明徳義塾「見せ付けた」選手層

勝利に貢献した明徳義塾・玉手佑弥(3年)

 旧チームからクリーンナップを張った安田 隆(3年・捕手)は昨年11月から長期離脱中。昨秋は遊撃手主力の今釘 勝(2年・右投左打・167センチ65キロ・京都嵐山ボーイズ<京都>出身)は脚の状態が一進一退でが、この春季四国大会大会でようやく背番号「13」でメンバー入り。

 しかし、代わって県大会の大黒柱だった左腕・林田 大成(3年)が登録外。さらにリードオフマンとして絶対的存在感を持つ古澤 怜大(3年・中堅手・171センチ76キロ・右投右打・横浜市立岡野中<神奈川>出身)も足首の捻挫でこの徳島北戦は大事を取って欠場。「この前、お祓いをしてもらったよ」と馬淵 史郎監督がこぼすほど、明徳義塾は現在ケガに悩まされている。

 しかし、いざ試合が始まってみると「明徳」の縦じまは攻守に躍動する。

 投げては右サイドの玉手 佑弥(3年・176センチ74キロ・右投右打・明徳義塾中出身)が最速126キロながら「テンポよく打ち取ることを心掛けて」中3春に「第7回文部科学大臣杯全日本少年春季軟式野球大会」で全国制覇を遂げたマウンド勘を存分に発揮し、6回3分の2を投げ4安打5奪三振、失点は4回表二死二塁から徳島北5番・柏木 爽吾(2年・左翼手・172センチ76キロ・右投左打・徳島藍住リトルシニア出身)へ初球を中前に運ばれた1点のみ。残り1アウトは期待の最速139キロ1年生左腕・代木 大和(1年・183センチ83キロ・左投左打・川之江ボーイズ<愛媛>出身)が三振で締めた。

 一方、12安打8得点を奪った野手陣で特に目だったのはこの2年生トリオである。2番の合田 涼真(三塁手・176センチ67キロ・右投右打・伊予三島リトルシニア<愛媛>出身)はバットコントロールの巧みさで3打数3安打2得点2打点 5番・鈴木 大照(捕手・171センチ68キロ・右投右打・河南リトルシニア<奈良>出身)は5回裏二死一塁から「2打席目までにカットボール・スライダーを空振りしていたので3打席目は初球の変化球を狙っていた」捕手目線での読みで試合を決める右中間三塁打。

 そして7番の奥野 翔琉(右翼手・173センチ64キロ・右投左打・明徳義塾中出身)は50メートル走6秒0の俊足を駆り、4回裏の決勝適時打ばかりでなく守備でもチームに貢献。「下級生がよくカバーしてくれた」と馬淵監督を喜ばせている。

 敗れた徳島北主将・青山 由宇(3年・二塁手・168センチ72キロ・右投右打・松茂町立松茂中出身)に「甲子園に出るチームとの差を感じた」に、いわしめた明徳義塾の強さ。それは「その時しかないかもしれない」チャンスをつかもうとする選手たちが作る選手層あってこそ成り立っている。

(文=寺下 友徳)