読谷・古堅があわやノーヒットノーランの快投! 7回を終えた嘉手納のスコアボードにはいまだ「0H」の文字が光る。あと6人。スタジアム内にはノーヒットノーラン快挙の空気が流れており、読谷・古堅のピッチングが全てを支配していた。

 読谷先発の古堅は、スイスイと嘉手納打線を封じ込んでいく。嘉手納の好打者親泊は第1打席、執拗にレフトへの流し打ちを試みるも最後は投ゴロ。これが何なのか、僕には分からなかったのだが、読谷外野手の極端なシフト取りが嘉手納打線を狂わせ始めた一歩だった。

 打者によって外野陣が動く。時にはレフトがポール側から10歩程度の位置へ。もちろんセンターは左中間、ライトはセンター定位置のやや右中間側だ。次の打者にはライトが右翼ポール側から10歩程度へ移動。レフトの位置は左中間だ。

 レフトが左中間にいたら、打者としては強い打球でなくてもレフト方向へ打ちたい。そこを手玉に取られた。左打者には外のボールになる球。ファールになる球だ。右打者にも外角への球が有効になる。引っ張りたいがそれがサードやショートへのゴロやフライとなる。時折くる内角はボール球。引っ張ってもやはりファールになる。4回の嘉手納は3人全てがサードゴロとショートゴロだった。

 右打者は右中間へ流す。左打者は引っ張るとしても、右中間へ陣取るセンターと、ライト線を守るライトのほぼ正面に終わる。この陣が敷けた一つの理由が、センターからバックネットへ吹く強風だった。ほぼ頭を超えることは不可能なほど強い風が、読谷側に有利に働いた結果、嘉手納は7回を終えてノーヒットと追い詰められた。

 8回、6番與儀哲が技ありのレフト前へヒットを放つ。これが普通の位置ではない読谷。與儀哲は二塁へ到達した。しかしその後も読谷・古堅のピッチングに変化は無い。このヒット1本のみ。

 打者29人1安打2四死球1併殺打の完封勝利。打線のタイムリーは4回、4番奥間の1本だけ(残り2得点はボークとエラー)だっただけに、古堅のピッチングと、相手を研究した外野陣のシフトが光った試合だった。

(文=當山 雅通)