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 西東京の有力な投手で、1年を通して活躍した選手は、ほとんどいなかった。コロナ禍以外が原因のケースも多いが、コロナ禍が影響したケースも少なからずあった。

 この夏も、コロナ感染により出場を辞退した学校があったし、力のある選手がコロナ感染により出場できないケースもあった。それでも、出場辞退をできるだけ避けるため、コロナ感染に関しては柔軟に対応するようになったことは評価できる。

コロナ、猛暑、雨 過酷な夏の熱い戦い

創価・杉江敏希

 この夏、西東京大会のシード校は6校だけ。その分、ノーシード校にも力のあるチームが多かった。大会の試合の初日である7月10日には、創価と都立日野という実力校同士がいきなり対戦した。猛暑の中で行われた試合は、都立日野の中堅手で打の中心でもある廣岡 太平外野手(3年)が、熱中症で足が思うように動かず敗れたシーンは、この夏の過酷さを象徴していた。また大会中は、雨による日程変更も多かった。気候変動の激しさは、高校野球にも影響を及ぼしている。

「一番弱いチーム」が奮起した都立富士森の旋風

仲間と喜びを分かち合う都立富士森・甲斐凪砂

 暑さに雨にコロナ禍と、厳しい戦いが続いたこの夏の西東京大会で、さわやかな旋風を起こしたのが、都立富士森だった。秋や春は1次予選で敗れ、都大会には出場していない。秋の練習試合で大敗し、廣瀬勇司監督から、「一番弱いチーム」と言われ奮起した。

 4回戦で聖パウロ学園を延長戦の末に破って勢いがつき、5回戦で駒大高、準々決勝で日大鶴ヶ丘とシード校を相次いで破ったことは、今大会最大のサプライズとなった。準決勝では日大三に大敗したが、選手たちは準々決勝、準決勝と神宮球場で試合できたことを楽しんでいるように感じた。「厳しいことを言いましたけど、ありがとう、という言葉に代えたいです」と廣瀬監督は語った。

公式戦未勝利から8強に進出した桜美林

桜美林バッテリー

 桜美林が秋に続いて春の大会も1次予選の初戦で敗れたことは、東京の高校球界で話題になっていた。全国制覇もした名門だけに、心配する声も少なくなかった。

 コロナ禍で練習が思うようにできず、名門は苦しんだ。「夏の大会も勝てないのではないか」と紺野翔大主将(3年)にとってもプレッシャーは大きかったようだ。夏の大会の間も体調不良で試合に出られない選手もいたが、都立片倉の好投手、ジョンソン・マーカス太一投手(3年)を攻略し、佼成学園を破り、準々決勝まで進出した。片桐幸宏監督は、「いろいろつらかったと思う。嫌な顔をせず、心折れずに立派だと思います」と言って、3年生をねぎらった。桜美林には2年生に好選手が多いだけに、後輩たちの活躍に期待したい。

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明星・長島、駒場学園・佐藤の好投

駒場学園・佐藤夏月

 国士舘は今大会、日大二、早大学院を相次いで下し、準々決勝ではセンバツ4強の國學院久我山を破り、準決勝では東海大菅生に敗れたものの延長戦になる大熱戦を演じた。

 秋季都大会で国士舘は、2回戦で6人の投手をつぎ込んで八王子に敗れている。この時は、国士舘はかなり厳しいと感じたが、4月から指揮官に復帰した箕野豪監督が、見事に立て直した。エース格の小笠原天汰投手(3年)の成長が大きいが、攻守にチームをまとめた主将で捕手の石田諒人(3年)の存在も重要であった。

 8強を逃したチームにも印象に残るチームや選手が多かった。本来は遊撃手だがチーム事情でエースになった明星の長島幸生投手(3年)は、4回戦で八王子に敗れたものの、被安打3、失点1に抑える好投をみせた。

 駒場学園は、5回戦で左腕のエース・佐藤夏月投手(3年)が東海大菅生相手に好投。9回表の攻撃では、東海大菅生を土俵際まで追い詰める健闘をした。

 八王子の星野 翔太投手(3年)は、1年生の秋から注目されていたが、この1年は調子を崩し、本来の投球ができないでいた。最後の夏、制球難で投球数が多い試合もあったが、力の片鱗はみせることができた。

屈辱をバネに成長した日大三

日大三・松藤孝介

 早稲田実業は倉光 条投手(3年)の好投などで準々決勝に進出したが、主将で攻守の要であった壽田 悠毅外野手(3年)は負傷が多く、本来の力を出すことができなかったことは惜しまれる。

 センバツでベスト4の國學院久我山は、1年生の常木竣一朗内野手を遊撃手のスタメンで起用するなど、チームに新しい風を入れていたが、国士舘にしっかり研究され、力負けした。

 昨年のセンバツでの投球で全国的に注目されるようになった東海大菅生の鈴木 泰成投手(3年)は、ヒジを痛め、ほぼ1年間試合で投げていなかった。最後の夏に向けてしっかり調整し、球威は故障前より上がった感じだ。ただ公式戦から遠ざかった分、実戦感覚は十分に戻っていなかったのだろうか。決勝戦では、自らの守備のミスで傷口を広げ敗北。昨夏の甲子園で、降雨コールドで負けた先輩たちの無念を晴らすことはできなかった。

 日大三の優勝は、昨年の秋季都大会の準決勝で國學院久我山に3対14の5回コールドで敗れた悔しさが、出発点になっている。屈辱をバネに猛練習をし、チームは生まれ変わった。特に左腕の松藤 孝介投手(3年)がエースとして安定したことが大きかった。

 考えてみれば一昨年の秋季都大会で、國學院久我山は城北に7回表まで16対4でリードしながら、逆転されるという屈辱を味わった。その悔しさをバネに練習をしたことで、昨年の夏は日大三を破り準優勝。昨年の秋は日大三に大勝して優勝し、センバツに出場して準決勝に進出した。屈辱を力に変える強さが大切である。

 勝負である以上、勝者がいれば敗者もいる。悔しい思いをした選手もたくさんいるだろう。その経験を次のステージで是非生かしてほしい。

 コロナの感染状況はまだ先が見えない。この夏も思うように練習できないチームも多いかもしれない。それでも、1、2年生は今できる最善を尽くして秋の戦いに備えてほしい。

(文=大島 裕史)