絶対王者・PL学園を破った春日丘の当時のメンバーで、現在はミズノ株式会社のダイヤモンドスポーツ事業部の斎藤真一さんにインタビュー!当時の高校野球生活、PL学園戦の回想などを3篇にわたって紹介します。第2回は注目のPL学園戦を振り返ります。

最後は日ごろから練習していた奇襲作戦で試合を決めた
ミズノ株式会社 ダイヤモンドスポーツ事業部 斎藤部長真一部長

 ―― 試合を振り返ると、1回裏に2点とられますが、3回表に4点を入れて逆転に成功します。PL学園の先発はプロに進まれた榎田健一郎さんでした。他には飯田 広光投手、木本 貴規投手と好投手擁したPL学園に対し、どう対策をして臨んだのでしょうか?

斎藤真一(以下:斎藤): あの時はとにかく全員ミートに徹しようということで、バットは短く持って、振り幅を小さくしてミートする、そういう感じやったですね。1番から9番まで、全員短く持ってミートする。それだけやったですね。

 3回表、田宮さんが3ランを打つんです。あのホームランは凄いホームランやったんですよ。それを観て感動したんですけど、そこから3回裏に逆転を許して、4対5のまま試合は膠着状態になって。8回表に、僕とずっとコンビを組んでた同級生・井上和男がレフトに同点ホームランを打つんですよ。木本さんから打って同点になって。
 それで9回の攻撃で、3番の竹井さんがランナーに出て、4番の冨迫さんがアウトになって、田宮さんが塁に出て、一死一、二塁になるんですよ。そこから神前さんが送りバントのサインを出す。それで二死二、三塁にするんですよ。

 普通高校野球ではあんまりない作戦なんですけど、二死二、三塁になるとね、ウチの走塁の奇襲作戦で得点のパターンがあって。セカンドランナーが大きくリードして、ピッチャーがセカンドに牽制をする、その間に三塁からホームインするという作戦があるんですよ。その練習をずーっとやってたんですよ。そこでそのサインが出て、それをやるんです。それが最後の決勝点になりました。

 ―― すごいですね! ここぞの奇策がすごい。

斎藤: たぶん、相手はPL学園ですから、PL学園の選手はもう100%解ってたと思います。だからピッチャーもショートもそういう動きをしてたんですけど、普通のチームやったら、それが解ってたら牽制なんかしないんですけど、PL学園はそれを解ってて、おそらく「アウトにする」という自信があったので、それに乗ってきた。で、たまたまショートの佐藤 公宏さん(1982年の選抜決勝で先頭打者本塁打)が牽制を捕ってホームに投げて、それが少し逸れてホームインするんですよね。

 9回裏、一死からPL学園の8番打者が出塁して一死一塁。そこから9番バッターが送りバントをして二死二塁を作るんですよ。それでバッターがPL学園の1番バッター、ショートの佐藤さん。二死二塁。1点差で負けてる。
 一死一塁から送りバントして、その人に賭けるんですよね。もう、そのシーン観てると鳥肌が立つぐらいの興奮がありました。

 佐藤さんはセンターのバックスクリーンの手前までもの凄い打球を打ったんですけど、キャプテンの白木さんが背走してファインプレーしてボールを捕るんですよね。それでゲームセットになるんですよ。
 この試合の中でもの凄いドラマがあってね。今話ながらだいぶ思い出しました。

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苦戦を制し甲子園出場。甲子園でも1勝を果たす
ミズノ株式会社 ダイヤモンドスポーツ事業部 斎藤真一部長

 ――  その試合のことを詳しく教えてください。

斎藤: この試合は日生球場で行われていあのですが、ちょうど、PL学園の攻撃の時に雷が鳴って、バタバタ、バタバタ、雨が降り出したりして、凄い雰囲気やったですね。準々決勝ということで、けっこう応援も来てくれてましたしね。
 当時の大阪大会は準々決勝からテレビ中継があったんですが、ウチは4試合目やったんで、2回ぐらいでテレビ中継が終わっちゃったんですね。序盤で打撃戦やってたもんで、そこから生徒が日生球場に駆けつけるんですよ。だからちょうど5回ぐらいからスタンドがもの凄い数になってきたのを覚えてますね。

 ――これは今の時代に置き換えたら、すぐにネットニュースに出るような感じの勝ち方ですね。

斎藤:確かに、今の大阪桐蔭に勝つようなものだと思います。

 ――その後も厳しい戦いが続きます。

斎藤:その次の試合が太成高校(現・太成学院)ですよね。太成高校は延長で2対1で勝利しましたが、この試合は逆に0対1で9回まで負けてるんですよね。
 それで最終回に無死一塁にランナーが出て、1点負けているとこで神前さん、盗塁させるんですよ。

 この場面、ノーアウト1塁で普通送りバントしますよね。けどここで盗塁させる。その盗塁が決まって無死二塁になる。それで次のバッターにバントさせるんですけど、それが失敗してしまうんですね。それで一死二塁になるんですけど、次のバッターの時一死二塁からエンドランかけるんですよ。それがピッチャーとキャッチャーの間に転がるような打球になって、それをファーストに放って、ちょっとボールが逸れて、セカンドランナーがホームに帰っていって同点になる、みたいな。

 普通でしたらバントで送って、進塁打を打ってリスクが低い戦術をしますよね。こんなところで盗塁させるか?こんなとこでエンドランをかけるか?と驚きますよね?もう型破りな采配で同点に追いつき、なんとか勝利することができました。
 そして決勝の近大附。近大附は2年連続で北陽(現・関大北陽)に敗れていて、かなり意気込んでいたんですけど、うちも、PL学園を破り、延長戦を制して勢いに乗っていたので、もう打線が大爆発して、結局9対1で大勝しましたね。

 ―― 甲子園出場を果たし、初戦の丸子実戦では甲子園初勝利を挙げます。

斎藤:初戦の丸子実戦ですが、その試合は僕は出てないんですけど、甲子園に行く頃にはすっかり元気になって。へたに夏休んでたもんで、もの凄い調子良かったですよ(笑)
 笑い話なんですけど、みんな大阪大会を勝ち上がってでクタクタで、特に3年生の先輩とか最後やからもう気合い入って全てを出し尽くしたみたいな。ケガしてる人もいましたし。エースの田宮さんも、まあこんな言い方したらあれなんですけど、僕から見とってもボールは全然走ってなかったです、甲子園でね。大丈夫かなあみたいな、そんなふうにも見えたんですけど、その代わり僕は休養十分やから、もの凄いキレキレやったんです(笑)
 よく覚えてます。

 ―― 2回戦で法政二に敗れてしまいます。

斎藤: まあPL学園とかが甲子園出るのと、今でいう大阪桐蔭や履正社やったら甲子園出ても洗練されたチームですけど、春日丘が甲子園に行くと、ほんとに普通の学校が出て来てるみたいなもんで。それで法政二高でしょ。神奈川代表。もう野球がね、洗練されてカッコいいんですよ。もう応援団からチームの雰囲気から、都会のチームのカッコよさみたいなものがありましたよね。

 今回はここまで。いよいよ次回は最終回。最終回では甲子園の時期の生活など、高校野球3年間を総括してもらい、現在の仕事に生きていること、そして高校野球に取り組む選手たちにメッセージをもらいました。次回もお楽しみに!


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文=河嶋 宗一