今年のドラフト会議で1位指名が有力視されている市立和歌山の小園 健太投手。7月下旬に高校野球を引退してからも、プロ入りを見据えてトレーニングを続けている。今回は小園に今年の高校野球生活の振り返りやドラフトに向けての心境などについて伺った。


初の甲子園でつかんだもの

小園 健太(市立和歌山)

 昨秋の近畿大会で4強入りして、今年の春に甲子園出場を果たした小園。「テレビで見ていた場所に自分が立っているという思いがあって、凄く楽しかったです」と初めての甲子園を振り返ってくれた。

 だが、コロナ禍の影響で甲子園練習ができず、1回戦の県立岐阜商戦がぶっつけ本番でのマウンド。スコアボードに0を並べ続けてはいたが、先頭打者を出す場面が多く、好調とは言えない内容だった。

 「立ち上がりから制球が定まらなくて、凄く苦しかったです。得点圏にランナーを背負った場面でも要所要所でしっかり凌げていたんですけど、お互い点が入らない状況だったので、凄く苦しい展開ではありました」

 そうした中でも粘り強く要所を締める投球を見せ、得点を与えなかった。すると、9回裏に一死一、二塁から亀井 新生(3年)がセンター前に適時打を放ってサヨナラ勝ち。ネクストバッターズサークルにいた小園は真っ先に飛び出し、「甲子園で勝つのは目標にしていたので、まず1勝できたのは嬉しかったです」と仲間と喜びを分かち合った。

 2回戦の明豊戦は米田 天翼(2年)に先発を譲り、小園はベンチスタートとなった。リリーフで準備をするのは先発と違った難しさがあったと語る。

 「先発だと試合前から気持ちを作りやすいんですけど、リリーフになってくると試合展開次第で気持ちの持ちようが全然変わってくるので、本当に気持ちの作り方が難しいかなと思っています。あの試合は5回からと言われていたんですけど、本当に厳しい試合展開だったので、本当に緊張した準備の時間でした」

 それでも5回表からマウンドに上がると、エースの投球を見せる。いきなり2三振を奪って流れを引き寄せると、6回裏には松川 虎生(3年)が適時打を放ち、試合を振り出しに戻した。

 このまま自分たちのペースで試合を進めたいところではあったが、直後の7回表に二死三塁から代打の竹下 聖人(2年)に三遊間を破られ、勝ち越し点を献上。これが決勝点となり、1対2で敗れてしまった。

「悔い」を飛躍のバネに

トレーニングする小園 健太

 新チーム結成当初から目標としていた日本一には届かず、悔しさを噛みしめて甲子園を去ることになった。決勝点を与えた1球は悔いが残ったという。

 「打者一人ひとりにしっかりと気を抜かずに投げることを学びましたし、勝負どころでの甘くなった1球は凄く悔やまれるので、勝負球に気をつけようという気にはなりました」

 1球の怖さを知った初めての甲子園。「ストレートでファウルや空振りを奪ったり、キレの良いストレートを投げたいと思って取り組んでいました」とセンバツが終わってからはストレートの向上に力を入れてきた。そのために取り組んできたのが下半身強化だという。

 「下半身から見つめ直して、安定した下半身を作って、良い球を投げるために練習していました。走り込みももちろんですけど、ウエイトトレーニングもやっていました」

 さらにフォーム改善も入念に行ってきた。

 「センバツでは投げ終わりが左に流れてしまうことが多かったので、そこは流れないようにしっかりと見つめ直しながら、ピッチングでも動画を撮影しながらフォームを固めていきました」

(記事=馬場 遼)