2019年リトルシニア日本選手権大会で、ベスト4に進出した中本牧シニア。U-15日本代表に選ばれた玉城陽希選手(横浜)や強打の三塁手・小池祐吏選手(東海大菅生)など実力のある選手が並ぶ中で、2年生ながら大きな存在感を放ったのが小川大地選手だ。

 確実性の高い守備と強肩が目を引き、打撃でもここまで中学通算13本塁打を放つなど長打力と確実性を持ち合わせてる。走攻守の三拍子が揃ったプレーヤーだ。

 今回はそんな小川選手に電話取材を行い、これまでの成長や高校野球での目標を伺った。

刺激的だったベイスターズジュニアの環境

小川大地(中本牧シニア)

 小学校1年生の時に、少年野球チームの野毛オールスターズで野球を始めた小川選手。
 父と兄も野球をやっていた影響もあり、幼いころから生活の中に野球があったと振り返る。

「よくお兄ちゃんの野球の応援についていって、自分も野球がしたいなと思っていました。
小学校の時は主にピッチャーをやっていて、ショートもたまにやっていましたがメインのポジションではありませんでした」

 小学校時代の中で、小川選手が大きな出来事だったと語るのが横浜DeNAベイスターズジュニアに選出されたことだ。チームには監督の川村丈夫氏をはじめ、元プロ野球選手のスタッフが指導にあたっており、選抜された16名の選手たちもレベルが非常に高かった。刺激的な環境の中で野球ができ、小川選手は大きな経験ができたと当時を振り返る。

「コーチの鈴木尚典さんに、バッティングを教えていただいたことが印象に残っています。凡打を恐れずにファーストストライクからずっとフルスイングで行こうと言われました。
 またショートの守備も、ベイスターズジュニアから本格的に始めて、捕り方などを教えていただきました」

 NPBのジュニアチームが激突する「NPB12球団ジュニアトーナメント2017」では、惜しくも準決勝で敗れたが、投手や遊撃手として活躍を見せて打線でも3番を任される。ハイレベルな中でも存在感を見せて、小川選手は大きな自信を掴んだ。



小川大地(中本牧シニア)

 そして小学校を卒業後、小川選手が次の舞台に選んだチームがリトルシニアの名門・中本牧シニアだった。
 元々、強豪チームであることは耳にしていたが、横浜DeNAベイスターズジュニアの1学年上の先輩たちも多く入団しており、「憧れの先輩たちに混じってプレーしたい」という思いが大きな決め手になった。

「いざ入団すると、チームはものすごくレベルが高かったのですが、コーチの方々も細かく指導してくださったので入って良かったなと思いました。特にバッティングは軟式から硬式に変わって、初めは打てないことも多かったのですが、フォームのアドバイスもいただいて少しずつ打てるようになってきました」

慶應大・瀬戸西選手から教わった「一歩目」の重要性

小川大地(中本牧シニア)

「入団当初は苦労した」と語る小川選手だが、それは入団当初から常にレベルの高い環境に身を置いていたことが背景にある。入団直後から3年生のーメンバーに混じって練習し、1年夏の新チームの発足後からはメンバー入りを果たす。その後ショートのレギュラーを掴み、下級生ながら試合経験も多く積んでいった。

「バッティングでは、初めはなかなか芯に当たらなかったのですが、ボールにしっかりバットに乗せる感覚で、確実性の高い打撃を意識することで打てるようになりました。
 1年の冬のバッティング練習でその感覚を掴み、2年になってようやく納得のできる打撃ができるようになりました」

 また、守備においても大きく向上するきっかけがあった。
 中本牧シニアのOBで、現在ドラフト候補として注目されている慶應大学の瀬戸西 純選手にショートの守備を教わる機会があったのだ。小川選手は、その際に瀬戸西選手から「一歩目の重要性」を教わり、捕ってから投げるまでの一連の流れがスムーズになったと成長を明かす。

「それまでは『一歩目』の意識などしたことがなくて、捕れればいいやという感覚でいたのですが、そこからは常に打球に対する『一歩目』を意識するようになりました。

 普段から瀬戸西さんの守備の動画も見ていますし、昨年の明治神宮大会は決勝戦も見に行きました。大学生は、一人一人が考えてプレーをしていることがこちらにも伝わってきて、勉強になることばかりでした」



小川大地(中本牧シニア)

 下級生の頃からハイレベルな環境の中でプレーし、また憧れの存在からも大きな刺激を受けている小川選手。来年からは高校野球の世界に飛び込むが、そこでもやはりトップレベルの活躍を見せたいと意気込んでいる。

「まだそこまで高校のことは考えていませんが、どこの高校に行くにしても主力になって注目されるような選手になりたいと思っています。
 一番は高校からプロに行くことですが、もし大学に行くとしても大学野球はレベルが高くて見ていても楽しいので、自分もそういった舞台でプレーできればと思います」

 昨秋からは再び投手にも挑戦し、最速132キロを記録するなど身体能力の高さは折り紙付きだ。夏の選手権大会はまだ不透明な状況であるが、小川選手のこれからの活躍に注目だ。

(取材=栗崎 祐太朗)

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