来年の高校生投手について紹介したが、野手はスラッガー揃いで、開花寸前の逸材が多い。そんな野手たちを紹介したい。


高松商・浅野は復数球団が注目!

海老根 優大(大阪桐蔭)、山下恭吾(福岡大大濠)、浅野翔吾(高松商)、高久塁(鹿島学園)、武田侑大(京都国際)、福原聖矢(東海大菅生)

 22年度の野手で最も注目されるのは、まず浅野 翔吾(高松商)だろう。夏の甲子園で高校通算35本塁打目となる特大弾をマーク。長打力が注目される浅野だが、野球選手としての能力が高いのはあまり知られていない。捕手としてはスローイングタイム1.8秒台をマークし、さらに遊撃手をこなす野球センスの高さもある。練習試合ではNPB複数球団が視察に訪れている。今年も同タイプの池田 陵真(大阪桐蔭出身)が指名を受けているだけに、パワー、勝負強さを評価してマークする球団が多くあるだろう。これからも強打をアピールしたい。

 惜しくも県大会ベスト8で敗れたが、福岡大大濠の山下 恭吾もトップレベルの大型遊撃手だ。広角に長打が打てる完成度の高い打撃、強肩が光る守備など、スケールの大きさを感じる逸材で、この1年はどんな歩みを見せるか楽しみだ。

 野手では秋の県大会前までに高校通算32本塁打を放った内藤 鵬(ほう=日本航空石川)も、世代屈指のスラッガーとして、パワー、打撃技術として高いものを持っている。この秋は県大会準々決勝で敗れたが、最後の夏までに、どこまで通算本塁打を積み重ねることができるか。

 吉次 悠真(土浦日大)もトップレベルの外野手だ。176センチ74キロと決して大きいわけではないが、県大会準々決勝・霞ヶ浦戦ではバックスクリーン横へ本塁打を放ったパワーは圧巻。さらにセンターからダイレクト返球を投げ込み、そして落下地点に追いつく俊足など、外野守備のレベルは同世代の中でも突き抜けている。打撃では他の選手にはない飛距離、守備では快足、勘の良さを持った守備を持ち併せているので、あとはコンタクト力を高めれば、もっと評価が高まる。茨城県には大型捕手が多く、高久 塁(鹿島学園)は甲子園も経験。欠点が少ない打撃フォームから広角に打ち分け、正確性が高いスローイングに加え、名将・鈴木監督も信頼を寄せるインサイドワークも見応えがある。元プロの紀藤監督が率いる水戸啓明からは、下級生から経験を積む大垣 蓮弥が今春の県大会でライト方向へ本塁打を放った。地肩も強く、来春以降、どんどんアピールを見せてほしい。

 加藤 大悟(専大松戸)も春の関東大会、夏の県大会で本塁打を量産した大型捕手だ。そして加藤以上のスケールを持っているのが市立船橋の片野 優羽だ。今秋の県大会で3本塁打を放った。無駄のないスイング軌道でいろんなタイプの投手から長打を打てる対応力や、恵まれた体格から生かした圧巻のパワー、スローイングタイム1.9秒の強肩も魅力がある。横浜隼人の前嶋 藍は野球IQが高く、確実性の高いスローイングが魅力の好捕手。打撃も癖がないが、強さが欲しい。同じ神奈川では、打撃力はトップクラスの廣田 翔馬(向上)も面白い。

 野球IQが高い好捕手として、福原 聖矢(東海大菅生)も面白い。関東大会に出場する桐生第一では三塚 琉生に注目したい。フルスイングで本塁打性の打球を連発し、守備、走塁においても身体能力の高さを感じさせるパフォーマンスを発揮する。桐生第一はタレント揃いで、この1年でどれだけ勝ち進んでアピールできるか。竹井 颯大(武相)も鋭い打球を連発する期待の右スラッガーだ。

 東海地区では愛工大名電の好ショート・伊藤 基佑も俊敏な動きが光る。エースの有馬 伽久は140キロを超える速球も注目だが、打者としても強烈な打球を飛ばすスラッガー。北信越地区では玉木 聖大(日本文理)に注目したい。甲子園で本塁打を放ち、186センチ90キロとスペックも十分で、化けてほしい逸材。イヒネ・イツアもフルスイングで本塁打を量産する左のスラッガーだ。

西日本も期待のスラッガー、大型野手がズラリ

 中学時代、U-15代表の4番打者となった海老根 優大(大阪桐蔭)の身体能力と強打はドラフト候補クラス。スタメンデビューが遅かったが、それを取り返せるぐらいのポテンシャルの高さはあるだろう。評価を高めるには1つ1つのプレーの確度を高めることが大事になる。初球から積極的に振っていく大阪桐蔭の選手らしいスタイルを持った選手なので、進化が楽しみだ。1年生から注目されてきた履正社・光弘 高穂は攻守の凄みが増してきた。近畿大会でどれだけアピールできるか。履正社と対戦する京都国際では強打強肩を兼ね備えた遊撃手・武田 侑大のパフォーマンスにも注目だ。

 天理の戸井 零士は松原ボーイズ時代から騒がれた大型遊撃手。この秋になって恵まれたポテンシャルを発揮できるようになってきた。近畿大会・滋賀学園戦では、決勝の適時二塁打をマーク。リストが強く、打球の伸びが他の選手が違う。また深い位置からでも刺せて、なおかつ天理独自の捕球練習で培った安定した動きが光っている。三塁・内藤 大翔も、打撃、守備において体の使い方がキレイなプレイヤー。本塁打も打てて、キレの良い動きが光る守備は必見だ。

 滋賀学園の山田 一晴は、181センチ、83キロと恵まれた体格をした強打の左打ちの外野手。スイングも鋭く、打球の角度もあり、ポテンシャルではドラフト候補クラス。草津シニア時代から騒がれた伊藤 愛都(龍谷大平安)はこの秋から主将に就任した。4番キャッチャーとしてチームを牽引し、パワー、スピード、強肩と身体能力抜群の大型捕手だ。名将・原田監督もレギュラーになる前から伊藤のポテンシャルの高さを高く評価していた。あとは強豪校に対峙した時に勝利に導くリードができるか、勝負強い一打を打てるか。春、夏にはそういった姿を見せてほしい。

 中国地区では投手を兼任する大型野手・内海 優太(広陵)も鋭い打球を連発。中国大会で大きくアピールしていきたい。

 九州地区では、春の九州大会で強肩ぶりとシュアな打撃が光った好捕手・野田 海人(九州国際大付)も同世代ではトップクラス。チームメートで九州大会で本塁打を放った黒田 義信は確実性の高い打撃と堅守が光る三塁手。東京ヤクルト・村上 宗隆の弟・慶太(九州学院)も、188センチ95キロのスラッガーで、ラストシーズンはどこまでアピールできるか注目したい。

(記事=河嶋 宗一)