2019年の秋季東京都大会でベスト8に進出した日大二。進学校でありながら、毎年バランスの良いチームを作り上げるが、今年はエースで4番の折笠 利矩が中心となってチームが作られている。

 投手としては驚くような球威は無くても、低めへの制球力が抜群で変化球のコマンド能力も高い。また打者としても、懐が深い構えから直球にも変化球にも対応できる技術を持っており、秋季大会では17打数8安打、4打点の活躍を見せた。
 今回は、そんな折笠にこれまでの歩みを伺い、今後の目標についても迫っていく。

中学時代は山村崇嘉の陰に隠れるも高校で才能が開花

ピッチングを行う折笠利矩(日大二)

 小学校1年から野球を始めた折笠。落合コメッツ、中野リトルを経て、中学では東京都の名門・武蔵府中シニアへ入団した。
 当時のチームには東海大相模のドラフト候補・山村 崇嘉がスーパースターとして活躍しており、折笠はその陰に隠れる形になっていた。投手としては2番手で、試合には主に外野手として出場して打順は6番。中学時代は、決して目立つ存在ではなかったと振り返る。

 「今はコントロールにも自信が持てるようになりましたが、中学の時は課題はコントロールでした。球もそんなに速くなくて、バッティングも今ほど自信はなく、高校に入って良くなっていったなと思います」

 日大二中に通っていた折笠は、進学先に悩みながらもそのまま日大二に入学することを決意する。決め手となったのは、第99回全国高等学校野球選手権大会西東京大会でベスト4に進出した先輩たちの姿を目にしたことだ。



打撃練習を行う折笠利矩(日大二)

 「進路を色々考えていた時に、3学年上の先輩たちがベスト4まで行ったの見て日大二にいこうと思いました。そこで自分も甲子園を目指したいなと」

 入学後、体作りに力を入れている日大二の方針の下で、折笠も少しずつ力をつけていき、まずは打者として頭角を現す。2学年上の3年生が抜けた後の新チームでは、1年生ながら外野手としてレギュラーを掴みクリーンナップを任される。試合経験を積む中で、徐々に自信を深めていった。

 日大二の田中吉樹監督は、折笠の打者としての特徴に「しぶとさ」を挙げて信頼を口にする。
 「今は4番に置いていますが、一番良いところはしぶといところですね。しぶとく喰らいついていき、甘いところにきたら長打をしっかり打つタイプです」

投手でも打者でもチームに貢献していきたい

折笠利矩(日大二)

 また、投手としても着実に成長を見せる。
 入学時は120キロ台後半だった球速は、2年生に上がる頃には130キロ台中盤に達し、コントロールも納得の出来るレベルにまで成長。1学年上の140キロ右腕・田中啓斗にも引けを取らない安定感を見せた。

 「1年秋に秋季大会のブロック予選で城東と対戦したのですが、その試合で良いピッチングができました。試合は負けましたが、その後の練習試合でも良いピッチングが続いて自信がついていきました。
 試合で投げて良かった時のフォームを、ピッチングで固める作業をずっとやっていて、それで良くなってきたかなと思います」

 新チームでは、「エースで4番」とチームの大黒柱となり秋季東京都大会ではベスト8に進出。
 59年ぶりの選抜出場を目指した昨年の秋季東京都大会では、終盤に創価打線につかまり惜しくも選抜出場は逃したが、東京都の21世紀枠推薦校に選出されるなど爪痕は残した。



ピッチングを行う折笠利矩(日大二)

 折笠は、今後の課題にスピードアップを挙げる。現在のストレートの最速は137キロだが、トレーニングを地道に行っていくことで、チームとして甲子園出場はもちろんのこと、個人としても大学まで野球を続けることを目標に練習に取り組むことを誓う。

 「投手でいくか打者でいくかは、今は特にこだわりはありません。とにかく今はどちらもやらせてもらってる以上、どちらも頑張ってチームに貢献したいと思っています。
 この先も、相手がどんどん強くなっていくと思いますが、自分がしっかり抑えてギリギリでも何でもとにかく勝っていきたいと思います」

 選抜甲子園出場を果たした国士舘に、本格派右腕の森畑 侑大を擁する創価、また潜在能力の高い選手が揃う日大三や東海大菅生なども虎視眈々と聖地を狙っており、今年も西東京は群雄割拠だ。
 その中で、折笠を中心とする日大二がどんな戦いを見せるのか目が離せない。

(取材=栗崎 祐太朗)


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