第103回全国高等学校野球選手権奈良大会が7月10日に開幕する。37チームが出場する今大会は今春の甲子園で4強の天理と同8強の智辯学園による一騎打ちが予想される。シード校は春季大会で4強入りした智辯学園、天理、奈良大附、畝傍。今回は4つのゾーンごとに奈良大会の展望を行っていきたい。

畝傍、天理に待ったをかける注目校は?

太田佑音

 Aゾーンのシード校は秋、春ともに4強の畝傍。突出した選手はいないが、組織力の高い野球で悲願の甲子園初出場を目指す。エースの太田 佑音(3年)は変化球を駆使する技巧派。昨秋までは外野手だった若松 慎太郎(3年)も春にマウンド経験を積み、夏への準備は万全だ。

 畝傍と遜色ない力を持つのが郡山。こちらも手堅い野球が持ち味で、コツコツと得点を積み重ねていく。安定感のあるエースの植家 颯(3年)と、視野の広い山口 瑛士(3年)のバッテリーにも注目だ。

 高田商はエースの安井 直斗(3年)が好投手として知られている。135キロのノビのあるストレートとカーブのコンビネーションが抜群だ。高田や奈良北も十分に上位を狙える力がある。登美ケ丘・国際の主将で1番センターの藤井 海斗(3年)は50m走が5秒台の俊足。高い身体能力に注目だ。

 Bゾーンは優勝候補の天理が入った。センバツで左脇腹を痛めたプロ注目右腕の達 孝太(3年)は春季大会で実戦復帰を果たし、夏に標準を合わせている。達が離脱している間に左腕の仲川 一平(3年)と森田 雄斗(3年)が成長を見せ、投手陣の層が厚くなった。打線も1番を打つ主将の内山 陽斗(3年)や4番の瀬 千皓(3年)ら強打者が揃っている。

 このゾーンで天理に次ぐ有力校に挙がるのは法隆寺国際か。左腕・坂本 亘弥(3年)と右腕・山中 歩寿(3年)の投手二枚看板を擁し、春は智辯学園相手に0対4と善戦した。

 春8強の奈良は吉村貴至監督の次男・颯真(3年)が主将を務める。中軸を打つ中島 治憲、米田 稔治ら2年生に力のある選手が多く、春以降の成長に期待したい。


奈良大附、智弁学園を追随する実力校

達孝太

 Cゾーンは3年ぶりの甲子園を目指す奈良大附が一歩リードか。右横手投げからキレのあるシンカーを投げ込むエースの二宮 知也(3年)は注目の好投手。攻撃面では双子の本間兄弟がチームを引っ張る。1番の弟・悠人(3年)が出塁し、主将で4番の兄・賢人(3年)が還すパターンに持ち込めば、打線が一気に繋がる。

 春は奈良大附に2対4と惜敗した橿原学院も力がある。140キロ近い速球を投げる吉田 陽斗(3年)が実力を発揮できれば、上位進出が見えてくるだろう。投球の大半がナックルを占める桜井の岡本 斉悟(3年)にも注目だ。

 Dゾーンは春優勝の智辯学園を中心に展開されそうだ。1年春から投手陣を支えてきた西村 王雅(3年)と小畠 一心(3年)に加え、藤本 竣介(2年)と大坪 廉(2年)が春に台頭。全国でも屈指の投手陣を揃えてきた。春先は不調に陥っていた主砲の前川 右京(3年)も近畿大会で本塁打を放ち、復調の気配を感じさせた。全国屈指の戦力を誇るだけに何としても甲子園に出たいところだろう。

 このゾーンで好カードとなりそうなのが、ともに春8強の関西中央と御所実による一戦だ。関西中央は身体能力の高いリードオフマン・泊 航太朗(3年)ら実力者が揃う。御所実は接戦に強く、打線に繋がりがある。

 天理と智辯学園は決勝まで対戦しない組み合わせとなったが、この2校による頂上決戦となるか、それとも他が待ったをかけるのか。2強を追う各校の奮起にも期待したい。


(文=馬場 遼)