
浅野翔吾(高松商出身)、萩尾匡也(慶應義塾大出身)
巨人は昨年、屈辱のBクラスに終わった。しかしドラフトを振り返ると、かなり良いドラフトができたのではないだろうか。そんなドラフトを総括していきたい。
まず1位の浅野 翔吾外野手(高松商)。昨夏の甲子園では3本塁打を放ち、U-18代表でも活躍。打撃技術の高さは高校生離れしており、選球眼も良い。甲子園での活躍にファンの間でも人気が高まった。阪神との抽選の末、巨人が交渉権を手にした。
浅野のプロ1年目を展望すると、まずは二軍でレギュラーとして試合に出場し続けることだろう。最近はNPBの二軍でもトレーニング、技術指導の発達で常時140キロ後半の速球を投げられる投手が増えてきている。速球だけでなく変化球のキレも素晴らしい。まずはそういった投手たちとの対戦し、プロの生活サイクルに慣れて自分の実力を発揮するルーティンを見つけるなど、色々と課題はある。
その点、浅野は貪欲に取り組める選手だ。2年、3年と年を重ねていくうちに結果を残すタイプではないだろうか。まず二軍では、打率.250前後、本塁打5本以上、30打点以上を期待したい。プロ2年目は二軍でも10本塁打以上、そして一軍で初本塁打。プロ3年目で大飛躍という形が描ければ理想的だ。
2位の萩尾 匡也外野手(文徳-慶應義塾大)も期待がかかる。ラストシーズンだけで9本塁打を放ち、三冠王に輝いた。パフォーマンスは素晴らしい物を持っており、ライト方向にも本塁打が打てる。メカニズム自体もよく、探究心も高い選手だ。5盗塁している走塁も見逃せない。ただ、守備面はNPBレベルだとかなり苦労するだろう。特に送球面に不安がある。送球が改善されれば、ある程度の不安は解消されるかもしれない。
浅野と萩尾だが、2人とも守備力はあまり高い選手ではなく、打撃で勝負する選手なので、やや狭く、本塁打が出やすい東京ドーム向きのスラッガーといえる。
ただ、萩尾はあまり残された時間はなく、一軍で起用される時期で、しっかりと結果を残したい。よくて一軍で5本塁打前後にとどまると、もともと守備で計算できる選手ではないので、出番を失いやすく、他球団も同タイプの大卒スラッガーはキャリア序盤で出されて、数年後には一軍でも起用されずに戦力外となってしまうケースがあっただけにそれは避けたい。
守備を最低限のレベルまで高めつつ、いつでも二桁本塁打を記録できるスラッガーになれば、理想的ではないだろうか。
【指名選手一覧】
1位:浅野 翔吾外野手(高松商) 〇世代No.1スラッガー。高校通算68本塁打を放ち、U-18日本代表にも選出。世界大会では1番打者として打線を牽引した。
2位:萩尾 匡也外野手(文徳-慶應義塾大)
大学ラストイヤーだけで、9本塁打を放っているスラッガー。4年秋には三冠王に輝く。
3位:田中 千晴投手(浪速-國學院大)
最速153キロ右腕。上から振り下ろすフォームからのフォークは脅威。
4位:門脇 誠内野手(創価-創価大)
二遊間を守れる171センチのセンスあふれる内野手。4年春季ベストナイン。
5位:船迫 大雅投手(聖光学院-東日本国際大-西濃運輸)
右サイドから140キロ後半の速球を投げ込む社会人屈指の実力派右腕。
選択終了
育成1位:松井 颯投手(花咲徳栄-明星大)
花咲徳栄出身の154キロ右腕。4年春リーグで38.1回44Kをマーク。
育成2位:田村 朋輝投手(酒田南)
素材は東北地区No.1右腕と評される149キロ右腕。
育成3位:吉村 優聖歩投手(明徳義塾)
左サイドの独特な角度が持ち味で、U-18ではアメリカ戦で好投。
育成4位:中田 歩夢内野手(東奥義塾)
青森県屈指の好遊撃手。投手としても140キロ後半の速球を投げる強肩が魅力。
育成5位:相澤 白虎内野手(桐蔭学園)
2022年の神奈川を代表する強打の内野手。
育成6位:三塚 琉生外野手(桐生第一)
スケール型の大型外野手。打球速度の速さ、飛距離は世代トップクラス。
育成7位:大城 元投手(未来沖縄)
身体能力抜群の速球派右腕。
育成8位:北村 流音投手(桐生第一)
140キロ後半を投げ込む群馬No.1右腕。
育成9位:森本 哲星投手(市立船橋)
最速143キロの速球、切れ味鋭いスライダーで勝負する千葉県屈指の左腕。
選択終了
(記事:河嶋 宗一)