コロナ禍により甲子園開催がなくなった激動の2020年。誰もがその不安を抱えたまま迎えた2021年は、春夏の甲子園も無事終了し関係者をホッとさせたことだろう。そんな2021年の、個人的に思う沖縄県高校野球界ニュースを取り上げてみよう。

具志川商がセンバツ初出場初勝利!

新川 俊介(具志川商)

 昨年秋の県大会で準優勝した具志川商。21世紀枠で九州地区代表になり、さらに今年「選抜高等学校野球大会21世紀枠出場」の嬉しい知らせが届いた。沖縄県にとっては2015年の糸満以来、実に6年ぶりの春の甲子園。県内外の、多くのマスコミが具志川商キャンパスに集まり彼らを祝福した。

 センバツの抽選会では八戸西(青森)との21世紀枠対決が実現。聖地甲子園に初めて乗り込んだ具志川商ナインに気負いはなく、得意の足を絡めた攻撃で6回を終えて6-0と大量リード。先発の新川 俊介投手(3年)は7回に2点を失うも、上々のピッチングを披露し、見事初出場初勝利を手に入れた。

 2回戦では福岡大大濠に敗れたものの、そのままでは終わらない強さが具志川商にはあった。甲子園から帰ってきて臨んだ九州地区高校野球大会。1回戦で佐賀の東明館、次戦の長崎商を下し準決勝に進出した具志川商は、昨年秋から数えてみたび福岡大大濠と対戦。何と8-0というスコアで快勝しリベンジ。決勝の九州国際大付(福岡)にも勝利して見事九州のチャンピオンに輝いたのだった。

豊見城33年振り夏の準決勝へ進出

 1976年から3年連続夏の大会を制しただけでなく、赤嶺 賢勇投手、神里 昌二投手、石嶺 和彦捕手らを擁し夏の甲子園で3年連続ベスト8進出とその昔、沖縄強しを全国に印象付けた豊見城が古豪復活を印象付けた。今年2021年の全国高等学校野球選手権沖縄大会準々決勝で強豪興南と対戦。5-3で私学の雄を破る大金星を挙げ、33年ぶりとなるベスト4進出を決めた。

 立役者はエース垣花 琉陽投手(3年)。振り返れば7月11日。沖縄水産戦に先発した垣花 琉陽だったが、雨の中で制球も心も定まらず2ケタ失点を喫する。配色濃厚ゲーム(3回を終え2対11)から雨天中止となると、13日の再試合では人が変わったように被安打5、奪三振9をマークし沖縄水産打線をシャットアウト。その翌日の興南戦ではさすがに疲労の色は隠せなかったものの、6回を3失点と粘りのピッチングを見せる。すると急に流れが豊見城へ傾いた。興南投手陣が乱れ4つの四死球にエラーも絡み豊見城が逆転に成功。8回にも相手のフィルダースチョイスを誘い大きな5点目をボードに刻んだ。

 1週間500球に近づく垣花 琉陽をカバーした山城 瑠唯(3年)もナイスピッチングで興南に追加点を与えず5-3で勝利。1988年のベスト4以来となる33年ぶりの準決勝進出で、「TOMISHIRO」のオールドファンを大いに喜ばせたのだった。

前原49年ぶり秋大会決勝進出

新里 紹舜(前原)

 1996年に全国高等学校野球選手権大会へ出場した古豪・前原が秋に躍動した。那覇西、本部、糸満、未来沖縄、そして準決勝北山戦と5試合連続コールド勝ちで決勝へ進出。秋の大会では何と、1973年に選抜高等学校野球大会へ出場した前年の1972年以来となる、ほぼ半世紀振りの決勝進出となった。

 1回戦から16得点、12得点、11得点、12得点、12得点。5試合の合計が驚異の63得点。準決勝までの5試合でトップの又吉 哲大外野手(2年)が打率5割をマークし、3番・目取真 悠月内野手(2年)、4番・新里 紹舜内野手(2年)、5番・比嘉 健登外野手(2年)のクリーンアップ3人の打率.535。ピッチャーを除く下位6番7番8番も打率.514と、どこからでも得点出来る強力打線が目を引いた。

 その後、先輩たちに負けじと、1年生中央大会でも2試合連続サヨナラ勝ちでベスト4へ入った前原。その選手層の厚さに加え、投手陣野手陣のレベルアップがこの冬で蓄えられたなら来年夏、26年ぶりとなる聖地甲子園出場も夢ではないと言い切れるメンバーたちだ。

(記事:當山 雅通)

3大ニュース+1:オリックス宮城大弥投手(興南出身)がシーズン13勝で新人王受賞!

 宮城 大弥がオリックスを25年ぶりのリーグ優勝に導く大活躍。シーズン13勝(貯金9)、防御率2.51、131奪三振と堂々たる成績を収めた。昨年沖縄県出身初のプロ野球新人王を獲得した西武の平良 海馬投手(八重山商工出身)に続く受賞は、沖縄の高校野球界に更なる自信を植え付け、球児たちに夢と希望を与えた。