この日は最速130キロの直球を中心に投球を組み立て、打者6人に対して被安打1とまずまずの投球。
 角度を活かした大きく縦に割れる変化球に、ナチュラルにシュートする直球がことごとく相手打者を詰まらせ、選考委員からも素材の良さを絶賛する声が聞かれた。

 3月に行われたベイスターズカップの1回戦では133キロを記録した藤田投手。この日は130キロに止まった直球も、ここから夏に向けて130キロ中盤くらいまで上がってくるのではないだろうか。



藤田琉生(湘南ボーイズ)

 同じ左腕ではつくば学園ボーイズの中根 健太郎投手も目立った。
 クロスファイヤー気味に投げ込む直球は132キロを記録し、スライダーも右打者の足下へ大きく食い込むような軌道を描く。打者6人に対して3つの三振を奪い、また打者としても2安打を放つなど投打で存在感を見せた。

 その他、相模ボーイズの谷亀 和希選手はチームはエースとして活躍しているが、この日はバットで2安打を放ち打撃の良さをアピールし、宮城仙北ボーイズの村山 真琴選手は、荒削りながらもアクロバティックな身のこなしが目を引いた。

 また白河ボーイズの藤戸 利津選手もスピード感溢れる守備が光り、守備では他にも湘南ボーイズの中村 優太選手や春日部ボーイズの三田村 幸輔選手、白井中央ボーイズの蛯原 琉伽選手などが高い守備力を披露。選考委員からも思わず笑みがこぼれた。

 選考委員を務めた京葉ボーイズの関口勝己監督は、「この中から選ばれた選手たちで、東日本ブロック代表として戦うのが楽しみです」と語り、各ブロックの代表選手で優勝を争う鶴岡記念大会へ意欲を見せる。

 また各ブロックの選考会は、高校野球での活躍の登竜門といえる場でもある。この中から高校野球でも高校野球でも活躍を見せる選手が、一人でも多く出てくることに期待したい。

(取材=栗崎 祐太朗)