スキなし東海大菅生 そつなく加点して八王子に完勝

東海大菅生・鈴木 泰成投手

 雨が降る中で行われた準々決勝最初の試合。八王子の先発投手が注目されたが、エースの羽田 慎之介ではなく、背番号10の星野 翔太だった。安藤 徳明監督は、羽田を先発させるつもりで、水曜日には本人に伝えていた。「4、50球投げさせる予定でした。後ろだと球数が読めないから、頭から行くつもりでした」と安藤監督。しかし雨が降り、試合がいつ中止になってもおかしくない状況。途中で中止になって、明後日再試合の可能性もあったので、無理をさせず星野が先発した。

 東海大菅生は左腕の櫻井 海理が先発した。ただ、三塁手の小池 祐吏は右足捻挫のため欠場。代わりに山田 聖和が、三塁手を務めた。中軸を打つ選手の欠場は、普通のチームなら痛手になるが、代わりに入った山田も実力、実績とも十分。このあたりの層の厚さにも東海大菅生の強さが表れている。

 八王子の2年生・星野は、一冬超えて球威が増し、140キロ前後の速球を投げ込み、1、2回は東海大菅生に得点を与えない。

 東海大菅生でこの試合活躍したのは、打撃不振で打順が8番に下がった福原 聖矢だった。3回裏東海大菅生は、この回先頭の福原が左前安打で出塁。1番・榮 塁唯の一ゴロで二塁に進み、2番の小山 凌暉の中前安打で俊足の福原が生還した。続く3番・千田 光一郎のレフト線近くの二塁打で二、三塁となり、ワイルドピッチで小山も生還した。

 雨が降りしきる中、東海大菅生の櫻井は、緩急をつけた丁寧な投球で、走者を出しても得点は与えない。

 5回裏東海大菅生は、この回先頭の1番・榮が四球で出塁したところで、八王子は投手を左腕の舘野 智靖に交代する。東海大菅生は3番・千田、4番・堀町 沖永と安打が続き、1点を追加する。

 八王子は6回裏からマウンドには右腕の渡邉 凜之介が上がる。この回東海大菅生は一死後、8番・福原が中前安打で出塁すると、すかさず二盗。この時ワイルドピッチも重なり、福原は一気に三塁に進んだ。ここで東海大菅生は9番打者で先発投手の櫻井に代打・岩井 大和を送る。岩井はしっかり犠牲フライを打ち、1点を追加。派手さはないが、こうした無駄のない点の取り方で相手を追い詰める。

 7回裏も小山の左前安打に八王子の守備のミスも重なり、1点を追加した。

 東海大菅生は、7回からはすっかり投手陣の柱の風格が出てきた鈴木 泰成が登板。鈴木 泰成は140キロを超える速球にキレの鋭い変化球を織り交ぜて、3回を被安打2、奪三振7の無失点。全く危なげなく、試合を締めくくった。

 敗れた八王子は、秋に比べ、明らかに力はつけてきたが、この試合では守備のミスが失点につながったのは、痛かった。八王子の安藤監督は、「力のあるチームにミスをしたら勝てません」と語った。また夏に向けて、「もう少し打てないと」と、打線の強化を課題に挙げた。

 勝った東海大菅生は準決勝で、関東一と國學院久我山の試合の勝者と対戦する。関東一は昨秋苦戦したし、國學院久我山には2年前の夏に敗れている。若林 弘泰監督は、警戒の気持ちを込めて「どちらも嫌な相手です」と語る。昨年来、東京では負けなしの東海大菅生。戦いぶりが盤石でスキがないが、準決勝はどちらが勝ち上がっても、要警戒のチームであることは確かで、楽しみな一戦になりそうだ。

(記事:大島 裕史)