渋谷 祐太郎・竹田 葵・市川 正己・瀧本 蒼太

 9月3日に開幕し、11日に2週目までを終えた南東北大学野球秋季リーグ戦。ここまでの9試合のうち、1対0の試合が3試合、2対0、3対0の試合がそれぞれ1試合と、各大学投手陣の好投が目立つ。

 南東北大学野球連盟からNPBに進んだ投手は、相沢 晋投手(石巻専修大卒、元・楽天)、粟津 凱士投手(東日本国際大卒、現・西武)、赤上 優人投手(東北公益文科大卒、現・西武)、石森 大誠投手(東北公益文科大卒、現・中日)の4人と決して多くはないが、近年は好投手が集まってきている。

 特に逸材がそろうのが、今年の全日本大学野球選手権で4強入りした東日本国際大。最上級生では、最速145キロの直球と6種類の変化球を使い分ける高身長右腕・竹田 葵投手(4年=山形城北)が好調だ。3日の日大工学部戦は8回から継投し2回1安打5奪三振無失点、10日の福島大戦は先発し7回1安打13奪三振無失点。いずれも与四死球は0で、最大の武器である制球力が光っている。7回2死までノーヒットノーランを継続する圧巻の投球を見せた10日の試合後は、「まっすぐも変化球も低めに集めつつ、テンポ良く投げることができた」と手応えを口にしていた。

 3年生以下にも注目投手が多い。大山 凌投手(3年=白鷗大足利)は2年秋からリーグ戦で結果を残し、今年の全日本大学野球選手権では準々決勝の大阪商業大戦で完投勝利を挙げるなど3勝をマークする活躍を見せた。2回戦の金沢学院大戦では自己最速151キロも計測。来秋のドラフト候補に名乗りを挙げた右腕は、リーグ戦でアピールを続ける。1年生も阿字 悠真投手(1年=滋賀学園)らが早くも台頭しており、今後の成長が楽しみだ。

 NPBに2投手を輩出している東北公益文科大は、技巧派左腕の瀧本 蒼太投手(4年=宮崎日大)が好スタートを切った。開幕投手を務めた3日の福島大戦は5回無失点。10日の石巻専修大戦も7回無失点に抑え、0を連ねている。直球は120キロ台後半〜130キロ台とそれほど速くないが、ツーシームやカットボールなどの変化球を駆使した、打たせて取る投球が魅力。「春はダメだった。秋は最後なので、全員で勝つという気持ちだけで投げている」。器用な投球とは裏腹に、マウンドでは時折、気迫あふれる雄叫びもあげる。

 10日の試合で瀧本と投げ合い、6回無失点と好投した石巻専修大・渋谷 祐太郎投手(4年=築館)は、140キロ台の直球をコンスタントに出す右腕。3日の山形大戦では完封しており、こちらも本塁を踏ませない投球が続いている。石巻専修大は渋谷の他にも庄司 魁投手(4年=山形城北)、岡本 寛太投手(1年=新井)ら140キロ台の速球を持つ右腕がそろっており、今後も注目の存在だ。

 日大工学部は今春新人王を獲得した藤田 一希投手(2年=本庄東)が急成長中。今秋は開幕戦で強力・東日本国際大打線相手に完封すると、10日の山形大戦でも完封勝利を挙げた。速球とスタミナを武器に、これからも白星を積み重ねていきそうだ。国立大である山形大は1年春から投げ続けてきた森谷 穣投手(4年=山形南)が今秋も緩急を使った投球でエースの役割を果たしている。同じく国立大の福島大も市川 正己投手(3年=安積黎明)、越石 寛大投手(3年=不動岡)ら今後さらに伸びそうな逸材が育ってきている。

 東北の大学といえば、これまで主に北東北大学野球、仙台六大学野球からプロの世界で活躍するレベルの投手が輩出されてきた。南東北からスターが生まれる日も、そう遠くない。

(記事=川浪 康太郎)