大阪桐蔭時代から注目を浴びていた早稲田大・中川 卓也内野手。早稲田大では、4年間で高い評価を受けてプロ入りすることが目標だった。ここまではかなり苦しさを味わっているが、壁を乗り越えるために必死にバットを振る姿があった。インタビュー最終回は打撃の不調を乗り越えてベストナインを獲得するまでの軌跡。そして、勝負の1年へ向けて意気込みを語った。



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インコースを捌く技術がうまくなり、ベストナインへ

リーグ戦での早稲田大・中川卓也内野手(大阪桐蔭出身)

 満足したシーズンは1度もない。早稲田大入学以降、苦しい打撃が続いた。

1年春 打率.128
1年秋 打率.208
2年春 打率.222
2年秋 出場なし
3年春 打率..257

 他の選手と比べて多大な注目度を浴びて入学した。プロ入りという目標へ、圧倒的なパフォーマンスをするために、バットを振り、そして首脳陣から信頼を集めるために地道な守備練習にも取り組んだ。

 

 下級生時代から中川の練習を見て、取材も行ったが、熱心に練習をする姿が印象的で常に前向き。シート打撃を見てもやはり非凡なものを感じた。だが、結果が伴ってこない。苦しい時間が続いた。

「練習では内容が良いですし、オープン戦でも良い結果は出るのですが・・・。神宮で打席に立った時に(結果が出ず)、何が足らなかったのか、調子なのか、コンディションなのか、といろいろ考えていました」

 これがすべてではないが、中川が行ったのはインコースを捌く練習だった。

「インコースが苦手だったので、2年生の冬にインコースの捌き方をずっと練習しました。その成果で自信がついて、インコースの捌き方が楽になって打席のゆとりというか、打席の中の待ち方は変わってきました」

 中川の言葉通り、3年秋のシーズンでは待ち方にゆとりがあり、対応力が広がった。3年秋は自己最多の12安打、最高打率.333をマークし、ベストナインを獲得。結果を残したシーズンとなった。ただ、打撃面で満足をしていない。

「3年秋までの5シーズンは思い出す限り苦しいシーズンばかりでした。秋は目標にしていた3割とベストナインは獲れて、結果的に見たら良い成績だと思うのですが、その中でも悔しい打席だったり悔しいスイングが多くありました。嬉しかった気持ちは一瞬だけですね。昨秋も9割9分苦しいシーズンと言ってもおかしくはないです」

目指すは首位打者

リーグ戦での早稲田大・中川卓也内野手(大阪桐蔭出身)

 まだ満足をしない。練習中、一心不乱にバットを振る。その中でも打撃は実に非凡だった。ほとんどの打撃では芯を捉え、ライナー性で飛ばしていく。早稲田大は高校野球で活躍してきた選手が多い中でも、中川のコンタクト力の高さは明らかに抜けている。

 

 自身の打撃スタイルをこう説明する。

「バットの芯にボールのど真ん中をぶつけるということだけを考えて、どうしたら確率が上がるのかを考えてずっとやっていました。高校の時から自分はホームランバッターではないので、打率で稼がないと上には行けないと思っているので」

 中川のミート力は同じくチームメートのドラフト候補、蛭間拓哉外野手(浦和学院出身)も一目をおいている。

「中川のミート力には敵わないです。高校の時からも芯に当てる上手さや、そういうところは自分には敵わないところなので、見習うべきところはあると思います」

 秋での活躍を評価されて、中川は大学日本代表候補合宿に参加したが、思うようなパフォーマンスは発揮できなかった。

「レベルが高いというのは分かったつもりでしたが、改めてレベルの高いところに来たなというのが印象がありました。その中でも、いろんな人からいろんな話を聞いて、自分のものにできそうなものがありました。それは冬に取り組んでいたりするので、3日間だけでしたけど、良い経験をさせてもらいました」

 小さい時から思い描いていたプロ野球選手になるためには、大事な1年になる。中川は今シーズンの決意を強く語った。

「ドラフトイヤーになり、プロの目を気にするなという方が無理だと思うので、プロに行きたいという気持ちをプレッシャーを力に変えていきたいです。

 僕としては、チームが勝てればいいと思うので、リーグ戦で優勝するために何ができるのかを考えて、キャプテンとして、一選手として、日本一に貢献できたら良いなと思います。

 とにかく打率と出塁率にこだわってやったいきたいので、蛭間が三冠王を目指していますが、僕は首位打者。三冠のうちの一冠を奪えるように頑張りたいです」

 苦楽をともにしてきた蛭間とタイトルを独占できれば理想的だ。勝負の1年で、「ドラフト指名確実」のパフォーマンスを発揮できるか。大きく期待したい。

(記事:河嶋 宗一)