今年の高校野球には、巨人が誇る球界屈指のショート・坂本 勇人(光星学院出身)と同姓同名の超高校級の捕手がいる。

 なんとイニング間の送球は最速1.85秒と、世代トップクラスのスローイング能力を持ち、打撃でも高校通算15本塁打を放っており、まさに強肩強打の捕手だ。そんな坂本が最後の夏にかける想いと、高速スローイングの秘密についてうかがった。

強肩強打の捕手として最高の夏に

坂本勇人(唐津商)

 坂本のストロングポイントの1つであるスローイングはこの3年間で格段に成長した。まず肩の強さのバロメーターである遠投。1年生時は95メートルだったが、現在は100メートルまで伸びた

 そして激闘を演じた昨秋の九州大会・明豊戦でも盗塁を1つ刺したプレーを筆頭にこれまでの実戦で随所にスローイングの強さを発揮している。

 「捕ってから早く投げるために下半身をしっかり使って投げることを大事にしています。またボールに勢いもつけないといけないので、2年生の時から甲斐 拓也さん(福岡ソフトバンク)みたいに左足を先に出すようにしました」

 動きやすくするために、捕球時に左足を先に出したことで、動きに勢いがついてきた。そうするとボールにも勢いがつき、セカンドスローのタイムも改善されてきたとのことだ。そして正確性に関しては、「キャッチボールでは低く投げること、そして実際にセカンドに投げる際はピッチャーの頭をめがけて投げる」ことで、正確に投げ込めていると分析する。

 ただ地肩の強化も怠らなかった。肩を強化すべく、2年生からチューブを活用したインナーマッスルのトレーニングを実施。技術だけではなく、フィジカルそのものも磨き上げてきた。

 そしてスローイングだけではなく、ストップに関しても3年間を通じて、「試合を想定して、練習から取り組んできたことで成長できた」とキャッチャーとして必要なスキルをすべて伸ばしてきた。

 そんな坂本はバッティングでは3番に座り、「自分たちの代になってホームランは増えましたが、狙っているわけではない」とのことだが、高校通算15本塁打を記録する強打の捕手だ。

 昨秋の明豊でも6打数3安打を記録したが、明豊戦を受けて、「冬場は強く速い打球を打てるよう、インパクトの瞬間だけ力を入れられる」ように、スイングの中でメリハリを付けた。また鈴木 誠也が取り組むティーバッティングを実践するなど、バッティングを磨いてきた。

 そのおかげもあり、「元々低い弾道を打つことを大事にしてきましたが、一冬超えて打球が伸びるようになった」と自信の成長を肌で感じている坂本。市丸とともに1年生の夏から出場し、この夏は文字通りの集大成。「最後ですので、今までやってきた最高のプレーをしたいです」と最後に意気込みを語った。

 坂本を3年間指導してきた吉冨監督は、「1年夏から出場し打撃は勝負強いです。課題もありますがチームの主軸として確実に成長してくれています。また、1年秋から捕手としてチームを牽引しています。当時と比べると、複数の投手をリードする力、洞察力や統率力も良くなりました」と成長を称える。

 7月は高校野球界でも唐津商の「坂本 勇人」の名を轟かせる。

(記事=編集部)


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