木村大成(北海)、小園健太(市立和歌山)、森木大智(高知)、風間球打(明桜)、有薗直輝(千葉学芸)、前川右京(智辯学園)

 いよいよ高校生期待度ランキングもベスト10となった。この10人はプロ野球でも主力級の活躍が期待できる器を持った選手たちだ。


10位〜6位

田村俊介(愛工大名電)、木村大成(北海)、竹山日向(享栄)、達孝太(天理)、前川右京(智辯学園)

10位 前川 右京(智辯学園)
高校生離れした体格、打球速度、飛距離。奈良大会、甲子園を振り返るとポイントが前で、遠くへ運ぶイメージはなく、中距離打者としての位置づけ。プロ入り後は長距離打者になれる可能性を持った選手。アプローチが柔軟なので、本塁打を打てて、打率を残せる打者になれる可能性が高い。

圧倒的な打球速度、コンタクト力、キャラクター性抜群のスラッガー

9位 田村 俊介(愛工大名電)
明徳義塾中時代から注目を浴びてきた二刀流。今回、特に推したいのは打撃の方だ。ボールのラインに対して合わせるスイング軌道で広角に安打を量産。好投手から本塁打、長打を打つなど、対応力はトップクラス。投手、一塁、外野だけではなく、三塁もこなす野球センスの高さがあり、野球選手としてはこれ以上ない能力を持っている。どんどん前向きに自分をアピールできる勝負強さもある。

卓抜とした打撃技術、実戦派左腕、サードもこなす野球センスの高さ

8位 木村 大成(北海)
最後の夏にかけてしっかりと右肩上がりの成長を示した速球派左腕。甲子園初戦では常時140キロ台のストレート、鋭く曲がるスライダー、またチェンジアップでも空振りを奪うことができる。ストレートの強さ、スライダーの切れ味、フォームのしなやかさ。木村を上回る高校生左腕はいなかったため、実質、高校生NO.1左腕は木村といっていいだろう。

平均球速140キロ超えの速球と切れ味抜群のスライダーで圧倒

7位 達 孝太(天理)
滑らかな体重移動から140キロ後半の速球、フォーク、スライダーで圧倒する本格派右腕。変化球の精度も高く、数年後には世代ナンバーワンの投手になる可能性も十分にある。最後の夏は5割ほどの実力だったと思う。もっとできてもおかしくない投手。是非プロでは凄いと思わせる投球を期待したい。

探究心豊かな大型右腕 将来は世代ナンバーワンになる可能性も

6位 竹山 日向(享栄)
最後の夏にかけて成長度は、ピカイチだったのではないかと思わせる投手。なんといっても高回転の150キロ前後のストレートは空振りが奪え、ブレーキが効いたカーブ、スライダーも良い。夏前に怪我があったが、もともとトレーニングに対する意識は高く、もっと化けてもおかしくない投手。いずれどのポジションでも飛躍してもおかしくないが、すぐに出来て一軍で結果を残すというよりも、地道に技術を磨いて、飛び級のような活躍を見せる投手ではないか。3、4年後に一軍で、この順位にふさわしい結果を残すことを期待したい。

高回転の150キロのストレートは世代トップクラス

5位〜1位

有薗直輝(千葉学芸)、小園健太(市立和歌山)、森木大智(高知)風間球打(明桜)、松川虎生(市立和歌山)

5位 松川 虎生(市立和歌山)
どうしてもBIG3に注目が集まるが、水面下でこの選手の評価が高い。それもそのはず。夏では2本塁打、8打点、打率.667をマークした強肩強打の捕手。打撃技術も今年の高校生捕手で最も高く、将来の打てる正捕手として期待が高まっている。取り組みもよく、活躍する確率は高い選手。

今では三塁の練習を行っているようだが、次世代の正捕手要因が欲しい球団は24人以内で指名したいだろう。果たして、どの球団が真っ先に指名できるのか。その駆け引きに注目したい。

今年のドラフトの鍵を握る野手。各球団の成否はこの選手を指名できるか?

4位 有薗 直輝(千葉学芸)
松川と同じくこの選手も指名できるかだろう。将来性が高い投手+松川or有園、活躍する可能性が高い即戦力投手+松川or有園のパターンを考えている球団も多いのではないだろうか。高校生ではトップの通算70本塁打を記録。木製バットでもロングティーではオーバー・フェンスを連発。ガタイがよいスラッガーを多く見てきたが、有薗は大学生スラッガーにひけをとらない打球を飛ばす。

 タイミングのとり方がよく、ほとんど三振する姿を見たことがない。捉える飛距離もすごく、何より評価を上げているのは三塁守備。守備練習が好きというぐらい練習に取り組み、巧みなグラブ捌き、自慢の強肩を見せる。これほど守備力が高くて、強肩で華のある三塁手は長いドラフト史でもあまりいない。また切り替えが早いマインドも好印象。スター型の三塁手を育てたい球団はうってつけの選手だ。

超強肩&圧倒的な長打力

今年の世代ナンバーワンは…

 ここからトップ3の発表。もうおわかりだと思うが、今回はプロで最も活躍ができそうな観点から選んだ。これは好みや評価の仕方で変わってくる。いずれにしても、一軍のローテーション投手として活躍できる3人だ。

3位 小園 健太(市立和歌山)
常時140キロ中盤〜後半の直球、スライダー、カットボール、ツーシームなど多彩な変化球を織り交ぜ、打者の狙い球を絞らせない投球は、やはり高校生には見えない。夏では150キロを計測する試合もあり、確かに強くなった。

どうしても投手は好調時、不調時でボールの勢いが変わってくるが、わずかの差であるが、小園は1位、2位の投手と比べるとボールの勢いが弱い。特に智辯和歌山との決勝戦は物足りなさはあった。

ただ入団後の1、2年間でボールの質が本物になっていけば、今のような打者を手玉に取る投球が実践できるようになり、一軍のローテーションに入るのではないか。

高校生離れした投球術、駆け引き 3〜5年後にはタイトル争いも

2位 風間 球打(明桜)
早くも1位を公表した球団もあるように、世代トップクラスの豪腕。なんと言っても魅力なのは、ボールの強さ。分かっていてもポップフライになるような威力抜群のストレートは一級品。大学・社会人・独立を含めてもNO.1。プロとアマチュアの試合を見て顕著に表れるのは、この部分だ。ストレートだけでなく、スライダー、カットボール、フォークなどの精度も高く、変化球中心の攻めで三振を奪える。

これだけ見れば、即戦力として活躍できるのでは?と思うかもしれないが、一線級の活躍する投手はどことなく、余裕が感じられ、投球の引き出しの広さがある。風間は一軍で勝負できるパワーピッチングはできても、長い期間、それに耐えうるスキルは備わっていない。

有名解説者が時間はかけて育てたいというのはそういう部分だと思う。むしろ高校生投手でこういう粗さが出るのは、当然であって、ここまでのストレートが強い投手を育てた明桜首脳陣は凄い。プロの世界では風間の持ち味を消すことなく、台頭してほしい。

ロマン、ボールの圧力は今年のアマチュア選手ではNO.1

1位 森木 大智(高知)
今年の1位は森木に決定した。3人の投球を見比べてみて、森木は2人の中間にいるような投手だ。小園のようにカットボール、スライダー、カーブなどを扱うが、小園ほどピッチトンネルを多用する投手ではない。でも小園よりも明らかにストレートの強さとボリュームがあり、毎試合、150キロ超えを記録する。かといって、風間のように振り下ろしたフォームから実現できるボールの角度、強さがあるかといえば、そうでもない。

それでも、森木は世代ナンバーワンの投手だと思うのが、その中間の能力は半端なく高いこと。どの試合でも一定の投球ができること。どの投手も良い時、悪い時はあるのだが、森木の場合、その平均値が非常に高い。1試合だけの瞬発力だけでいえば、風間がNO.1だけど、プロの投手で戦うことを想定した場合、一番活躍できそうなのが森木だといえる。森木はカットボールを夏にかけて強化してきたが、個人的に一番良い変化球はカーブだと思う。ぜひ縦横、緩急を使える豪腕となってほしい。

ポテンシャル、投球の完成度、修正力からして最も勝てる投手

 前年の期待度ランキングと比較すると、特に投手で高次元の争いだったといえる。三者三様の見方ができる投手が生まれるのは、とても良いことだと思う。ぜひBIG3を中心にこの世代が球界を盛り上げ、さらにレベルアップさせる活躍を見せることを期待したい。

(記事=河嶋 宗一)