これまで千葉ロッテドラ1の鈴木 昭汰の野球人生について聞いてきた。そして変化球、ストレートの握り、投げるポイントを教わるためにボールを用意してもらい、語ってもらったところ、実に饒舌に語ってもらった。U-15代表、常総学院のエースとして3度の甲子園出場、法政大のエース、そしてドラフト1位。まさにまばゆい球歴がある鈴木が伝授する投球理論をご覧あれ。こちらは動画で鈴木投手の解説を見るとよりイメージがしやすいので、ぜひご覧いただきたい。

鈴木昭汰投手へのインタビューはこちらから
ロッテドラ1・鈴木昭汰(常総学院出身)が甲子園で痛感した同期との差 vol.1
プロ目指し法大進学も挫折続き。それでもドラ1・鈴木昭汰(常総学院出身)は諦めなかった vol.2

ストレート:「押し出す」ではなく上から「潰す」イメージストレートの握り

鈴木 自分はボールを握った時に人差し指と中指の間が指1本入るぐらいの感覚で握ります。また親指を添える位置は人差し指と中指の間の真ん中です。リリースをする際のポイントですが、中指の腹で切るのではなく、自分の場合は中指と人差し指で潰しながらリリースをすることを心掛けます。

 大学3年生からストレートに角度をつけたくて、押し出す感じではなく、潰す感じで投げることを心掛けました。潰すリリースをしていくと、人差し指と中指にマメができる形です。

スライダー:真っ直ぐの軌道と同じようにスライダーの握り

鈴木 自分は通常の方が投げるようなスライダーとは違うイメージで投げています。理由としては一般的なスライダーの投げ方だと、打者の目線が外れてしまうためです。まっすぐの軸のまま投げられないので、自分の場合、親指を立てたことをイメージしたまま切ります。そうすることで、真っ直ぐの軌道できゅっと曲がるスライダーになります。

シュート:プレスしながら切って横回転をかけるシュートの握り

鈴木 縫い目に沿って握って、人差し指を添えるイメージで。そして中指に力を入れて切ったら、自然とシュート回転になります。シュートがあると左打者に使えます。内角にシュートがあるだけでも、左打者は意識しますし、ゲッツーはとりたいと思えば、ゴロを打たせたいと思って投げれば投球の幅は広がるので、本当に大きい球種です。

 ちなみに鈴木はU-15代表に選ばれたシュート使いの名人だった鹿取義隆代表監督から学んでいる。そこから今でも武器にしているのはさすがである。

チェンジアップ:落とすのではなく「こない」と思わせる
チェンジアップの握り

鈴木 少し指を広げ、薬指も入れた三本指で握る。特にひねることなく、まっすぐを投げます。そこの握りだと、力が入らないので、まっすぐを投げようとしても遅くなります。チェンジアップは急激に落ちるチェンジアップなどがありますが、僕のチェンジアップはまっすぐだなと思ったらなかなかこないなと思うチェンジアップです。

 このイメージは、大学生から使わせてもらっていますが、きっかけは金子千尋さん(長野商出身 北海道日本ハム)のチェンジアップの動画を見たことです。おこがましいですが、使わせていただこうと思いました。マネをさせてもらって、自分の中でうまく投げているので使わせてもらっています。

 以上、4球種の投げ方を教えてもらった。コントロールを磨くための方法として投球練習から打者を立たせている。

「ブルペンから打者は絶対に立たせます。投げているとき、ホームベースの上に9マスがあることをイメージし、そこに目がけて投げることを常にやっていけば、腕の角度、腹圧のかけかたが変わってくるので、コントロールしています。

 そういった微調整ができないときが調子の悪いバロメーターだと思ってやっています。とはいえ、調子が良いときはほとんどありません。むしろ調子が悪いときが多いです。だから打者を立たせるんです。変化球を交えたり、コントロール重視で投げたりと、悪くなった時の対処法をブルペンで試しています」

 コントロールをつけるためにはフォーム固めが大事だが、その1つの方法としてネットスローをお勧めする。

「行き先がないので、すぐに近くで投げ込めるし、ボールを意識せず、自分のフォームだけを意識できるので、ボールを投げている感覚があります。シャドーはボールを投げないので、感覚が変わりますので、自分はあまりやりません。ネットスローは近い距離で、ボールを気にせず、フォームだけを意識して投げる良い練習だと思います。投げるために意識しなくてもフォームを確立するためにネットスローで固めています」

 好投するためにバッテリーとの協力は不可欠だ。

「自分の意見と捕手の意見は納得するまで話し合って、また納得するまで話し合う。その繰り返しは信頼関係はつながっていきます。そうすると何を投げたいのか、考えて分かるようになりますし、会話というのは大事にしています」

 こうした積み重ねで東京六大学でも活躍できる投球術、スキルを身につけた鈴木は勝負となった4年秋でも、8試合に登板し、37回を投げて45奪三振、防御率1.95の好投でスカウトにアピールに成功した。

プロでは「息の長い選手に」

ロッテに1位指名を受けた鈴木昭汰 ※写真提供=法政大野球部

 そしてドラフト会議では千葉ロッテからドラフト1位指名を受けた。この結果に鈴木は驚きだった。

「1位で指名されるとは思っていなかったですし、最高に評価してもらったと思います」

そして決意を語ってもらった。

「期待してもらっていることはプレッシャーですし、それをどう捉えるか自分次第。プレッシャーに負けないように練習してきました。息の長い投手になりたいです」

 1つ1つの球種、変化球をどう投げたいのかを目的意識をもって語れる。さらに練習方法1つにしても、目的を見失わず、積み重ねることができる。その意識の高さを挫折を乗り越えられたのだろう。

 即戦力左腕として、同世代の投手たちに負けない活躍を見せる。

(記事=河嶋 宗一)

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