今年の大学生は18年に大阪桐蔭が春夏連覇した世代にあたる。最終学年を迎え、ドラフト候補となる選手が多い。今回は人気企画「期待度ランキング」を大学生にも導入。即戦力度や、即戦力ではなくても素材力の高さを評価し、順位付けを行っていった。今回は10位から1位だ。


2022年ドラフト期待度ランキング【大学生】
■20位ー11位
東都、東京六大学、各地方リーグを代表するスラッガー、スピードスター、怪腕を選出
■10位ー1位
激戦区のドラフト上位候補から1位を勝ち取ったのは?

2022年ドラフト期待度ランキング【高校生】
■30位ー21位
190センチのサブマリン、全国レベルの大型捕手などを選出!
■20位ー1位
2022年は打者優位の1年!?大型スラッガー、大型投手、好左腕など..

10位〜6位

土井克也、菊地吏玖、奈良間大己、曽谷龍平、吉田賢吾

10位 曽谷 龍平投手(明桜-白鷗大)
昨年、素質を開花させた151キロ左腕。リーグ戦では昨年春、秋と連続して4勝を挙げた。ぶん回すように左腕を振り、150キロ前後の速球とスライダーで圧倒する。今シーズンも実績を残せば、大学生左腕としてトップクラスの評価を受ける可能性はある。

9位 吉田 賢吾捕手(横浜商大高-桐蔭横浜大)
昨春のリーグ戦でMVPに輝き、大学選手権では本塁打を放った。昨秋もリーグ戦で5本塁打を放つなど、トップレベルのパフォーマンスを示した。スローイングタイム1.9秒台の強肩も魅力で、高確率で走者を刺す。総合力は高く、神奈川大学リーグでは神奈川大の土井とリーグNo.1捕手の座を争う存在だ。

8位 土井 克也捕手(唐津商-神奈川大)
昨秋の横浜市長杯では明治神宮大会出場を決めるサヨナラ本塁打を放った強肩強打の捕手。スローイングタイムは常に1.9秒台。多くの投手の持ち味を引き出し、全国ベスト4まで導いた守備力には光るものがある。大学日本代表候補合宿には選ばれなかったが、総合力の高さは22年の大学生ではトップクラスだ。

7位 菊地 吏玖投手(札幌大谷-専修大)
昨年、東都2部から成り上がりで、巨人からドラフト3位指名を勝ち取った赤星 優志投手(日大鶴ヶ丘-日本大)に次ぐ存在となりそう。体重移動の際、横の時間を長くし、着地と同時に一気に回転させるように投げるフォームに改良。常時140キロ中盤の速球と切れのある変化球のコンビネーションを駆使し、2年秋は最優秀防御率を受賞した。すべてにおいて優秀なこのタイプは、羽田野 温生投手(汎愛-東洋大)のように素材込みで評価されるのではなく実績重視。東都2部では防御率1点台前半を基準に高いパフォーマンスを見せていきたい。

6位 奈良間 大己内野手(常葉菊川-立正大)
高校時代にU-18代表を経験している遊撃手。一歩目に対する動きが実に速く、身のこなしの良さ、キレの良い動きは同世代の遊撃手と比べて一歩抜けている。大学生になるとスピード感が出てくるが、長打力もあり、ここまで1部で2本塁打を放っており、力のある遊撃手として人気となりそうだ。

5位〜1位

金村尚真、山田健太、蛭間拓哉、矢澤 宏太、羽田野 温生

5位 金村 尚真投手(岡山学芸館-富士大)
岡山学芸館時代から大きく注目を浴びていた完成度の高い右腕。140キロ後半の速球と、カットボールをきっちりと投げ分け、ゲームメイクする。リーグ戦では完全試合の経験もあり、大学選手権でも好投を見せている。北東北リーグからは毎年、好投手が出てきているが、注目度、実力は近年でもトップクラスといえる。

4位 羽田野 温生投手(汎愛-東洋大)
 昨秋のリーグ戦では等々力球場で156キロをマーク。その他の球場でも150キロ台をマークするなど、球速ではアマチュア界トップの投手であることは間違いない。NPBスカウト好みの縦回転の角度のある速球もプラス評価。昨年秋のリーグ戦では9試合8.1回を投げて12奪三振、防御率0.00と抑えられるようになったとはいえ、四死球は12と盤石さは感じなかった。今年は先発、リリーフ問わず「楽しみな速球投手」から、どんな場面でも動じない「主力投手」へ化けることができるか注目したい。能力的にはドラフト1位候補。どんなパフォーマンスを見せるか。

 大学生は全体的に優れた選手が多いが、上位指名レベルで突き抜けた選手が少ない。速球面で突出した投手で、例年1位指名された投手と比較しても遜色ないポテンシャルを持っているので、4位とした。

3位 矢澤 宏太投手兼外野手(藤嶺藤沢-日本体育大)
各媒体では1位とする見方が多いが矢澤は3位。大学生として、投打ともに高い次元でプレーしている希少価値と将来性の高さを基準にするのであれば1位と思う。しかし、今回の企画としては、高校生と違って大学生には即戦力要素を求め、NPBで1年目から通用するか否かで判断する。矢澤は確かに高レベルの投手であることは間違いないが、ダントツの1位にするべきかというとあと一歩だといえる。

 投手としては140キロ後半の速球と、鋭く落ちる縦スライダーで三振を量産する。打者としてもリーグ戦で本塁打を重ねており、大学候補合宿でも50メートル走は参加者トップとなるスピードを叩き出すなど、野球選手としてはこれ以上ないポテンシャルを持っている。

 トップレベルのパフォーマンスは悪くはないが、文句なしで1位にするには、まだ実績面であと一歩。このままいけば1位の流れになりそうだが、確定とするには、やはり今年の春のリーグ戦での結果が求められる。投手、野手ともにタイトルを狙うことができるか。そして全国大会に出場することができるか。高いハードルを乗り越え、誰がどう見ても圧倒的1位という評価を勝ち取ってほしい。

2位 山田 健太内野手(大阪桐蔭-立教大)
2位は山田。1年春からリーグ戦に出場し、現役最多の62安打をマーク。さらに7本塁打も打っており、東京六大学からドラフト候補に名前が挙がる野手で、1年春から打率2割5分以上を打ち続けたのは山田ただ1人だ。

 大型二塁手としての需要も高いが、山田をスラッガーとして高く評価する声もあり、NPBに進めば、二塁手以外のポジションで持ち前の打力を伸ばせるのでは、と今から青写真を描けるハイレベルな人材だ。実力、人気も兼ね備えた大型二塁手としてそれに相応しい実績を残すことを期待したい。

1位 蛭間 拓哉外野手(浦和学院-早稲田大)
1位は早稲田大のスラッガー・蛭間に決定した。ここまで東京六大学通算10本塁打を記録。秋に改めてプロ入り後の成績予想をしていきたいが、22年の大学生打者で数少ない1年目から1軍でかなりの打席数が期待できる逸材。将来のクリーンアップ候補として1軍で英才教育させたいと思わせる。小宮山悟監督も高く評価しているが、大げさではなく、本当にその通りだと思う。

 もちろん確実性や各大学との対戦成績の偏りを見れば、注文をつけるところがあるのは事実。決め手となったのは勝負強さで、20年の早慶戦では2試合連続で決勝本塁打をマークするなど優勝に大きく貢献した。

176センチ87キロという大学生離れした体格はもちろん。打撃練習を見ても、スイング時間が短く、下半身と上半身の動きが連動したスイングから放たれる打球速度は凄いの一言。技術とパワーを兼ね備えた選手だった。

 厳しいマークを受けながら自慢の長打力を発揮し、さらに守備、走塁も一定レベルの高さがある。即戦力外野手としてこの1年間、圧倒的な成績を残してほしい。

(記事=河嶋 宗一)