「大野松山商」初陣!松山東との同門対決を制す!

4回裏先制のホームを踏む松山商5番・坪井 蓮(3年・右翼手)

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 今年4月より今治西を15年間で春夏通じて11回甲子園に導き、2007年には秋田国体も制した大野 康哉監督が就任した名門・松山商。先日、愛媛県教育委員会より6月22日(月)からの通常練習再開、県内校限定練習試合解禁を受け、彼らは6月24日(水)・愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムにおいて松山商と同じく旧制・松山中からの流れをくむ名門の二文字を冠し、松山商と統合していた1950年夏には甲子園制覇。2015年センバツでは21世紀枠出場で1勝をあげた松山東と2020年練習試合初陣を戦った。

 保護者を中心とする観客全員には検温・連絡先記入を義務付け。さらに試合開始・終了時の選手礼もホームベース付近での審判合図に合わせてベンチ前で行うなど、新型コロナウイルス感染拡大防止措置が各所で敷かれる中、「初めて松山商のユニフォームを着た自分が固くなってしまって、選手たちに乗り移ってしまった」と試合後、大野監督が苦笑いを浮かべたように、伝統の一戦は序盤、両チームに初戦ならではの細かいミスが目に付く展開となる。

 しかし試合前からこの日は1番・遊撃手に入った主将・国澤 彪馬(3年・168センチ64キロ・右投右打・松山市立久米中出身)いわく「令和2年度愛媛県高等学校夏季野球大会に向けてリラックスして戦い、低い打球でつなぐことを意識していた」松山商は中盤以降、自らのスタイルを体現。

 4回裏二死から左中間二塁打を放った5番・坪井 蓮(3年・右翼手・右投右打・170センチ69キロ・吹田リトルシニア<大阪>出身)を6番・河野 弘暉(3年・左翼手・右投左打・164センチ62キロ・えひめ西リトルシニア出身)の中前適時打で迎え入れ先制点を奪うと、その後も内野の間を低く破った国澤の2安打3打点や、8回裏一死満塁から9番・重松 貴浩(3年・捕手・右投右打・162センチ65キロ・松山ヤングエンゼルス)が初球で決めたスクイズ含む5犠打を絡めて着々と加点し7安打で7得点。守っても8回97球3安打2四死球9奪三振無失点で指揮官が「当初は5回までと思っていたが、気合も入っていて交代させる理由がなかった」と讃えた先発・山下 貫太(3年・右投右打・175センチ71キロ・松山坊っちゃんボーイズ出身)をはじめ、3投手が完封リレーを演じた。



松山東の主将・1番の露口 敦将(3年・左翼手)

 一方の松山東は「8月開催では勉学との両立が厳しい」(友近 拓也監督)県内屈指の進学校という事情を踏まえ、すでに令和2年度愛媛県高等学校夏季野球大会出場を松山西らと共に断念。6月25日(木)〜28日(日)に「2020夏NEWS杯特別記念大会」の通称が付いた松山北・松山西・松山南との交流試合をもって3年生15人は高校野球のピリオドを迎える中、2番・今井 哲理(3年・右翼手・172センチ62キロ・右投右打・松山市立道後中出身)が3安打を放つなど、最後まで「自分は東温市立重信中先輩のセンバツ出場時のエース・亀岡(優樹・愛媛大→松山フェニックス)さんに憧れてはいたが、甲子園ありきて野球はやっていないし、15人で野球がしたかった」(露口 敦将・3年主将・左翼手・右投右打・162センチ60キロ)想いをグラウンドで全力表現。これに応え敵将・大野監督も「いいチームだったし、それぞれの高校野球の中で自分で下した決断なので、頑張ってほしい」と、防衛大・自衛隊パイロット志望の露口をはじめとする仲間たちにエールを送った。

 かくして同門・松山東からも想いを受け取った松山商。「これからも勝ちにこだわりたい」と語る闘将と、「相手があってこそ野球ができるし坊っちゃんスタジアムで試合ができる楽しさを知った」(国澤)3年生15人をはじめとする名門は、令和2年度愛媛県高等学校夏季野球大会の優勝を目指して、これからも人生に活きる野球の心技体を学び続ける。

(取材=寺下 友徳)